イヨボヤ会館・Salmon Museum
鮭の歴史、生態、観察といえばこちら『イヨボヤ会館』。
日本最初の鮭の博物館です。
イヨボヤの由来
イヨはイヲ、魚(ウヲ)の転で平安時代の和名抄(わみょうしょう)という辞書に
『魚という漢字は日本のウヲのことだが、俗にイヲとも呼んでいる』と解説されています。
ボヤとは村上で幼児が使う方言で、広く魚を指す言葉です。
村上で魚(イヨ)と言えば鮭のことです。
村上人が鮭を『魚の最たるもの』と見てきた歴史の重い言葉です。
イヨボヤは『鮭魚』の意で、鮭にだけ使われている方言です。
ちなみに
鮭は魚偏に十一十一と書くので11月11日は鮭の日です。
巨大ハラコの照明デザインがお出迎え。
【村上木彫堆朱(むらかみきぼりついしゅ)】
堆朱は、彫刻を施した上に漆を塗り重ね艶消しして作られます。
木地師、彫師、塗師の技の融合で作られる村上木彫堆朱は、
国の伝統工芸品や新潟県の無形文化財に指定されています。
この鮭の原画は新潟市出身の漫画家、安田弘之先生に描いていただいたものだそうです。
鮭のミニ孵化場
10月上旬頃〜1月頃にかけて鮭の赤ちゃんを観察することができます。
館内奥に10カ所の観察窓から三面川の支流である種川の水中を見ることができるようになっています。
サケやアユなどの魚を自然のままの姿で観察できますが、
季節や気象条件、川の水量や濁り具合などによっては、魚が見れないこともありますが
運が良ければ産卵シーンも見れます。
〈10月頃〜12月頃〉
約4年して、母川に戻ってきた鮭の産卵行動やタイミング次第では、産卵の瞬間を観察できます。
〈1月頃〜10月頃〉
この人工河川で生まれた鮭の稚魚の様子を観察できます。
【村上のサーモンフリーク(鮭に狂う人)】
村上には、サーモンフリークと意味がそっくりの『ヨーボヤ(サケ)貧乏』という言葉が
昔から使われていました。
サケがのぼる時期になると、目の色を変え、借金をしてまでも立派なサケを購入し、
塩引きづくりにのめり込んでしまいます。
塩引きは塩蔵風干発酵食品として、
その味が最重視されるのは当然ですが、それだけにとどまりません。
左右対称の姿の美しさ、皮の色艶、ハラス(脇腹の肉)のピンク色の照りと輝き、
尾ビレなどの張り具合、目玉がくぼんで落ち込まない等々、
細心の気配りをし精魂込めて仕上げます。
でき上がった塩引きは、惜しげも無く人様に贈り、塩引きの鮭談義に花を咲かせます。
サケの全てにこだわり、採算を度外視して『鮭皮ブレザー』などをつくったサーモンフリークもいらっしゃるようです。
鮭皮ブレザー1着を仕立てるには、約70尾〜80尾分の皮を必要とするそうです。
【イヨボヤ会館】
新潟県村上市塩町13-34
ホームページ http://www.iyoboya.jp