しんこ・シンコ・新子
器:白石陽一さん
板前根性と折れない精神力を鍛え上げてくれる魚
皆様ご存知、コハダの子供 『シンコ』。
僕も大好きな魚の一つです。
酢〆した光物とシェリー酒の相性に衝撃を受けた20代半ば。
マリアージュってこういうことをいうのか。と思わされた瞬間でした。
シェリー酒と寿司の会といえば、
古くからの友人であり
ラジオパーソナリティーの齋藤美絵ちゃん。
彼女のお声がけにより
あっという間に集まった美食家の皆様に
シンコは主役級に求められていました。
『集中力が切れたら全てが切れる。』
こんな気持ちにさせてくれるシンコには感謝です。
そしてシンコはやはり、
お客様の前で輝いてくれました。
シンコはさらにもう一仕事してくれました。
僕が大好きな友人の一人であり、酢飯屋のスーパー常連さま。
東京でのキャリアを終え、
結婚とともに、
三洲三河みりんの蔵元【角谷文治郎商店】に入った
出口孝浩氏の門出のタイミングでもあった2015年7月。
全く別業界に入りゼロからスタートする決断をした彼の気持ちを、
他人事に感じれない自分から、
どうしてもシンコは出口さんに食べていただきたかったのです。
シンコ → コハダ → ナカズミ → コノシロ
シンコは出世魚のスタート。
そしてその願いが叶いました。
出口さんに対してのメッセージでもあり、
自分にとってのメッセージでもある。
ベタなことわざかもしれない
『初心忘るべからず』。
でも
ベタが無いと何も始まらないし、
なんと言っても
どの世界でもベタが基本なのだから。
出口さんと
食材魂のキャッチボールが出来る日が来るなんて
これからの料理界がますます楽しみでなりません。
2022年8月
コハダの一大産地である佐賀県太良町竹崎から届いた一箱
コハダ漁師の奥様が集まって構成されている
コハダ女子会の直子さんからだ!
「竹崎直送鮮魚販売 港の入口」という屋号でコハダや鮮魚などの直送をしています。
ホームページがこちら
https://peraichi.com/landing_pages/view/minatonoiriguch/
蓋を開けてみると、8月ということで「シンコ」サイズがたっぷり!
数えてみると88匹入っていました。
これと別にクラゲまで!
シンコのサイズ感をどうしても伝えたい。
僕の薬指サイズだよ。
って見せるより、物差しを置けば良いのだが。。^^;
無心に下処理して、洗って、開いて
適濃塩水に30秒付けて、
今回は玄米酢に2秒くぐらせて
盆ざるで水気を切りながら、味をなじませます。
どや! と息子たちにこの価値を自慢。
せっかくなので、色々なパターンでシンコを握ってみましたよ。
まずは、酢飯も極小にした
お子様の一口サイズほどの【シンコ1枚握りずし】
あの小さなシンコ1匹分のおすしです。
【シンコ2枚付け握りずし】
【シンコ3枚付け握りずし】
【シンコ4枚付け握りずし】
【シンコ5枚付け握りずし】
【シンコ6枚付け握りずし】
シンコ6匹分ですよ!
寿司職人の技術と時間の結晶も、
口に入れてから、飲み込むまでに30秒もかからないという儚さ。
すし、最高。
【シンコの姿ずし】に初挑戦!
3cmほどのシンコ1匹で作る極小の姿ずしです。
もう少し綺麗に作りたかったですね。
また次回に!
写真で見ると、それなりのサイズに見えてしまって残念ですが
尾ビレ抜かして全長3cmほどの握りずしです。
シンコの姿ずし(後方から)
色々な枚数や、いろいろな重ね方でシンコを握ってみましたが
どれが美味しかったですか?という質問は愚問。
どれも美味しかったです。
シンコの握りずしは、酢漬け直後の酸味が立った生に近い「若締め」と
5,6時間経った「ちょいなれ」
じっくりと酢が馴染んだ翌日の「なじみ」
どれもそれぞれ美味しいものです。
一皿ペロリと食べられてしまう魅惑の美味しさ。
コハダ漁師さんから寿司職人の手に渡り、その技術により完成する
食材魂(しょくざいだましい)の塊(かたまり)。
いきものはたべものになって、わたしたちのからだのいちぶになる。
未来も、このようなおすしが食べられますように。
このサイズのコハダ(シンコ)なら2度揚げ、もしくは3度揚げすれば
中骨までカリカリと食べられるようになります。
子供たちにも大好評です!
【感動の『コハダ投網漁』】のブログはこちらからどうぞ。
https://www.sumeshiya.com/blog/2018/08/post-3768.html
2024年7月26日
竹崎コハダが届きました!しかもシンコ!