やぶにっけい・ヤブニッケイ・藪肉桂・Cinnamomum yabunikkei
植物界
被子植物
モクレン類
クスノキ目
クスノキ科
クスノキ属
ヤブニッケイ
乾燥に強く、暖地の野山、雑木林にふつうに見られる常緑広葉樹です。
シイ林やタブ林の二次林の構成種として重要な種です。
似たような環境に生育するもので、よく似たものにシロダモがあります。
ヤブニッケイの別名がクロダモなのは、それと対比させて付けられたものです。
15mほどまで伸びて、 樹皮は灰黒色で滑らかです。
葉はほぼ対生に付きますが、ややずれていたり、互生に見えるものもあり、亜対生と言われます。
葉身は長さ6〜12cmの長楕円形で芳香があり、革質でごわごわしていて、
やや波打っていることが多いです。
深緑色で、表面にはツヤが強く、はっきりとした3本の葉脈が白っぽく透けて見え、
2本の側脈は肩のあたりで消えます。
葉の形等に変異が多く、分類は複雑です。
沖縄ではシバニッケイやマルバニッケイとの雑種らしいものが知られています。
花期は6〜7月で、枝先の葉腋から長い柄を出して、
散形状に淡黄緑色の小花をまばらに数個付けます。
花被は筒型で、上部は6裂、果実は長さ約15mmほどで、
10〜11月になると黒っぽく熟します。
樹木は庭木などにされ、花や果実は目立ちませんが、
生長が良く葉がよく茂るため、隣地との目隠しを目的とした植栽に向いています。
潮風にもやや耐えるため、海から少し離れた場所での防風植栽としても期待されています。
植栽適期は、3月下旬 〜4月、6月下旬〜7月中旬、9月とされています。
材は建築材、器具材として使われます。
葉や樹皮は薬用に使われ、種子からは香油や蝋(ろう)を取ることができます。
ニッケイやシナモンの仲間なので、
葉、根皮などに成分の違う似た香気があります。
関節痛やリュウマチなどに入浴剤としても使われています。
菊池はるみさんは、
クラフトコーラやジンジャーエールのスパイスとして使っていました。
ヤブニッケイが程よく香って美味しいです。