柿の葉寿司(かきのはずし)
[すし・sushi]
奈良県吉野郡の郷土寿司が『柿の葉寿司』です。
山に囲まれた山里で海の幸は貴重なものです。
熊野灘で水揚げされて、その場で浜塩を施されたサバなどを
背負い籠に詰めて、山を越え、谷を越え、村々に運ばれました。
これを、吉野や奥吉野に住んでいた人々は、薄く切ってご飯の上にのせて、
手近に豊富にあった柿の葉に包んで重石をかけ、熟成させてお寿司に仕上げ、
祭礼の日のご馳走としました。
これが柿の葉寿司の由来です。
柿の葉寿司には、山里の食の知恵と工夫が凝縮されています。
今でも家庭ごとに代々守り伝えられた味が残っています。
流通網が整ってきた現在では、
各地からもサバを仕入れて仕込まれているようです。
この柿の葉寿司は、新幹線に乗り込む前に購入したものです。
サイズ感はこのくらい。
柿の葉のおかげで、手が汚れません。
裏側はこんな感じです。
食べ方としては、柿の葉をひろげて、葉を持って食べるだけです。
サイドの折り込みはこんな感じです。
ハラリハラリとめくっていくと
タイの柿の葉寿司
酢飯多めのバランスです
魚も塩や酢で味が付いてますし、酢飯にも味があるので
何もつけずにそのまま食すのが本来の食べ方です。
アジの柿の葉寿司
柿の葉寿司は、ふわふわした握り寿司とは逆に
『押し』を十分に効かせて、
ネタと酢飯がほどよく馴染んで、味が一体となった状態が一番美味しいものです。
サケの柿の葉寿司
サバの柿の葉寿司
手のひらいっぱいほどの大きさの柿の葉。
柿の葉で包むことで、その良い香りを楽しめ、
可愛く包まれたお寿司たちは味わいに深みが増します。
忘れてはいけないのは、あくまで、中身は生ものということ。
直射日光、高温多湿は避けて、なるべく早めにお召し上がりください。
柿の葉寿司、旅のお供にぜひどうぞ。
ちなみに、酢飯屋の庭にある柿の木から落ちた葉は
塩漬けして保存して使用しています。