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あら・アラ・Niphon spinosus

[すし・sushi料理海の生き物釣り・Fishing]

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スズキ目
スズキ亜目
アラ科
アラ属
アラ

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アラという魚の名前、初めて聞きましたか?
見た目からして、スズキなの? クエなの? ハタなの? と間違われますが、

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「アラ」です。
昔から、トゲの多い魚は旨いと言われ、
そして、旨い魚には毒があるとも言われています。
アラには鋭いトゲと、そのトゲに毒もあります。
美味しい魚の二つの条件をただ満たしているだけでなく
実際にアラは美味しいのです。
それが大型になればなるほどに。
新潟県柏崎の漁師が伝統の「桶流し一本釣り」で釣り上げて
漁協が指定する条件をクリアした上質なアラは、
「柏崎のアラ」と認定され、現在ではごく一部にしか流通していません。
食通の方々でも、トップシェフたちでもまだ知られていない。
ここまで未開拓でポテンシャルの高いお魚は他にあるでしょうか?
希少で、上質で、濃厚な旨味の白身魚。
それが故に、高価なものではございますが、
一生に一度は食べてみたい魚、
それが「柏崎のアラ」です。
全国各地に高級魚と呼ばれる美味しいお魚がありますが、
その中でも、「クエ」の名前は良く聞くかもしれません。

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※こちらの写真がクエです。
クエについて、詳しくはこちらからどうぞ。
https://www.sumeshiya.com/blog/2018/07/post-2819.html

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そんなクエとは、似て非なる魚「アラ」をご存じでしょうか?
料理人や釣り人たちからも一目置かれてはいるものの、なかなか市場に出回らない、
なかなか釣れない、「幻の魚」と言われるほど、希少なお魚です。
大型になるほど脂が乗り旨味を強く感じて、白身魚とは思えないほどの濃厚な味わいが特徴です。
エラ蓋に2本のトゲがあり、背ビレが2つに分かれている点でもハタ科のクエと見分けることができます。

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1kg未満の小型のアラは「コアラ」と呼ばれ、
割と釣れて地元のスーパーに並ぶことがあるほどですが
小型のアラの美味しさとは比べ物にならないほど美味しいのが
10kgを超えるような大型のアラです。

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新潟県柏崎市(かしわざきし)では小型のアラを含め、
年間1~1.5t程度、アラの全体漁獲量があるうち、
「柏崎のアラ」に認定される上質なアラは、
そのうちの300~400㎏程度(年間150匹前後に相当)と、
数字からも大型のアラは大変希少であることがわかります。

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アラの成魚は体長1m近くにまで成長しますが、成長スピードが遅いのと、
大型になるほど深場に移動し、水深200m程の深海に生息するため、
小型のアラは獲れても、大型魚がなかなか獲れないことも
希少で高級な存在として扱われる所以となっています。
大きいほど美味しいけれど、大きいアラほどなかなか獲れない。
ますますその味が気になってしまいますよね。

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アラのエラ蓋のトゲには要注意です。

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硬くて鋭いトゲは、ちょっとした不注意でもチクッと刺さります。

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アラの前鰓蓋骨にある棘と、

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背ビレにある棘には毒があり、刺されると強烈に痛みます。

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「アラ」という名前は、エラ蓋に長く尖ったトゲが突き出していて
「荒々しい」風貌から名づけられたと言われています。
(※トゲに毒があるので刺されたら1時間くらいしびれることがあります。)

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「アラ」と「クエ」はよく間違えられることもあります。
どちらも美味しく希少な高級魚なわけですが、
九州地方では「クエ」のことを「アラ」と呼ぶことがあるため、
混同されやすいですが、全く違うお魚です。
「クエ」は「クエ」、「アラ」は「アラ」が標準和名です。

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体色は、背は褐色で腹は白色で、スズキにも間違われやすいですが
スズキより頭や眼が大きく、鱗が小さいのが特徴です。

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比較のために、こちらがスズキです。


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この「アラ」という魚を、漁法から丁寧な下処理までの全てにこだわり
出荷しているのが新潟漁協柏崎(かしわざき)支所です。
漁協が定めた要件を満たすアラは、「柏崎のアラ」として認定されます。
そもそも希少なアラの中でも、「柏崎のアラ」が特別とされる理由は以下の【4つ】です。

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1 【新潟・柏崎独特の漁法】
2 【地域ぐるみでこだわっている「神経締め」で鮮度保持】
3 【1尾1尾「認定と出荷」】
4 【勉強会の開催】
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1 【新潟・柏崎独特の漁法】
桶(おけ)を流して魚を狙う「桶流し一本釣り」 (漁期 5~9月)

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3~4本の針が付いた仕掛けに、

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イカやサバ、エソなどを切り身にて

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針に刺して、仕掛けを桶に括り付け、

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桶を流す準備を整えます。

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その桶を海に浮かべ入れて、潮の流れに乗せながら釣る漁法です。

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海面に浮かぶ桶に餌を仕掛けることで、餌が自然に海中に漂い、
流すことで広く漁場を探りつつ、自然に近い状態でアラに対して違和感を与えないようにすることで
アラが餌を追い、釣果に繋がります。

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ただ、この仕掛け自体をフグが喰いちぎってしまうことが多く、漁師を悩ませています。

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桶を流してしばらくすると、桶の流れ方が遅くなる等、魚がかかると桶に反応が出ます。
桶を見て、漁師さんの経験と勘で釣り上げます。

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見事、アラがかかりました。

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しっかりエサに喰いつき、針が口に刺さっています。

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釣り上げたアラは、なるべく魚体が傷つかないようにスポンジマットの上にのせて

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スパイクで脳締めをします。

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その後、エラの付け根の太い血管を切り、血抜きをします。
その際、心臓を刺してしまわないように注意します。

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血が十分に抜けたら、

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脳締めの際に開けた頭の穴に

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ワイヤーを入れて、神経締めをします。

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アラは、通年深海にいますが、10月になると日本海が荒れたり、他の魚の漁があるため
9月末頃で漁期は終了となります。

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2 【地域ぐるみでこだわっている「神経締め」で鮮度保持】
全国でも神経締めの技術は、主流となってきた昨今ですが
神経締めの意味を強く感じる魚種は、大型魚だと思っています。
数日間、じっくりと寝かせることで旨味がジワジワと増してくる。
まさに、大型のアラのような魚には最適の一手間です。

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3 【1尾1尾「認定と出荷」】
柏崎の海で、「桶流し一本釣り」によって漁獲され、「神経締め」の処理を施した、2㎏以上のアラを
「柏崎のアラ」と認定し、証明書を封入し出荷しています。

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出荷をする際は、アラに直接氷が当たらないようにクッションシートを敷くなど工夫し、
丁寧に箱詰めしています。

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4 【勉強会の開催】
柏崎では、漁業者の有志を中心に、神経締めとお魚の品質管理についての勉強会を定期的に開催し、
地域ぐるみでさらなる品質向上を目指しています。

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漁法をイラストで説明するとこのようになります。

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アラの桶流し一本釣り動画(10:34)

【さらに詳しいアラの桶流し一本釣り】については
こちらのブログからご覧いただけます。
https://www.sumeshiya.com/blog/2022/03/post-6856.html

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アラは5,6月が特に美味しいと言われていますが

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産卵期は夏で、この時期になると雄・雌限らず生殖器官が著しく増大して、
精巣と卵巣が通常の2~3倍ほどの大きさになります。
7月に入ると卵を持ち始めることから、そこから産卵までの期間は栄養を蓄えるため
いつ頃まで美味しいのかは、今後もチェックする必要がありそうです。
7月,8月にメスのお腹にある卵も美味で
アラ料理を得意とする柏崎の「割烹ささ川」さんではアラの子でカラスミを作るそうです。
基本的にオスとメスでの身の味の差は無いものの、
他の魚種同様、産卵後のメスは味が落ちることは予想されます。
実は、地元ではアラはあまり食べられていないどころか、知っている方も少ないようです。

【柏崎のアラ漁師さんのご紹介】

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ここからは、【アラのグラビア写真】。

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アラの顔

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アラの頬

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アラの頬

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アラの眼

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アラの鼻孔

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アラの口

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アラの口

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アラの口

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アラの唇

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アラの舌

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アラの口内と喉

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アラの上の歯

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アラの下の歯

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アラのエラ蓋とトゲ

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アラのエラ蓋とトゲ

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アラのエラ

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アラの横顎

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アラの横顎付近のトゲ

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アラの背ビレ

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アラの第一背ビレ

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アラの第一背ビレと第二背ビレの間

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アラの第二背ビレ

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アラの第二背ビレ

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アラの胸ビレ

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アラの胸ビレ

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アラの腹ビレ

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アラの腹ビレ

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アラの胴体

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アラの臀ビレ

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アラの臀ビレ

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アラの臀ビレ

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アラの尾

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アラの尾ビレ

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アラの尾ビレ

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アラの尾ビレ

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せっかくですので【アラ】の内臓も観察していきましょう!

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腹を開き、内臓類を取り出して、骨ぎわに残るこの赤い部分は腎臓です。

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アラの内臓類は、一般的な魚と同じです。

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アラのエラ

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アラの腎臓

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アラの肝臓

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アラの卵

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アラの腸

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アラの脾臓(ひぞう)

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アラの心臓

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アラの胃

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アラの胃の内容物
マンジュウガニの仲間でしょうか。

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アラは、甲殻類も好物だということがわかりますね。

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だいぶ消化されてしまっていますが、銀色の魚らしきものが確認できます。

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ここからは【アラ料理】をご紹介します。
なんでも簡単に手に入る現代のすさまじい情報社会において
欲しくても手に入らない、ごく一部にしか流通していない魚がいます。
希少で、上質で、濃厚な旨味の白身魚。
一生に一度は食べてみたい魚、それが新潟県「柏崎のアラ」です。

なんと言っても一押しの食べ方は、やっぱりおすしです!

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皮を引いたアラの背側の握りずし

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締めてから何日間寝かせるかにもよると思いますが、
酢飯と一緒に噛んでいくと、とろりと口の中で旨みが広がります。

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2kgほどのアラでも、この旨みの強さということは
さらに大きいアラの旨さは、計り知れません。

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皮を引いたアラの腹側の握りずし

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強烈な脂の旨味で主張するのではなく、
じんわり、じっくりと奥行きのある旨みが広がって
奥ゆかしい味わいです。

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アラのエンガワの握りずし

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とんでもないおすしが完成してしまいました。
ヒラメのエンガワは有名ですが、
どの魚にも同じようなエンガワ部分というのが存在していて、しかも美味しい部分です。

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このアラのエンガワ、自分のすし職人史上ではございますが、1番美味しかったです。

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歯応え、甘み、旨味が酢飯と交わって、100点を超える逸品です。

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アラ一匹から、ほんのわずかしか取ることのできない超超希少部位ですので
価値の付け方は、提供する方次第でいくらでも良いと思います。

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ここの部分です。

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たまに、捨ててしまう職人さんもいらっしゃいます。。。。。
絶対、捨ててはいけません!!

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アラの背側皮付き握りずし

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個人的に、ほとんどの白身魚の皮は引かずに
湯霜、焼き霜などにして、皮ごとおすしにするようにしています。

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「魚は皮が美味い!」というのはご存知かと思いますが、
その皮の下にある脂も一緒に食べることで旨みを強く感じるわけですので
出来る限り、皮付きがオススメです。

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美味しいだけでなく、『この白身魚なんだろう?』を
お客様にわかりやすくするためにも役に立ちます。

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ここでクイズです。
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この白身魚のおすし、一体なんのお魚でしょうか?

そしてもうひとつ。

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これは何の魚でしょうか?

最後にもう一つ。

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この白身魚はなんでしょうか?

正解は、
1番上から

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キチヌ

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スズキ

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アラ

です。

では、
これはなんのおすしでしょうか?

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正解は、

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マダイです。

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このように白身魚のお刺身や、すしというのは
皮を引いてしまったお魚ではあまり注視してもらえない傾向にあります。

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せっかくの希少で美味しい魚ならばなおさら、皮付きが良いように思います。

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アラの腹側皮付き握りずし

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ただし、皮があれば良いというわけでもありません。
ねっとりとトロけるような食感を楽しんでいただきたい場合
皮の歯応えが邪魔をしてしまいます。
時と場合によって、皮は引き、別の料理に仕立てることも必要です。

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こちらは、皮を引いたアラを細かく切ったもの

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それに対して3〜5%ほどの極少量のお味噌を全体に和えて
ほんの〜り優しい味噌味にします。

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味噌の味がするかしないかくらいの薄味にすることで、
アラの旨味を消すことなく、ねっとりと美味しく仕上がります。

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ネギやごま、大葉などと一緒に細かく叩く「なめろう」にしてしまうと
アラの良さを感じづらくなってしまうので、味噌のみがオススメです。

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薬味不要で勝負できるのは、身質が優れている証拠だと思います。

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アラの肝ずし

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身の味とは全く異なる、アラの別の美味しい一面を感じることができます。

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醤油も砂糖も控えめの優しい味付けで
肝の濃厚さを堪能していただきます。
上に振りかけてあるのは、完熟山椒です。

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飾りでも少し散りばめて、肝に相性の良い山椒の香りも一緒に楽しんでいただきます。

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アラの卵の握りずし

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なんでも「すし」にしてしまえばいい!
というわけではなくて、

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すしとして成り立つのかを確かめるために
なんでも「すし」にするようにしているのです。

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さて、その相性は?

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合うんですよ。

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こちらの変な形をしているもの、
これもアラの卵です。

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魚の卵を煮付けにしたことがある方なら
おわかりかと思いますが、
卵の皮が裂けて中の卵がこのように飛び出してしまうことがあります。

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それはそれで一つの形として、おすしにしているだけです。

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こんなにあちらこちらから写真を撮らなくてもいいじゃないかと
よく言われるのですが、

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色々な角度から見るおすしの表情の違いもまた好きなんです。

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左斜め上から。って、もういいぜ!!

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アラのエラずし

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どの魚も全てエラまで美味しく食べられるかと言われれば
そうでない魚もいます。
アラのエラは食べられる系エラです。

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隅々までのしっかりとした掃除と
熱湯での茹で時間次第で美味しい可食部へと変化します。

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酢味噌で食べるのが定番でしょうか。

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アラの腎臓を塩漬けにして、

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1週間。

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腎臓と

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膜繊維を分けたら

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味わいに奥行きのある「メフン」の完成です。

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こちらはアラの皮を引いて、茹でたもの。

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細かく残りがちなウロコ数カ所の除去が注意点。

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細かく切って、にんにくヌタで逸品に

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皮を茹でることで、プリモチっとした食感で楽しませてくれます。

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にんにくヌタをたっぷりと絡めて

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じっくり噛み締めてください。

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こちらはアラの胃袋を開いて綺麗にしてから茹でたものです。

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一口大に切って少量の油で炒め、塩とすじあおのりを振りかけてあります。

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噛み応えのある胃袋ならではの食感を味わえます。

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こちらはアラの心臓です。

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心臓のサイズ感はこの通り。
2kgのアラで1.7cmほどしかありません。

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僕は魚の心臓は必ず大切にいただくようにしています。
どのような調理でも、どのような味付けでも美味しくいただけるわけですが、

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鮮度の良いものは、生でそのままいただき、
魚一匹の命を感じ、感謝するようにしています。
気持ち悪がらないでくださいね。^^;

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アラの頭とカマの塩焼き

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頭の美味しさはまた格別なわけですが

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アラ最大の特徴でもある、トゲには要注意です。

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焼いて折れやすくなっているとはいえ、

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不意に触ると普通に痛いです。

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細かな歯がこんなにあったなんて、
焼いてみるまでわかりませんでした。

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結構尖っています。

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下の歯は特に内向きに尖っていて、捕らわれた獲物が逃げられない構造になっています。

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ドラゴンボール世代なので、神龍(シェンロン)に見えてしかたありません。

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この穴は脳締め、神経締めをした痕です。

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大好きな方にはたまらない眼玉周り。
脂もたっぷり含んでいます。

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そして、こちらも人気部位のホホ肉。

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口まわりのコラーゲン

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カマの肉感は、鶏肉に近しいものがあります。

頭やカマなどをそのまま食べるのも美味しいのですが、

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身をほぐして、炊き立てご飯に刻み生姜とともに混ぜ込み
醤油で味付けして作る、

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アラのおにぎり

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頭やカマの肉、皮、眼玉周りの脂などが一体となって

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アラの旨みを堪能するには、
おすしとおにぎりがやっぱり1番だなと思わされます。

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料理は、美味しくしようと思えば
調理法や味付けでいかようにも美味しくできるものです。
シンプルでこんなに美味しいアラは、
調理不要、料理人泣かせの極上食材と言えます。

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海苔で食べると、海苔の旨さが重なり
より美味しく感じますが、
海苔さえも不要なのがアラのおにぎりです。

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こちらは、アラの松笠揚げ

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一般的には、ウロコが薄くて大きい、アマダイで用いられることが多い調理法で

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170度ほどの油をウロコに数回かけて

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立ち上がったウロコがカリカリに揚がって、身がふっくらと仕上がるという料理ですが

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アラを松笠揚げにするとどうでしょう?
ウロコこそ小さいものの、サクサクに揚がってウロコごと食べることができます。
歩留まりを考えると、高級魚はウロコも捨てずに工夫して商売に繋げたくなるものです。

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アラの出汁

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上質な魚の場合にのみ現れるこの細かい魚脂。
粗汁(あらじる)なんて言わせない、これが本当のアラ汁だ!

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アラの白子の握りずし 煎酒漬けミリン

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煎酒の程良い塩味とトロみが白子のねっとりと絡み合い
艶かしいおすしとなりました。

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煎酒漬けにしたミリン、おすしで食べるなら醤油や塩などいらず、
このように「飾れる調味料」になります。
写真はアラという魚の白子ですが、様々な魚(特に白身魚)に合いそうですね!