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杉俣紘二朗 謹製 粉黒糖

[神楽市場青果]

鹿児島県 喜界島(きかいじま)

ゴマで有名な
アルカリ性土壌のこの島で
日本で初めて、
有機栽培でさとうきびを育てて、黒糖を作り上げた男がいる。
こちら、杉俣紘二朗(すぎまたこうじろう)。

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(photo by 小澤亮)

この満面の笑みが、
真面目に作られた黒糖と掛け合わさるのだから
まずもってガードを緩めてしまうが、
そこに どストレートに美味しすぎる黒糖を
口の中に放り込まれると
誰しもノックアウトしてしまうのが彼の作品。

杉俣紘二朗 謹製 粉黒糖

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こんなに優しくて美味しい素材が存在するなんて。

僕たちが作り出すお寿司は
時に味に力強さも求められ、時に繊細さも求められる。
その両方に杉俣さんのような優しさを加えるべきで。

口にした途端、笑顔になってしまうあの感覚は
杉俣さんの黒糖も僕たちのお寿司も同じカテゴリーに入れたいところ。

2006年に地元の東京から喜界島へIターン。
島の美しい環境や、島民の方々の優しさに惚れ込んで
島に移り住みサトウキビ栽培と黒糖作りを始めたそうです。

まずは、
綺麗すぎる写真を撮りまくっている、小澤亮くんの写真を前半ご覧いただき、
その後、
神楽市場の人気商品でもある
杉俣紘二朗 謹製 粉黒糖』についてのご説明もさせていただけたらと思います。

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この海の透明度が日常の喜界島。

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抜けた青空と広がるサトウキビ畑とゴマ畑。

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この白い花は、ゴマの花。

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杉俣さんのさとうきび畑

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無農薬、無化学肥料で自身で育てたさとうきびを
手作業で刈り取り、トラックで作業場まで持ってきたシーン。
まずこの時点すでに評価を。

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見た目は細長いが束になると重たすぎるのでトラックからはクレーンで下ろします。

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通常はここから先が黒糖作りの現場仕事。

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絞る前のさとうきび

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圧搾機に吸い込まれていくサトウキビ。

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さとうきびを絞り始めます。

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子供達もお手伝い。

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絞られた後のサトウキビは、こんなにペラペラに。

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絞りかすの現場でもお手伝いする子供達

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絞りかす

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絞られたサトウキビ汁が漉し袋に流れてきます。

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サトウキビの絞り汁を煮詰める大きな釜

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大きな釜に絞り汁を流し入れてから着火。

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ここからは、ひたすら煮詰めてはアクをとっていく作業が始まります。

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化学肥料や化学物質分が畑から減少してくると、
サトウキビを釜で炊いている時の香りも良く灰汁も
白く甘くなって、汁の色自体も透き通ってくるそうです。

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無農薬サトウキビの汁はこんなに透明感があります。

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サトウキビにかじりついた時のあの汁の風味、
透明なすっきりとした甘味が杉俣さんが目指す黒糖の味です。

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途中、石灰を投入して不純物を沈ませます。

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夫婦で念入りにアク取り

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絞りたてを試飲させていただき、満足気な酢飯屋 岡田大介氏

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子供たちはここでもお手伝い。

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おやつはサトウキビの生絞り!

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粘度のチェックをする厳しい眼差しの杉俣紘二朗氏

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絶妙の粘度にまで煮詰めたところで、攪拌器に移します。

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絶妙な粘度ですくい上げる杉俣氏。

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絶妙な粘度ですくい上げる紘二朗氏。

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カラメル状にまで煮詰められたさとうきびの絞り汁

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そして、この鉄板が要です!

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煮詰めた絞り汁を鉄板に流しならしていきます。

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みんなで一気に広げます。

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平らにして冷まし、切り分けていきます。

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黒糖をトレーのうえで伸ばす道具

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素早く切り分け

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目の感覚で素早く格子にしていきます

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切り分けられた黒糖がコロコロとはずされていく様が気持ち良いです。

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子供達も一緒にコロコロ

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孫たちに、おばあちゃんが直伝。

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コロコロ完成。 これが黒糖です。

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無事、黒糖が完成したあとのこの表情!

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鉄板に流さず、ひたすら撹拌し続けて生まれるのが

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神楽市場の人気商品『杉俣紘二朗 謹製 粉黒糖

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あの和三盆を超えた糖類だと、僕は思います。

しっかりとミネラルを残しながらも
ここまで品格のある糖類には中々出会えません。

お菓子作りなどで、素材に混ぜ込み使用するよりも、
完成している一品の仕上げに振りかけて、
甘さを整える糖類として最上級だと思います。

焼き菓子やケーキの表面仕上げにパラパラと粉砂糖代わりに。

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※写真は『黒糖ごまサブレ』です。

関連商品としては、
アイスの製造元さんに怒られるくらいこだわり原料をふんだんに使用した
黒糖ごまアイスもございます。
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生ゆばや寒天に振りかけると、あっという間に
溶けていきます。

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カフェラテや紅茶にももちろん相性抜群です。

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お忙しい中、全てを丁寧に見せてくださった杉俣さん
これからも安全で美味しい黒糖をどうぞよろしくお願いいたします!
記念に1枚パチリ!

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杉俣さんをご紹介してくれた
喜界島のゴマ農家さんの息子さんである田向くんと
喜界島から届く、島バナナが大好きな岡田千歳


以下、
砂糖の勉強会】ページ参照にお砂糖についてまとめたものも記載しておきます。


【原料について】
砂糖を原料別に大きく分けると
・さとうきび(甘蔗-かんしょ-)からとる【さとうきび糖】
・てん菜(ビート)からとる【てん菜糖】 
※天才 ビートたけしさんの由来ですね。
の2種に分けられます。
世界で生産される砂糖の
約70%が【さとうきび糖】
約30%が【てん菜糖】


『製法による分類』
さとうきびは、原産地でまず『原料糖(粗糖)』にされます。
これは糖度が96〜98度の黄褐色の結晶の砂糖で
これが製糖工場に運ばれて
精製されて〈白砂糖〉や〈グラニュー糖〉などの『精製糖』になります。
生産地によっては、直接純度の高い白砂糖『耕地白糖』をつくるところもあります。
北海道の【てん菜糖】は『耕地白糖』で、
主としてグラニュー糖ですが、上白糖も作られています。
『精製糖』や『耕地白糖』は
すべて近代的な製糖工場でつくられています。
遠心分離機でみつを振り分けて結晶を取り出すので《分みつ糖》と呼ばれます。
これに対して、さとうきびから絞った汁を
原産地の伝統的な方法で煮詰めてつくる砂糖を《含みつ糖》と呼ばれます。
沖縄県、鹿児島県の黒砂糖はその一つです。


製品の種類
一般的によく使われている砂糖は《分みつ糖》です。
『原料糖(粗糖)』を精製して最初に大きく3つに分かれます。
内2つは、結晶の大きさで分かれます。
・くるま糖(ソフトシュガー)は結晶が小さめ
・ざらめ糖(ハードシュガー)は結晶が大きめ
・加工糖 さらに手を加える加工度の高い製品

くるま糖を精製して上白糖や三温糖ができます。
ざらめ糖を精製してグラニュー糖、白ざら糖、中ざら糖ができます。
加工糖とは、角砂糖、氷砂糖、粉砂糖、顆粒状糖です。

これらの全てと違う砂糖が《含みつ糖》
すなわち黒砂糖です。


砂糖の種類
・黒砂糖(黒糖)←杉俣さんは日本初、これを有機のさとうきびの生産から製糖までやっている
・原料糖(粗糖)←黄金糖 喜界島の製糖工場で作られている
・上白糖
・三温糖
・グラニュー糖
・白ざら糖
・中ざら糖
・角砂糖
・氷砂糖
・粉砂糖
・顆粒状糖

砂糖の種類それぞれの特徴や用途など
・黒砂糖(黒糖)
糖類唯一の《含みつ糖》
さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めたもので
不純物が多く糖度は85度くらい。特有の風味がある。

・原料糖(粗糖)
さとうきびに一番近い状態の糖類。
製糖前の粗さがあるものの、
さとうきび本来の香りとミネラルが一番残った状態。
キラキラと輝き綺麗なところから
酢飯屋では『喜界島の粗糖 黄金糖-おうごんとう-』と名付けました。
果物との相性が抜群に良く、
精製糖には引き出せない果物の味わいを
黄金糖の粗めの形状と、素朴な香りが強く引き出してくれます。
ただ、酢飯にすると個性が出て難しいのが悔しいところ。


・上白糖
しっとりとやわらかい風味で、一般的には白砂糖と言われています。
甘さを加える調味料として、万能に使える砂糖です。

・三温糖
上白糖などよりも純度が低く、灰分などを多く含んでいる砂糖です。
黄褐色で甘さと風味も強いため、煮物などでコクを出すために使われます。

・グラニュー糖
上白糖よりも結晶が大きく、サラサラとした高純度の砂糖です。
クセの無い淡白な甘さで、素材の味を邪魔せず
甘味を加えることができます。

・白ざら糖
グラニュー糖よりも結晶が大きく、無色透明で光沢があり高純度の高級砂糖です。
家庭で使われることは少なく、上質なお菓子や飲料に使われているようです。

・中ざら糖
白ざら糖とほぼ同じ大きさの結晶で、黄褐色。
純度の高い砂糖。独特の風味があり、
お料理屋さんの煮物などに使われます。
三温糖よりも上品な味わいに仕上がります。

・角砂糖
グラニュー糖を四角に固めたもの。
コーヒー、紅茶でおなじみのアレですね。
1個の重量が3g~5gほどで各社作られていて、お菓子作りなどで計量が簡単です。


・氷砂糖
果実酒用に使われることが多いですが、
煮物や、お菓子などで使うと、すっきりとした甘味を加えてくれます。

・粉砂糖
白ざら糖やグラニュー糖などの純度の高い砂糖を細かくすりつぶしたもの。
ケーキやクッキーのアイシング、洋菓子のデコレーションなどで重宝します。

・顆粒状糖
多孔質の顆粒状をしていて、固まりにくくて溶けやすい高純度の砂糖です。


【なぜ精製糖が作られるのか?】
蔗糖の純度を高めることにより、甘味料としての汎用性が高くなる。
・蔗糖の甘味は、高純度化するほど軽く、淡白になる
・高純度品は無色透明・無臭(光の乱反射のため、雪などと同じように実際には白く見える)
・素材の風味や色彩などを邪魔せずに生かして使えるため、砂糖は脇役に

黒砂糖などは、精製糖よりも甘味が濃厚に感じられる。
塩味や苦味、独特の香気がある
その強い風味を生かしたり、砂糖そのものを素材として前面に出すような使い方に適している。
砂糖が主役に。

【砂糖の製法】

【黄金糖『原料糖(粗糖)』の製造方法】
さとうきびの生産は熱帯、亜熱帯地域に多くあり
製糖工場から離れている場合も多いです。
収穫したままのさとうきびをそのまま輸送すると大変不便です。
そこで、さとうきびから砂糖分をとり出して、変質しにくく、
貯蔵や輸送に都合の良い原料糖にまずします。

さとうきびは小さく切り、砕いて汁を搾ります。
汁には不純物が含まれてますが
石灰を加えて加熱するとほとんどの不純物が沈殿するので
その上ずみ(清澄液)を煮詰めて結晶をつくり
遠心分離機でみつを振り分けます。
とり出した結晶が黄金糖『原料糖(粗糖)』です。
それでもまだ不純物が残りますが
そこがポイントです。
その他の精製糖には醸し出せない香りと果物との抜群の相性。
せっかく糖類を摂取するのであれば、ミネラルも摂取してしまおう。
黄金糖『原料糖(粗糖)』が素晴らしい理由はここにあります。


【精製糖の製造方法】
製糖工場では
蔗糖を蓄えたサトウキビの茎を小さく刻み、汁を絞ります。
石灰汁と煮て、不純物と結合させて沈ませ
・上澄みを煮詰めて結晶を作り、遠心分離にかけて結晶を取り出し原料糖(粗糖)に。
・汁をそのまま煮詰めて固めて黒砂糖に。
・汁を煮詰め、糖蜜を絞って和三盆に。

『原料糖(粗糖)』(結晶状態)に、
みつ(糖液)を混ぜて加熱しながら撹拌(蔗糖の結晶を壊さないように)し、
結晶の表面に付いている不純物を溶かして遠心分離機で振り分けます。
次に結晶を温水に溶かし、石灰を加えて炭酸ガスを吹き込み
炭酸石灰の沈殿をつくって、これに不純物を吸着させて除きます。
沈殿した不純物を珪藻土で濾過して除去。
さらに活性炭や骨炭、イオン交換樹脂などを使って
念入りに清浄して不純物をもう一度除去すると糖液は無色透明になります。
これを減圧状態で加熱して煮詰めてとり出した結晶が上白糖やグラニュー糖などの白い砂糖です。
遠心分離にかけて結晶を取り出します。
漂白するのではなく、不純物を取り除く作業が行われています。
1 白双糖(しろざらとう)
2 グラニュー糖
3 上白糖
の順でとれる。

残ったみつには、まだかなりの糖分が残っているので
煮詰めて結晶をとり出す工程をくり返し、
液糖は繰り返し加熱されてカラメルを生成し、
三温糖などの色のついた砂糖をつくります。
煮詰める回数が重なるにつれて、加熱で生じるカラメルで砂糖に色がつくといことです。
三温糖の茶色はカラメル色素ということです。
テンサイだと3,4回以上温めると色がついてしまうので三温糖は作れない。
すなわち、三温糖はサトウキビで作る。


精製糖の始めの段階で作られるのが無色透明な
・グラニュー糖
・白双糖(しろざらとう)
・上白糖

後の段階で作られるのが褐色状の
・三温糖
・中双糖(ちゅうざらとう)


【てん菜糖(ビート糖)の製造方法】
温帯植物のてん菜は、産地が製糖工場に近いこともあって、
原料糖をつくらず、直接純度の高い白い砂糖をつくります。
製糖工場に運ばれたてん菜を洗ってから
糖が溜まっている、白い根の部分を薄切りにし、細かく刻み、温水に浸して蔗糖分を抽出をします。
石灰を加え、炭酸ガスを吹き込んで不純物を沈殿させます。
沈殿した不純物を濾過して除去します。
活性炭などで不純物もう一度除去します。
減圧状態で加熱濃縮して結晶を作り、遠心分離にかけて
結晶を取り出します。
糖液を清浄して結晶をとり出す工程はさとうきび糖の場合とほぼ同じです。

砂糖は植物(さとうきび、てん菜)の成分として天然に存在するショ糖を抽出したもので
天然甘味料(natural sweetener)であり、自然食品です。
逆に人口(合成)甘味料(artificial(synthetic)sweetener)と呼ばれるものは
サッカリンやアスパルテームなどです。
この概念は世界共通のようです。

【砂糖と水の関係】
砂糖は親水性物質
・水によく溶ける(水溶性) 水1に対して砂糖2を溶かすことができる。
・まわりの水を奪い取る(脱水性)
・水を抱え込んで離さない(保水性)

〈これらの性質は料理にも生かされています。〉
・防腐作用(多量の砂糖を加えることにより、食品を腐敗させる微生物(雑菌)に水分を利用させず、生育を抑える。砂糖1に対してその他の材料1ならばまず腐らない。(ジャムなど)

・タンパク質と水をなじませる、肉をやわらかく仕上げる(すき焼き、ビーフシチューなど)

・タンパク質に火を入れると硬くなりますが、砂糖を入れることで、タンパク質と水の間に入り、加熱してもタンパク質がかたまりにくくなる、なめらかな食感に仕上がる。(卵料理に砂糖を入れた、卵焼き、親子丼、プリンなど) 凝固点上昇効果。

・泡立ちの保持、細かい泡を安定させる(ホイップクリーム、アイスクリームなど)

・デンプンの老化防止、しっとりとした食感を保つ(まんじゅう、大福、カステラなど)
 デンプンは水があるとしっとりする。砂糖を入れればしっとりが保たれる。

・発酵促進作用(酵母が活発に働くようになり、ふっくらと仕上がる)
 酵母菌が糖を食べて二酸化炭素を吐き出してパンを膨らませる。

・造形作用(食品の物性に影響する)(ケーキ類、キャンディ)

・マスキング効果(苦味や酸味、生臭さを和らげる)(コーヒー、レモン果汁、煮魚)

・アミノ酸との反応、焼き色や艶、香ばしい香り(パン・菓子類、玉子焼き)

お寿司にも上手に砂糖が使われています。
助六寿司を例に。
・時間がたってもしっとりして、酸味も穏やかな酢飯
・ふんわりと仕上がった玉子焼き
・油揚げ、かんぴょう、しいたけなどの美しいテリや艶。


【砂糖液を加熱すると温度で砂糖は変化する】
〈103~105℃:シラップ〉
濃厚ながらもサラッとした無色透明の液体
水に混じりやすく、飲み物向けの甘味料として使われる。
ガムシロップの形状。

〈107~115℃:フォンダン〉
冷めると糸を引く
なめらかでやわらかいクリーム状の液体
ケーキやドーナツのクリーム状の糖衣
和菓子の世界では、すり蜜 という。

〈115~121℃:キャラメル〉
粘り気のある細かい泡が立つ
冷めるとやわらかく固まる
やわらかめのキャラメルのイメージ

〈140℃:タフィー〉
キャラメルよりも泡立ちが大きい
冷めるとガリっとした食感の粗い結晶となる
飴のようなイメージ

〈145℃:ドロップ〉
わずかに黄色味を帯びはじめる
冷めるともろい食感のガラス状に固まる
これも飴のようなイメージ

〈165℃:べっこうあめ〉
薄い黄色味を帯びている
冷めると硬いアメ状に変わる
まさにべっこう飴のイメージ

〈165~180℃:カラメルソース〉
薄い褐色を帯び、独特の芳香が出る
カスタードプリンのソースとして用いられる

〈190℃:カラメル〉
濃い褐色の粘性ある液体
芳香を放つ
着色料として多用される
(ソースやコーラなど)

【血糖濃度を調節する生体メカニズム】

ブドウ糖は小腸で吸収され、血液に乗って体内の様々な臓器に送られ、利用される。
(このブドウ糖を血糖という)
過不足のないように、血糖の量を一定に保つ生体メカニズムが存在する
果糖は、一部がブドウ糖に変換されて、上記の流れを踏む。

グリコーゲン(すぐには使われないブドウ糖の貯蔵手段)
血液に乗ったブドウ糖(血糖)が増えたらグリコーゲンを作る。
グリコーゲンはブドウ糖が多数に繋がったもの、肝臓や筋肉に蓄えられる。
血糖が減ったらグリコーゲンを分解してブドウ糖に戻す。
グリコーゲンは余ったブドウ糖の一時的な受け皿となり、
血糖の量の調節に関与している。

〈食事を摂り血糖が多くなったとき〉
脳から 膵臓に指示が出る。
膵臓からインスリンが出る。
インスリンが肝臓や筋肉に届くと
ブドウ糖をグリコーゲンに変えて貯めておこうと合成を進めることで血糖が減少する。
インスリンが各種組織に届くと
ブドウ糖もたくさんあるので、ブドウ糖の消費を促進し、血糖が減少する。

〈運動により血糖が少なくなったとき〉
脳から膵臓と副腎に指示が出る。
指令を受けた膵臓はグリコーゲンを崩してブドウ糖を作りグルカゴンを肝臓と筋肉に届ける
指令を受けた副腎は出来たブドウ糖を血液に送れとアドレナリンを肝臓と筋肉に届ける
すると
肝臓と筋肉はグリコーゲンを分解し、ブドウ糖を放出し血糖が増加する。

色々な臓器で使われるため、急に増減しないことが大事。

【筋肉とブドウ糖・砂糖】
運動時 グリコーゲンがブドウ糖に戻されエネルギーになる。
平常時 血液に取り込まれないブドウ糖がグリコーゲンに変化。筋肉や肝臓に蓄積される。
    砂糖がブドウ糖の即効性補給源となる。
運動後 砂糖を摂ると壊れた筋肉を修復するために、インスリンを応援し、タンパク質合成が促進されたりタンパク質分解を抑える働きをする。

ブドウ糖の補給にも筋肉の修復にも、砂糖は効果的に働く。

【脳とブドウ糖】
全臓器重量の2%しかない脳が
全身エネルギー量の約1/4を消費しており、
そのほとんどをブドウ糖に頼っている。
脳は、肝臓や筋肉のようにはブドウ糖を貯蔵できないため
常に補給しなければならない。(供給し続ける必要がある。)
血糖値が極度に下がる(30mg/dLを下回る)と、
脳へのエネルギー供給が足りなくなり、意識を失ってしまう。
脳へ届けるブドウ糖の確保は、生命維持にかかわる重大さをもつ。

【ブドウ糖が脳にもたらす効果】
脳内神経伝達物質
・ドーパミン(脳の興奮や集中力に関与)
・セロトニン(脳の鎮静や記憶力強化に関与、トリプトファンというアミノ酸から合成される)

トリプトファンは肉、卵、ミルクに含まれるが
・肉、卵、ミルクのみの場合
 他のアミノ酸が先に脳内に送られ、トリプトファンは入れない。
・ブドウ糖が一緒の場合
 トリプトファンが優先的に脳内に送られ、脳内セロトニンの量が増加する。

ブドウ糖源となる砂糖は、脳のリラックスや記憶力強化に役立つ

体の中で、果糖はブドウ糖より使われづらい。

【環境に配慮した砂糖製造】
CO2排出量削減のために、
サトウキビバガス(汁を絞ったあとに残る繊維質)を再生可能エネルギーとして利用
日本国内の精製糖工場で使われる化石燃料は、CO2排出量の少ない天然ガス
カーボンニュートラルですね。


【廃棄物削減のために】
テンサイパルプ(繊維質)の飼料化
砂糖をとったあとに残る廃糖蜜の利用(飼料への添加、アルコール製造など)
濾過廃材を、建材セメントの原料に