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徳吉醸造 / 愛知県南知多町

[蔵訪問調味料]

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2023年4月29日 愛知県南知多町(みなみちたちょう)
大正10年(1921年)創業
手作りみそ・豆みそ・たまり・ミックスみそを伝統的な製法で製造販売している
徳吉醸造(とくよしじょうぞう)さんに行ってきました。

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こちらが4代目の沢田美稲(さわだみしね)代表です。

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愛知県ならではの調味料「豆みそ」をつくる過程で、
にじみ出た液体だけを取り出したのがはじまりといわれる「たまり醤油」。
金具を一切使わない、本来の杉樽により、ゆっくりと醸造、
この木樽に、代々引き継がれた酵母がひそんでいます。

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竹の箍(たが)

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徳吉醸造さんでは、様々な種類のたまりが作られています。

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たまり醤油の作り方を見学させていただきました。
簡単な一連の流れはこの通り。

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【麹作り】
蒸した大豆を潰し、炒った小麦を少量(0~13%)混合し、
種麹を加えて加温し麹を作ります。
徳吉醸造さんでは、全国的にも珍しくなった木製箱(麹ふた)で、
大豆、大麦、米の麹を一つひとつ丁寧に手作業で作りあげていきます。
麹ふたで麹づけしたもののみ「手作り」の表記ができます。

【仕込み】
食塩水と一緒に杉樽に仕込み、諸味を作ります。
たまり醤油作りは仕込み塩水の量が非常に少ないのも特徴的です。
たまり醤油は麹の量よりも、塩水の方が少ない(半分~同量)です。

【汲みかけ・熟成】
重石をのせ、汲みかけ作業を行い、8ヶ月~1年強ねかせます。
重石をのせることで、底に溜まっている液体を上の方まであげます。
そこで、汲みかけという作業を行って、中を対流させます。
長期間熟成させることで、麹菌・酵母・乳酸菌が働き分解・発酵が進み、
さらに熟成され、醤油特有の色・味・香りが生まれます。

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こちらは、たまりを醸造している蔵元さんでしか見かけることのない特殊な道具。
味噌切り機(みそきりき)です。

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みそを重ねゆっくり押さえながらこの槽(ふね)を使用して強い圧力をかけずに

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自然の重みでたまりを絞っていきます。

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絞られたたまりは、あの穴を通り、

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こちらまでゆっくりと流れてきます。

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まず、第一ステップで浮いた油分だけを取り除く工程。

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そして最終完成した「たまり」がゆっくりと規則的なテンポで滴っていきます。


(ショート動画 21秒)

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関東で育った自分にとって、たまり自体が非日常なので
質問が途絶えません。

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こちらが、絞られた味噌。

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このあとは、家畜の肥料に使用されるそうです。

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蔵の別棟には、たまりや味噌のお話を聞いたり、学習出来るスペースがありました。
ん?? 徳吉丸の大漁旗!?
徳吉醸造株式会社のはじまりは、海運業だったそうで
材木運びなど、大きな荷を船で運んでいた歴史がありました。
しかし、嵐に遭遇したことをきっかけに、陸での仕事を始め、
1921年より味噌づくりをはじめ、
現在も代々受け継がれてきた変わらぬ製法で味噌やたまり醤油を
造り続けているわけです。

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地元の子どもたちもが来ると、ここが学びの場になるそうです。

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タンパク質がいっぱい
愛知の豆みそをたべましょう

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蔵には店舗も併設しているので気に入った商品をその場で購入することができます。
欲しい商品がたくさんあって困ってしまいますが、
僕が今回選んだのはこちら!

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「豆みそ 二分半仕込み(にぶはんじこみ) 粒」

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杉樽から掘ったそのままの無添加の生の豆みそです。
ほどよく粒が残っていて美味しそう!

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「イチヤマト」という屋号から歴史を感じますね。

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それと、
100年の時をかけて生まれた、
小麦不使用の無添加たまり醤油「ときのめぐみ」です。
原材料は大豆、食塩、米みそ。
少し垂らすだけでも様々なお料理にどのようなコクをもたらすのか楽しみです。
参考までに〈100mlあたりの栄養成分表示(推定値)〉を
熱量:112kcal
たんぱく質:11.7g
脂質:0g
炭水化物:16.1g
食塩相当量:21.6g

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そしてもう1本が「半島の宴(しまのうたげ)」。
原材料は大豆、食塩、アルコールのみ。
豆みそからとれた高級、生引(きびき)たまり。
こちらも小麦を使っていない濃厚なたまり醤油です。

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そしてそして、味見させてくださったこちらの「千賀みそ」なるもの。

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少量をお湯で溶いただけで物凄い旨味を感じます。

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「千賀みそ」の正体はこちら!
もはや、想像していたお味噌とは全く異なる。
粒の大豆麹がそのまま残った辛口の家内用の田舎風粒みそ。
そうだよな。これも味噌だよな。

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というわけで、「千賀みそ」も1つください!^^;

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沢田社長、お忙しい中ご丁寧にご案内くださいましてありがとうございました。

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【徳吉醸造】
住所:愛知県知多郡南知多町大字大井字塩屋10
ホームページ:https://www.tokuyoshi.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/miso.tamari_tokuyosi/?hl=ja


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「豆みそ 二分半仕込み(にぶはんじこみ) 粒」を使用した豆腐とねぎのお味噌汁。

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お楽しみにしていた、こちらの千賀みそ。

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家でこの旨みが体験できてしまう贅沢。

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たまねぎと大根のお汁に、千賀みそを混ぜるだけ。
味噌漉し不要です。

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こんなに簡単で美味しいお味噌汁が!