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半纏(はんてん) 宮田織物(福岡県筑後市)

[記録]

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ひと織り、ひと針、愛情込めて。

久留米絣(くるめがすり)の流れを汲みつつ、
現代人に合うデザインに独自に仕立てられた織り。
言うなれば【宮田織(みやたおり)】。

若い頃に寿司職人もされていて、
現在は宮田織物 取締役の池田信広さんにお会いして
まず最初に言われた言葉。

『織物も寿司屋も同じだよ。』

全く理解できないお言葉の意味がわかったのは、
全行程を見た後に全てが繋がりました。

素材にこだわり、お客様を想い、細かく見えないところまで気を遣い
時にはチャレンジしながらも
お客様を裏切らない一品を生み出すこと。

宮田織物さんは
半纏(はんてん)のメーカとして福岡では有名な老舗。
大正2年創業。
もともとは久留米絣の織元さんでしたが
時代の変化に合わせて、
小幅(約36cm)の久留米絣から
広幅(150cm)の生地の生産に切り替え
早い段階から、現代に合わせたもの作りをしてきているそうです。

着心地が良すぎる宮田織物さんのハンテン。
今回は、織の現場からハンテンが出るまでを見せていただきました。

肩がこらない着る布団。
そう、
現在の布団が登場する前の日本人は、
ハンテンを着てそのまま寝ていたんです。

記事後半には【激レア映像】。
『宮田織物』さんの半纏(ハンテン)の綿詰めシーンがございます。

一番最初に、美しいと言ってもらえる作品を。
綺麗ではなく、美しいもの。
と池田さんは繰り返し言っておられました。
とても寿司にも通ずるお言葉です。

まず設計、デザイン。
表情と土台になる部分。

フラットでは無く、陰影のある織物。
ボコッと立体感を立てた上で
飛び出ているところと出ていないところを。

全くもって想像もしていなかったような表現。
ピシッとデザイン通りにムラなく織るのではなく
かすれている、絣(かすり)の美学。

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グラフィックに取り込み糸をスキャン。
糸のケバケバまでも映し出されています。

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こちらは新作試験用の機械。
本機で試作すると最低でも1000m織らなければならないものを
この機械なら7m〜28mで試すことができる。
というか、試験用の機械が一番大きいのですが。。。
ただ、
これがあることで新しいデザイン、イメージをすぐ形にできるのが
宮田織物さんが圧倒的にすごいところ。

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一見、機械生産に見えるのは、大間違いで
ほとんどの工程に人の手と目と技術が入り、
自動化すべき部分のみ機械が入っている感じです。

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素人が見ても何のこっちゃわからない細かな作業現場。

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普通はデザイン設計で一社、機織り(はたおり)で一社。
機械に頼るところは頼って、手作業でしかできない部分に人力を注力する。

同じ織機で色々作れるのも宮田織物さんの大きな特徴です。

縦糸(たていと)ではなく経糸(たていと)。
横糸(よこいと)ではなく緯糸(よこいと)。
設計通りに巻いていきます。

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トヨタ同様、SUZUKI もまた最初は織機メーカーから始まったそうです。
織機があっての、現代のモーターワールドですね。

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チーズと呼ばれる、糸が巻かれた状態のものグラム換算しやすい。

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たくさんの織機が並ぶもののやはり全自動とはいかない世界。
多くの人がこの場にも携わっていました。

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昔の機械と今の機械は緯糸(よこいと)の飛ばし方が違うんだよ。
そう言われても???^^;
ただ、素人ながらに目で見てわかる濃淡の美学。


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織物に囲まれると、
プリントで作られた生地に対しての魅力に疑問を持ち始めます。

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裁断機はフランスのメーカー『Lectra Systemes』。
超老舗メーカーなだけあって、
これでもかと言うくらい、かゆいところに手が届く素晴らしい機械だそうです。


ここからは、半纏(はんてん)に綿を詰める工程の一連の流れです。(最後に動画もあります。)
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綿詰めの後に行われる、手縫い。
これが大変で、だけど地味で目立たない
けれど一番大事な部分だそうです。

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この角部分の美しさ。

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昔ながらの Theハンテンというものから
侍、粋、がテーマのハンテン、
若い人向けの袖口がタイトなHANTEN。
このほか
うなぎの寝床さんとのコラボハンテンや
ストレッチもんぺも宮田織物さん作です。

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ここで
【半纏(はんてん)のお手入れ、取り扱いについて】

1 はんてんはお布団と同じです。
 2,3週間に一度程度、裏返して、午前中に1,2時間程度天日干しをします。
 それでふっくら感が戻り、また綿切れ防止にもなります。
 お洗濯前にも同様に干すのがポイントです。
 ※天日干しして、押し洗いして、天日で干す。
 (綿が潰れた状態で洗ってしまうとふっくらに戻りづらいのを、一度干してから洗うことで綿がふっくらした状態で洗いに入れるので、干し上がりのふっくら感がまるで違います。)


2 中わたの繊維が出てきたら?
 ハサミで表に出てきた繊維をカットし、表地のみを手で引っ張り、中わたと離すようにして下さい。

【お洗濯方法】
お洗濯前に、必ず製品についている洗濯表示をご確認ください。
中わたが、綿100%及び綿80%・ポリエステル20%の製品

1 お洗濯は1シーズンに1回。
 軽くたたんで、手洗い(押し洗い)でお願いします。
2 洗濯機で脱水したい場合は、きちんと折りたたんで洗濯ネットに入れ、
 脱水時間は短くしてください。
3 しわを伸ばし、直射日光を避けて干してください。

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商品についてのお問い合わせは

宮田織物株式会社
〒833-0003
福岡県筑後市羽犬塚375
電話 0942-53-5181
ホームページhttp://miyata-orimono.co.jp

最上の綿がはたして、ハンテンにとってはは最上なのか??
いくら良い綿でも、ハンテンにすると綿が寄ってしまったりするものもある。
ハンテンにとって最適な綿かどうかまで考えられた宮田織物さんのハンテン。

もちろん
妻用と自分用にも購入させていただきました。

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おかげさまで夫婦中もさらに温まったとさ。^^;

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最後に、池田さんからのお言葉。
『長い時間使っても、違和感がないものを。バランス、塩梅だよ。塩梅。』

ハンテンの工程を、寿司に通ずるように
細かくご丁寧にお話くださった池田さん、本当にありがとうございました。

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人が着ている珍しいものを着たくなるのが子供。
はんてん似合っとーよ。
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