将太の寿司
高校生の頃
まさか自分が寿司屋になるなんて夢にも思っておらず
大学受験の勉強をしながら欠かさず読んでいたのが【少年マガジン】
僕たち世代の寿司職人にとってのバイブル漫画
『将太の寿司』(講談社)
修行しながらも全国の素材を旅してまわる将太の姿に
皆、憧れたものです。
修行中の寿司職人は時間もお金もなく、
そんなの無理だろー。でも漫画だしな。
って気持ちで読んでいたのを思い出します。
でも
自分が独立した25才の秋。
俺はリアル将太をやるぞと決めていました。
フリーランスの寿司職人の身軽さといったらないもの。
そして今もその将太イズムは自分の中の不動のものとして
生き続けています。
その将太の寿司の作者 寺沢大介さんが
酢飯屋にいらしてくださいましたーーーー!!
神様降臨です。
若手寿司職人3人で寺沢さんを胴上げです。
酢飯屋の俺の名前は岡田大介。
嬉しすぎて、
『同じ大介ですねー!!!』
なんて言葉しか出てこない。。。。。
情けない。。
ちなみに
子供の頃に読んでいた名漫画 『ミスター味っ子』も
寺沢大介さんの作品です。
当たり前のように全巻持っている『将太の寿司』。
そして、『将太の寿司2』。
お寿司が好きな方、漫画が好きな方は勿論ですが、
それらに興味がない方に是非読んでいただきたい。
今だからこそ、将太の寿司を!
ちなみに
2013年 5月に酢飯屋で開催した
『寿司マンガナイト』。
皆でまずは寿司マンガを読み、
寿司マンガに出てくる美味しそうな寿司を
僕たちが再現し握るという企画。
それはそれは盛り上がりました。
寺沢先生と初対面の際にいただいた
将太の寿司 第1巻 へのサイン。
家宝 決定です。
調子に乗って
将太の寿司2 の第1巻にもサインをいただきました。
そして、先生とお会いしてから丁度1年後、
2016年9月に
〜ミスター味っ子 & 将太の寿司〜 寺沢大介画業30+1周年記念原画展が銀座のCHEEPA'S GALLERY(チーパズギャラリー)にて催されるとのこと
そのオープニングに
漫画の中に出てくるお寿司を再現させていただく機会を
寺沢先生からご指名いただけました!!!!!
なんたる光栄。
そして、
【将太の寿司 再現寿司】の日がやってきました。
会場に入ると寺沢先生のこれまでの作品の数々と歴史、グッズなどが
丁寧に紹介されていました。
将太の巨大パネルとのツーショットは、
知らない方に、無意識のうちに撮影をお願いしておりました。^^;
名シーン
串を酢飯に刺して持ち上げることができるけど
口の中では酢飯がほぐれるかたさに握る練習の成果。
そのシーンの再現まで!!
将太の寿司に出てくる数々のお寿司の絵。
こんなに美味しそうに描ける技術とセンスが羨ましいです。
寺沢先生が漫画に出てきたお寿司のストーリーや成り立ちについて
一つずつお話してくださました。
当時20歳の大山浩輝と37歳の岡田大介
今回の企画のために冊子漫画が作られていたのですが、
そこにキャラクターとして自分を書いてくださいました。
自分が漫画家されたのは始めてで、嬉しかったのですが、
キャラが。。。。^^;
【オカーダ・ダーイスケ】
寿司地獄に君臨し、日本中の珍貴な食材を探し求め放浪する
恐怖の寿司大王。
寺沢先生!!どんなキャラっすか!!^^;
ただ、先生曰く
漫画に登場させたお寿司のほとんどはイメージで描いたもので
実際に食したものが漫画に出てくるのはごく一部。
再現されて美味しくなかったらどうしよ。コワ。
というところから、このような設定になったようです。
オープンニングパーティー前に1枚。
しっかり頑張ります! を誓った4ショット。
パーティー開始。
先生の挨拶が終わるとドドドっとお寿司の前にお客様が。
初日は、将太の寿司 再現寿司を立食形式でご提供させていただきました。
二日目は
ご予約いただいた一般(将太の寿司ファン)の皆様に
着席スタイルで、一つ一つの再現寿司の説明をさせていただきながらの
お食事会です。
早朝から事前準備にかかります。
まず僕のほうから
漫画のお寿司を再現するにあたって、大変だったことや
実際、再現寿司の味どうなのよ??というところをお話させていただき、
先生からは、このお寿司を取り巻く物語や裏話をお話いただく流れ。
切って、握って、盛り付ける。
あうんの呼吸が出来てこそ組織力。
今回の企画のために用意された『将太の寿司皿』。
こちらが今回の再現寿司の一皿です。
生のメバチマグロの湯霜漬け
マイワシの酢〆を黄身酢で
ボタンエビの沖漬け
芽ネギの握り
漫画の中ではバンド海苔を巻かずに握るのですが、
今回は作り置かなければならない都合上、海苔がまかれております。
後日、酢飯屋にて 海苔無しの芽ネギ寿司を再現しました。
牛肉の昆布締め寿司
このお寿司の作り方については
酢飯屋公式ブログにて別途詳細を記してあります。
アワビのすりおろし軍艦
このお寿司の作り方については
酢飯屋公式ブログにて別途詳細を記してあります。
ハマグリの再仕込み醤油漬け
作り方としては、
殻を剥いたハマグリを20秒ほど熱湯にくぐらせて、
ザルにあげ、粗熱をとりつつ水分を落としたら
再仕込み醤油に1時間つけて
むき身を観音開きに包丁で開いて、握るお寿司です。
煮ハマグリのような甘いハマグリを想像する見た目ですが、
実際には、再仕込み醤油の旨味とハマグリの旨味だけを掛け合わせて
完成するシンプルなのに深みのあるあじわいのお寿司です。
黒米の玉子巻き寿司
何枚撮っても嬉しい、寺沢大介先生 × 岡田大介
無事イベントが終わり安堵の酢飯屋メンバー
関係者の皆様と記念撮影
そして、後日
この企画の打ち上げとしてお伺いしたお店が
下北沢 【サーモン&トラウト】さん。
今回の関係者の一人でもあり、
ミスター味っ子 『陽一の粒胡椒まぶしハンバーグ』を再現した
森枝幹さんのお店です。
この日は寺沢先生と大盛り上がりし、
結局4軒ハシゴとあいなりました^^;;;。。。
先生はめちゃタフでした。
酒にまみれた下北沢の夜から数日後のある日、
また改めて将太の寿司を読み返していると
将太の寿司の名言を発見!
『大勢のいろんな人たちの想いが 今オレの手の中でひとつになる!!』
高校生の頃読んだ時には、普通にスルーして読み進めてしまっていた
この名言。
これはまさに、僕がずっと想い、伝え続けている
【食材魂(しょくざいだましい)】のことではないか!!!!!
将太の寿司を再現するという
あの幸せな企画から数日後。
・またあの寿司を酢飯屋で再現できませんか?
・あの時、握り置きしなければならず100%の再現をできなかったあのお寿司を
握りたてでお店で再現していただけませんか?
・あの時再現されなかったお寿司も新たに再現できませんか?
と
嬉しいご予約がいただけるようになりました。
通常のコースとは違い
多くの試作時間と別仕入れが必要となるため
料金がプラスアルファかかることもご承知の上で
そのようなリクエストをくださる皆様、ありがとうございます。
神棚の左右に将太の寿司を置かせていただき、
今回新たに再現したお寿司が掲載されている漫画をご用意して
お客様をお出迎えです。
とんぶりとウズラの卵のお寿司
手まり串寿司
イクラの大根軍艦
茹で卵の白寿司
アボカドとブリコ(ハタハタの卵)の醤油漬け裏巻き
ユッケ軍艦
そして、その後もまた
別のお客様からも同じようなご依頼が。
将太を越えるために、将太以上に産地に赴き
それを現実に落とし込む。
これを繰り返しているうちに、
遂に寺沢先生からも、『岡田くん、もう将太超えてるよ。』
という、酔った勢いとは言え嬉しすぎるお言葉をいただきました。
しっかりと心に刻み、
次のステージへと向かうこととします。
あれから数ヶ月後。
ちょ! 何読んでんの??
その漫画は、名作『将太の寿司』じゃないか!
それなら、いくら読んでもいいぞー。
3歳、平仮名と絵だけで理解しようというその向き合い方が
学習なんだろうなと思わされます。
6歳と3歳で
将太の寿司デビュー。
いいじゃないか。
気がつくと、子供達のおもちゃ部屋には
俺が集めた将太の寿司がずらりと。
しかも綺麗に番号順に!!(←これ大事)
お父さん、嬉しいよ。涙
絵本の読み聞かせもいいけれど、
たまには漫画の読み聞かせもすると誓うよ。
すごく真剣に聞いてくれるし。
毎回、読み始めて5分以内に二人とも爆睡しておりますが。。。。。
チーーーン。
何もわからず将太の寿司を手にしていた2歳の頃が懐かしい。
これからまだまだ続く
将太の寿司から始まったリアルな物語、
今後も将太関連はこちらに追記していきますね。