すみのえがき・スミノエガキ・住之江牡蠣・Crassostrea ariakesis
マガキとは全然違う、有明海の固有種
標準和名:スミノエガキ
名前の由来は、佐賀県六角川河口の住之江地区に多く生息し、
検体が採取されたことからついています。
一般的的に広く流通しているマガキよりも大型で約2倍以上のサイズのものが多く、
可食部の重量割合も高めの25%です。
マガキとは味が異なり、甘味がやや強めで、エグ味少なめです。
2023年現在、漁獲実態があるのは有明海のみです。
河口域にのみ生息しているため、生息量は少ないです。
佐賀県の他、福岡県、熊本県でも生息が確認されています。
細長くて、思っていたよりも圧倒的にデカい!
丸型のスミノエガキもあるのか。
「昨年の冷凍ものだけど、食べてみませんか?」 と、橋間さん。
ぜ、ぜひ!食べてみたいです!
マガキとの違いを体感してみたい!
大きな殻を剥くと、現れた大きなトゥルン。
マガキもよく、「海のミルク」と称されますが、
スミノエガキのミルクの甘さは、マガキのそれとはちょっと違って
よりミルクっぽい印象です。
2023年6月23日。
実は、はしま海苔の橋間さんに海に連れて行っていただいた理由は、
本業の海苔漁でもなく、スミノエガキ漁でもなく、二枚貝の「ウミタケ」に出合うためでした。
17年ぶりに解禁されることとなったウミタケ漁の取材へと向かう時の写真です。
有明海の圧倒的干満差が一目でわかるほど、潮が引いています。
上げ潮が始まり、水が入り始めてきたところ。
この状態なら船を出せるということで、出発です!
ウミタケ漁については、別途ブログ書きます!
このブログの主役は「スミノエガキ」ですので!
こちらが、幻の貝「ウミタケ」です。
というわけで、無事ウミタケ漁の撮影取材を終えたわけですが、
有明海は船着き場まで戻るのも簡単ではありません。
ほとんどの地域では、何時にでも船を出せるし、何時にでも港に戻ってくることができますが
有明海は日本一の干満差があるため、
戻ろうとしても、引き潮の時間の場合、水がないので船を進めることができません。
上げ潮の時間になり、潮が満ちてくるのを待たなければなりません。
今回、その時間を有効活用して、逆に潮が引いている時間でなければ見ることのできない
スミノエガキの生息場所まで連れて行っていただいたというわけです。
上げ潮と引き潮の時間意識のやりくりを当たり前のようにして、
他地域と比べればハンデというふうにも思えるこの時間を、
ロスタイムというふうにとらえず、むしろこの干満差のおかげで、
有明海の海の栄養の豊かさが日本のどこよりも別格だと活用していく。
それが有明海の漁師さん。
いよいよスミノエガキの名前の由来になっている「住之江」海域にきました。
ちょうどいい感じに潮が引いているので
鳥たちもお食事タイム。
どこを見渡しても生きものだらけ、すなわちエサだらけ。
有明海にいる鳥たちの肉付きがよくなるわけです。
遠くに見えるあの岩肌のようなものがスミノエガキの塊!?
あの近くまで漁船で行くと海底をジョリジョリ擦ってしまう浅さですので
船を停めて、小舟に乗り換え、スミノエガキの島まで向かいます。
漁船からこれくらい離れました。
目の前にスミノエガキ群が現れました!
この日は6月、冬のシーズン到来までまだまだとはいえ、
大小さまざまなスミノエガキがこんなにたくさん海底にあるなんて。
絶対、裸足で歩いたらダメなやつ。
この海水の濁った色が有明海の栄養の証!
小さいスミノエガキが密集してる!
天然のオイスターバー、ならぬオイスターアイランド!
カキでできた島。
冬に向けて大きくなっていくのが楽しみ。
スミノエガキにスミノエガキがくっ付いて、それにスミノエガキがくっ付いて、
そこにフジツボがくっ付いて、その横にまたスミノエガキがくっ付いて、
カオスとはまさにこんな状態のことにぴったりな表現。
こんなことになってます!
こうやって、共生しているのでしょうね。
フジツボがわしゃわしゃ付いています。
だいぶ重たいので、
きっと大きな身が入っているのだろうなー。
こっちのも美味しそうだー!
殻高も高め。
ウネナシトマヤガイ
https://www.sumeshiya.com/blog/2023/05/trapezium-liratum.html
牡蠣の隙間などにいて、なかなか量が獲れない貴重な貝で
このあたりの地域では姫貝とも呼ばれるそうです。
アサリに似た味がして味噌汁にしたら最高です!
と、橋間さんに教えていただきました。
そうこうしているうちに、上げ潮で海水がこのあたりまで上がってきました。
毎秒ごとにみるみる水かさが増していきます。
カニたちは、そわそわしながら巣穴に逃げ込んでいきました。
僕たちも小舟で漁船に戻り、
船底が海底につかない、程よい水深になったくらいに船着き場へと戻ります。
水深ギリギリで船を走らせる橋間さん、有明海の干満差を熟知しているからこそなせる技です。無事に到着し改めて漁船を見てみると、やっぱり凄い環境だなって
驚かされます。
橋間さん、ウミタケの取材で伺わせていただいたにも関わらず、
スミノエガキの魅力をたっぷり教えてくださりありがとうございました!
冬になったら、出荷されるのを楽しみにしています!!
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2024年2月
「はしま海苔」さんからスミノエガキが届きました!
オイスター × スミノエ牡蠣
その名も「スミスター」。
牡蠣礁の風景とスミノエガキ漁の様子が目に浮かびます。
左:橋間勝由さん
右:橋間久美さん
大小色々なサイズがたっぷり入ってます。
早速、殻を開けてみると、
出ました! このミルク感!!
これはでかい!!
殻高26cm超え!
これを、ちゅるりすることを考えるだけで涎が出てきます。
というわけで、スミノエガキ祭り開催です!
まずは生ガキを堪能します。
味が濃くて濃くて、調味料も薬味もなしでこの美味しさ。
料理人の出番がありません^^;。。。。
止まらない。
誰かにストップかけられるまで、本当に止まらない。。。
そうは言っても、さすがに食べ過ぎはいけませんので、
剥き身にしてストック。
そうだ!
大分県竹田のサフランがあったんだ!
うおおお、加熱する前からサフランの香りと牡蠣の香りがたまらん!
ほうれん草も合わせて冬の一皿。
体が元気になり過ぎる一皿!
蒸しガキでは、葉にんにくのヌタでもGOOD!
そうそう、橋間さんは海苔漁師さんが本業ですので、
海苔も抜群に美味しいです!
焼き海苔 と しお海苔のかわいいパッケージ。
【はしま海苔】
所在地:佐賀県小城市芦刈町下古賀1379-1
電話:0952-66-3441
ホームページ:https://hashimanori.com/
Instagram:https://www.instagram.com/saga.nori.2009/
はしま海苔紹介動画