つわ寿司・ツワ寿司・つわずし
[高知県土佐清水市]
高知県 土佐清水市 窪津の郷土寿司です。
神祭の祭囃子が聞こえる頃、
足摺半島の道々にはツワブキの黄色い花が咲き誇ります。
クジラで栄えたこの町に漁師に愛された寿司がありました。
『つわ寿司』です。
ツワの葉には殺菌作用があるので、木の板の代わりに
昔からすしの間にツワの葉を挟んだり、敷たりして
酢飯の上には細かく炒った卵、もしくは錦糸卵。
炊いたニンジン、ニンジンの葉、もしくはパセリを飾ります。
固く押し固めた押し寿司は
揺れる舟の上で漁師がこぼさず食べやすいようにと考えられたものだそうです。
シンプルですが、酢飯が売りで、三原村のお米に昆布をたくさん入れて炊き、
ハガツオやサバを入れた酢ころし(すしのだし)で味付けをしています。
ツワブキの花言葉は、『困難に打ち勝つ』。
縁起が良いお寿司とされてきました。
かつて足摺地区では一度に3升も入る押し抜き(桶)に、
ご飯、具、ツワ、と何段も重ねて、挽き臼のような重石を一晩置き、翌朝抜きとったそうです。
踏ん張らないと抜けないくらい大きいので、桶から寿司が抜けると
厄が抜けた!と喜ばれたようです。
験を担ぐ(げんをかつぐ)漁師さんたちの還暦や厄抜けのお祝いの皿鉢には
山の物として奥に置かれました。
食べる時には、結局小さく切るから。という理由で
家庭で日常的につわずしを作っていた松尾地区では、
何十年も前に押し抜きが小さくなりました。
その他にも
『太刀魚のかいさま寿司』、『カマスの姿寿司』などなど。
さすが、
日本一郷土寿司の多い県、高知県です。
どこに行っても寿司、寿司、寿司!^o^
昔は海苔や卵が手に入りづらく、代わりに『つわぶきの葉』を上下に敷き、
押し寿司にしていました。
『押し抜き』という大きな箱に、何段も重ねて切り分けて、つわの葉で挟んで食べます。
厄除けの縁起物として喜ばれています。
つわの葉は食べません。
【TSUWA SUSHI】
In the distant past , it was hard to obtain eggs and nori(seaweed).
Pressed sushi was made by placing tsuwabuki(leopard plant)leaves on the top and bottom as a substitute.
The leaves , however , are not eaten.