【東京大学 × すし作家】昆布締めのおいしさ形成メカニズムの解明
東京大学
弥生キャンパス
農学部二号館
2022年4月より「東京大学」と「すし作家 岡田大介」は、
正式に共同研究契約を結び、「昆布締め」に関する、とある研究を進めております。
研究成果発表は2026年くらいになるかと思います。
【昆布締め(こぶじめ・こんぶじめ)】とは?
魚肉、その他食材全般を昆布で挟み、
挟んだ素材に昆布の旨みをのせて、
さらに保存期間も伸びるという魔法の技術です。
【なぜ魔法なのか? いまさら「昆布締め」の何を研究するのか?】
「昆布締め」のメカニズムは
昆布の旨味が魚に移り、魚の水分を昆布が吸って、
魚肉の旨み成分がさらに凝縮されて美味しくなって、
保存期間も伸びて。
みたいな、
多くの方がこれまで、なんとなく感覚で作ってきたのが「昆布締め」なんです。
「昆布」 - 「魚肉」間で、なんらかの物質移動があって様々な効果が生まれているのでしょうが
具体的に、一体何がどうなってそうなっているのか?
実はまだ、「昆布締め」のメカニズムが解明されていなかったのです。
これだけ広がっている「昆布締め」という食文化ですが
その真相に迫ってみよう。
これが今回の研究内容です。
今回の研究テーマ
「昆布締めのおいしさ形成メカニズムの解明」
を考案されたのが
東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 博士
K先生です。
昆布の厚みの計測中
初年度は、身質が比較的安定している養殖ヒラメから実験しています。
鋼の包丁で切るのと、ステンレスの包丁で切ったものの変化などは追々ですかね。
僕自身も、好きな「昆布締め」の具合、加減というものがあるわけですが
魚の状態や、水分、脂の具合など捌いてみてから判断し、
どのくらいの時間、「昆布締め」にしようかというのは、
これまでも完全に感覚でやってきました。
例えば、ブリとマダラを昆布締めにしようと思えば、
身質も、脂ののりも、水分量も全く異なるこの2種では、
同じ時間「昆布締め」にしても、仕上がりが全く異なることは
「昆布締め」をしたことがある方ならすぐにわかると思います。
そして、昆布(こんぶ・コンブ)にも多くの種類があります。
天然の真昆布(まこんぶ)と養殖の真昆布(マコンブ)での
「昆布締め」の研究については、すでに面白い結果が出てきました。
5枚おろしにしたヒラメ
ヒラメだけでも、研究してみたいテーマが色々出てきてしまいキリがないです。。。
時間が全く足りませんので
自分の人生では、手を出さないようにしておきたいと思います。^^;
上身と下見での厚さの違いや頭側、尾側での身質の違い、背側腹側もあるので
この実験は本当に難しいです。
が、まずは細かな部位ごとの違いよりも
物質移動のメカニズムを解明することが最優先です。
慣れた手つきで昆布をカットしていく小南先生
ヒラメも数パターン実験するために
細かく切っていきます。
液体窒素で
あっという間にカチコチに凍らせています。
「昆布締めのおいしさ形成メカニズムの解明」
その結果をどうぞお楽しみにしていてくださいませ!