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東酒造(ひがししゅぞう)/ 鹿児島県 鹿児島市

[日本酒焼酎菌類酒蔵訪問]

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本格芋焼酎「七窪(ななくぼ)」(鹿児島市 東酒造)
焼酎好きの遠藤靖志さんのオススメで2009年に初めて飲んだのがきっかけで、
すぐに気に入り、酢飯屋のメインの芋焼酎の一つとして
長年にわたり扱わせていただきました。

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2015年9月25日 
鹿児島の郷土寿司「酒ずし」の取材で東酒造さんに伺いました。
左:福元万喜子(ふくもとまきこ)社長
中:福元文雄(ふくもとふみお)常務
右:酢飯屋 岡田大介
※2015年9月時点
(撮影:遠藤宏)


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その際、七窪の仕込み水の取水地にも連れていっていただきました。

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天然の濾過装置であるシラス台地にしみ込んで
永い年月を経て湧き出る大重谷の湧水はとてもやわらかくて甘いです。

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清らかさと旨味から、地元を代表する氷屋さんが選ぶほどの名水です。

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【薩摩芋焼酎 七窪(ななくぼ)】
品目:本格焼酎
原材料名:さつまいも(鹿児島県産 黄金千貫使用)、米麹(国産米)
アルコール分:25度

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そして、酒ずし作りに欠かせないのがこちら!
酵素が生きている「灰持酒(あくもちざけ)」
【地酒 高砂の峰(たかさごのみね)】です。
灰持酒(あくもちざけ)とは、木灰(純粋な灰汁)を用い火入れをしないで日持ちさせる
古き伝統の技術で造られている、甘味のあるお酒のこと。
全国でも数蔵しか造っているところがありません。
102歳まで生きて、100歳まで現役であった創始者(東喜内(ひがしきない))さんが
精魂込めて守りつづけた技は、東酒造で今も生きています。
豊富なアミノ酸をバランスよく含む醸造調味酒でもあり、
薩摩の地ではあらゆる家庭料理の旨味料として使われてきた灰持酒は、
お酒とみりんの両特性を持ち合わせたもので
「さつま揚げ」「酒ずし」を代表する薩摩料理に欠かせない、
素材の持ち味を引き立てる調味料です。
めでたい時の祝い酒、年始のお屠蘇としても愛用されています。

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雑酒①
原材料名:米・米麹・醸造用アルコール・醸造用糖類・木灰
アルコール分:13.5度以上14.5度未満
エキス分:16度以上
賞味期限 2016.6.23

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「黒酒」は、食用米を日本麹菌で醸造した、加熱殺菌していないお酒。
日本古来の醸造法でつくった「灰持酒(あくもちざけ)」をベースに研究を重ね、
さらに高度な発酵技術でつくられています。
その製法上、「黒酒」には微生物の作用で生みだされる酵素が生きたまま。
発酵で生まれるアミノ酸・有機酸・糖類・アルコールをバランスよく豊富に含みます。
これらの自然の力がさまざまな料理に発揮されます。

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雑酒①
原材料名:米・米麹・醸造用アルコール・醸造用糖類・木灰
アルコール分:13.5度以上14.5度未満
エキス分:16度以上

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高砂の峰の仕込みを見せていただきました。

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穫れたばかりの新米を洗米

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洗いあがったお米
実はこれ、酒米ではなく食用米の鹿児島県産のお米「ヒノヒカリ」
です。
『水分は少なめ。水分が多くて粘りがあると黄麹菌が粒の中まで入っていきにくいので、米麹をつくるにはちょうどいいんです。』
と四代目杜氏の大迫重孝さん。
大迫さんは元宮大工だったという異色の経歴の持ち主です。

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〈原型は平安時代にまで遡る歴史ある酒づくり〉
「黒酒」は、発酵させた酒のもろみを加熱殺菌せず、
木灰と水を混ぜてつくる強アルカリ性の上澄みを入れることで
保存性を高める「灰持酒(あくもちざけ)」の一種です。
この製法の始まりは、はるか平安時代にまでさかのぼります。
一般的な日本酒の大半は、加熱(火入れ)することで殺菌を行って保存性を高めるので、
「灰持酒」に対して「火持酒」(ひもちざけ)と呼ばれます。
火入れは江戸時代に確立された手法です。

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ベルトコンベアーで

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蒸米機へ

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かつて「灰持酒」は、西日本を中心に日本の各地で醸造されていました。
それが、戦時統制により原料の米の供給が断たれたため、
一時途絶え、一方で火入れの酒造りが主流になってしまって廃れてしまいました。
戦後、1955年、一部製法に改良が加えられて復活させたのが
東酒造(ひがししゅぞう)さんです。
「何事も自然が一番」という創業者の熱い思いで
「高砂の峰」という灰持酒を今に残す、数少ない酒蔵です。
ちなみに、伊勢神宮が同じ醸造法で今でも灰持酒をつくっています。
「灰持酒」は、加熱殺菌する一般的なお酒と比べると、成分がまるで違います。
アミノ酸を多く含み、有機酸・ミネラルを含むほか、加熱しないために酵素が生きているのです。
鹿児島では、「酒ずし」や「さつま揚げ」などの郷土料理をはじめ、
あらゆる家庭料理にその発酵力が活用されてきました。
現在残る「灰持酒」は醸造されている地方ごとに名称が違います。
「日本三大灰持酒」として、
「黒酒」をはじめとする鹿児島の地酒、熊本の赤酒、島根の地伝酒が残っています。

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黄糀(日本麹菌)が付いたお米は、酒米ではなく、食用米。
蒸したお米に 黄麹を生育・成熟させて米麹をつくります。
麹は、米に含まれるデンプンを糖に分解する酵素を生み出します。

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妙見神社釜社火伏守護のお札が祀られています。

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櫂(かい)

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酒母(しゅぼ) 櫂入れ(かいいれ)
蒸したお米・米麹・仕込み水を混ぜ、さらに酵母を加えて培養します。
「酒母」は糖を分解してアルコールを生み出します。
「酒の母」の文字通り、お酒を生み出す源です。

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蒸したお米・米麹・酒母・仕込み水を入れた樽を
杜氏さんたちが丹念に面倒をみながら発酵させて醪(もろみ)をつくります。
麹菌がお米を糖に変え、酵母が糖をアルコールに変える反応が同時に起こります。
仕込みは3回にわけて行われる三段仕込み、
それぞれ「添え仕込み」」仲仕込み」「留仕込み」と呼ばれます。

樫の木の薪木を燃やしてできる「木灰」を熱湯に溶かし、
木灰が沈殿した後のうわずみの液を醪に加えます。
強アルカリ性の木灰のうわずみを加えることで、
醪(もろみ)のpH値が調整されて天然の防腐剤となり、
雑菌の繁殖による腐敗を防ぎ保存性が高まります。
これが「黒酒」を含む「灰持酒(あくもちざけ)」が、
火入れをしないでよい秘密です。
つまり、灰持酒は火入れをしなくても常温で保存ができる生々のお酒なのです。


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甘くてとろりとして旨みが凄いです。
完成後、瓶詰めされた「黒酒」は、
加熱殺菌しないで出荷するため酵素が生きたままです。 
自然の力が生み出した調味料が、料理をさらにおいしくします。

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神聖な蔵の中で記念撮影、ありがとうございます!

黒酒についてのより詳しいことは
黒酒(くろざけ)特設ページからどうぞ!
黒酒とは?https://kurozake.com/about/

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【東酒造さんのお酒をご紹介】

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本格焼酎 七窪
薩摩芋焼酎
原材料名 さつまいも・米麹(国産米)
アルコール分 25度

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〈乙類焼酎の楽しみ方 提案〉
本格焼酎(乙類、単式蒸留酒)は、原料、麹菌、蒸留、水、造り手(杜氏)など、
醸造所により、その特徴が出て、各銘柄により味が異なるのが普通です。
それぞれの「個性ある味」を楽しむのが、乙類の楽しみ方だと思います。
美味しい、美味しくないは、呑む人の好き嫌いによりますが、
様々な個性のある味を、自分の好きな方法で飲むのが、乙類の楽しみ方だと思います。
但し、熱湯で割りますと、もともと蒸留酒ですから幾分かの香り成分等は
吹き飛んでしまいます。
又、冷やしすぎると味覚が鈍くなります。

〈お湯割のお勧め〉
乙類の個性ある味が最もわかり易いのがお湯割りです。
ロックや熱湯割りでは味わえない個性豊かな味を楽しむことができます。

【作り方】
お湯を冷まし、80〜85℃にし先に器に注ぎ、次にお好みの量の焼酎を注ぎます。
適温のお湯割りの完成です。
特に芋焼酎のほのかな甘味や香りが良くわかります。
冷めても風味が残り、確かな味を楽しめます。
お湯割がおいしい焼酎は、ロック、ストレートでも味わいが良いようです。
お湯割りが身体に優しいのは、アルコール度数が10〜15度になり、
胃の粘膜に優しく、食欲も進み、折角の料理の味を邪魔しません。
保存温度は、常温であれば問題ありません。
紫外線の影響により、味が変化する場合がありますので、
日光や蛍光灯の光の届かない保存方法がよろしいようです。
瓶やラベルに表示してある日付は、瓶に詰めた日です。
賞味期限ではありません。
日が経つにつれて熟成しておいしくなるのが本格焼酎の特徴です。

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灰持酒仕込 完熟梅酒 とろあま
完熟した鹿児島県薩摩町の南高梅を灰持酒で仕込んだもの。
芳醇な完熟梅の香りと、アミノ酸を含む灰持酒の香りと旨みが溶け合い、
他にない梅酒に仕上がっています。

リキュール
原材料:梅実・米焼酎・灰持酒(黒酒)・砂糖
アルコール分:14度

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限定品 三春秋熟成 七窪
本格焼酎 
原材料名 さつまいも・米麹(国産米)
使用麹 白麹
蒸留方法 減圧蒸留
アルコール分 25度
貯蔵方法 瓶詰蔵貯蔵
貯蔵年数 3年
蔵入れ 平成24年7月
蔵出し 平成27年7月

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その他にもまだまだ様々なお酒があります。
https://higashi-sz.com/products/

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【東酒造株式会社】
所在地:鹿児島県鹿児島市小松原1-37-11
電話番号:099-268-2020
ホームページ:http://higashi-sz.com