くさふぐ・クサフグ・Takifugu niphobles
[海の生き物]
緑色の背中に白い水玉模様、オレンジ色の眼が特徴的で
背中の色が草の色っぽいことからクサフグという名前になったと言われています。
水深50mよりも浅い岩礁帯や河口、藻場、砂地に生息していて
隠れるためや休むために砂に潜る習性があります。
クサフグは「膨張のう」というもので水や空気を吸い込んで風船のように膨らんでいます。
さらに、膨らむことに特化した体つきに進化しているので肋骨がありません。
エサ取り名人でもあり、鋭い歯で糸を簡単に切ってしまうため、釣り人には嫌われがちです。
クサフグには、猛毒「テトロドトキシン」もあるので食べることはできません。
堤防などに投げ捨てられている可哀想なクサフグをたまに見かけますが
他の動物が食べているのを見たことがありません。
本能的にわかるのですかね。
クサフグは初夏の大潮前後になると何千匹もの大きな群れで産卵のために、
満潮に合わせて波打ち際にやってきます。
まるで、浜に打ち上げられたような格好で、岩や石に黄色い卵を産卵することで
海中の天敵に食べられないようにしています。
クサフグのオスの仔魚にトラフグの精子
クサフグのメスの仔魚にトラフグの卵
長崎県と東京海洋大学 吉崎研究室の吉崎悟朗教授の研究で
トラフグの生殖幹細胞を移植することで、クサフグからトラフグを誕生させることに成功。