水道ギャラリー

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2015/07/16〜2015/07/28

ヒロイグラススタジオ 花岡 央-はなおかひろい- ガラス展 『おこめとうつわのものがたり』

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酢飯屋のお寿司、日本各地の日本酒、そしてガラス。
共通するのはおいしい『お米』。
お米が熔け込んだ、淡いブルーのガラス『GRICE』で
美味しいものがたりを紡ぎます。


【日時】 2015年 7月16日(木)~7月28日(火)

16日(木):11時30分〜19時
17日(金):10時30分〜22時
18日(土):10時30分〜22時
19日(日):10時00分〜19時
20日(月):10時00分〜22時
21日(火):10時00分〜19時
22日(水):10時00分〜17時
23日(木):10時00分〜21時
24日(金):11時00分〜17時
25日(土):10時00分〜21時
26日(日):10時00分〜17時
27日(月):10時00分〜17時
28日(火):10時00分〜21時

【在廊日】
18(土),19(日), 20(月祝)

【場所】
〒112-0005
東京都文京区水道2-6-6
酢飯屋/水道ギャラリー

【花岡央を囲む会 「酒 と お寿司 と おこめ と うつわ」】
2016年7月18日開催

【作家プロフィール】

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1982年 2月 岡山県備前市生まれ
2004年 3月 倉敷芸術科学大学卒業
2013年 10月 吹きガラス工房『ヒロイグラススタジオ』と併設のギャラリー
       『SEIDEN Gallery』をオープン

先日、高校時代の担任から卒業後初めて封書が届いた。
ガラス工房をもち、作家活動を続けていることに対する喜びとともに
"進路に関して力添えが何一つできなかった"と、自責の念がつづられていた。
***
16年前の1999年7月、それは高3の夏休み直前だった。
文系大学志望から急に芸大志望へ変えた私は担任から呼び出しを受けた。
それまで成績は悪い方ではなかったので、担任は驚いたようだった。
「今まで勉強を頑張ってきたのにもったいない・・・」とか
「芸術で食べていける人は、この小指の先ほどもいないんよ!」と
必死に引き留めにかかる担任に、とにかくやる!の一点張りだった。
そもそも、きっかけは美術教師の
「この先どんな仕事をしてもしんどい世の中になるから
どうせなら好きなことを仕事にできたらいいよな」という言葉。(無責任)
その言葉でずっと好きだった美術・芸術の道もあることに気づいた。
今思えば、こんな仕事をしたいという目標も特になく
退屈なテストのための勉強から逃げ出したかったのかもしれない。
担任に対してただ反発したかったのかもしれない。
もしくはノストラダムスの予言直前で「どうせ地球が滅亡するなら」
という気持ちも少しはあったかもしれない。(いや、割とあったか)
そんなこんなで遅すぎる受験対策に画塾へ通い
一番身近な芸術であった「備前焼」を学ぶため倉敷の大学に入学した。
こうして担任の反対を押し切ったまま、小指の先を目指す世界へ進んだのだ。
***
ところが大学で思いもよらぬモノと出会うのである。
「吹きガラス」という今まで出会ったことのないファンタスティックな工芸だ。
陶芸の「自身との戦い」的な制作と全く異なり
スポーティーかつチームワークでの流れるような制作に心を奪われてしまった。
手で直接触れられないもどかしさと難しさの割に、翌日完成品を手に取れる
という結果の速さが、せっかちな私には合っていたのだろう。
結局、両親にも相談なしに陶芸からガラス工芸へ進路変更。
案の定こっぴどく怒られるが、それでも新たな道を応援してくれる両親に感謝だ。
在学中は吹きガラス三昧。さまざまな技法には目もくれずひたすら吹いた。
長い休みは日本各地のワークショップへ何度も出向き、ひたすら吹いた。
そして、その時にお邪魔した大阪のガラス工房で修行させてもらうことになるのである。
先生、僕は確実に小指の先へ向かって登っているよ。
***
大阪のとある工房。働く前は早期の独立をめざしていたが、すぐに諦めることになる。
自身の技術の無さや、「仕事」としての吹きガラスの大変さに絶望すら覚えた。
「こんなことなら楽しい吹きガラスを趣味で続ければよかった」
「もう辞めてしまおう」と何度も思った。
その度に、気持ちを繋いでくれた物の一つが先生の「小指の先」だった。
あの時に間違えたと思いたくないし思われたくない。単なる見栄なのかもしれない。
それでも自身の工房は持てなくても、ここで良い物をたくさん作って届けて、
「尊敬する作家の右腕になりました!」といつか先生に胸を張って報告するんだ、と。
その後チーフを任されるようになり、技術も経営面の知識も人脈も増えていく。
修行中の身ながら結婚もした。
立ち上げから関わっている工房ブランドが徐々に育ち、仕事も安定してきた。
そろそろ掌あたりには乗ったかな?という頃。
様々な事柄が重なり、「地元備前へ戻り独立する」というタイミングが訪れた時には、修行開始から9年の歳月が流れていた。
***
2013年、帰岡から半年の歳月をかけて自作の窯を築炉、秋に工房をオープンさせる。
時を同じくして収穫の時期を迎えた両親の作るお米が大変な不作。
工房を開いた実家の地には、かつて『旧 閑谷(しずたに)学校』の運営を支えるための学校田があり、その地で今もお米を作り続けています。
落ち込む両親を元気づけたいという想いに重なったのが
「何かを通して地元とつながりたい」という願いだった。
備前焼の土は、田んぼの底土を使って器を作り、もみ殻、稲わらは道具、窯変に使う。
まさにこれ以上ない「縁」をもつ素材がそこにあったのだ。
こうして、出荷に適さない未熟な小さなお米たちをガラスへ溶かし込んだ
淡いブルーのガラスGRICE(グライス)が生まれた。
そして必死に2年目を走るさなかに、その手紙は届いたのだった。
高3の担任としてなにもできなかった事をずっと胸に抱えていたという恩師。
しかし夢を少しずつかなえて成長していく姿を見て
"ここらで胸のつかえを下しても良いのでしょうか" という一文で、涙。
本当に頑張ってきて良かった。恩師と出会えてよかった。
今回の個展が終わったら恩師を工房へ招待し、心からの感謝を告げるつもりだ。
「ようやく小指の付け根あたりに辿りつけました」と。
花岡 央

【GRICE グライス】とは
炭にしたお米(未熟米)を発色材の一つとして、ガラス原料と共に
高温で熔かし込み発色させた、淡い青色の央さんオリジナルガラスです。
発色や微泡の量などが、同じ窯の中でも若干異なるのが特徴です。
熔かした直後は泡が多いため、約3日間かけて微泡になるように調整されています。

【吹きガラス作品のお取り扱いについて】
耐熱ガラス、強化ガラスではありません。
電子レンジで加熱する、冷凍庫で凍結させる、熱湯を注ぐなど
短時間で急激に温度が変化するような状況でのご使用はおやめください。
お手入れの際は、スポンジなどの柔らかい素材の物を使って
やさしく洗ってください。

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ヒロイグラススタジオ
〒705-0033
岡山県備前市穂浪583-1
ホームページ http://www.hiroyglass.com

干支ガラス2017 酉(とり)

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