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ひがた・干潟・mudflat

[海の生き物生き物記録]

子供たちが干潟に興味をもち始めたので
干潟体験に連れて行きました。
佐賀県鹿島市。
現地での装備や環境、
干潟遊び後のシャワーのことなども考えると
断然オススメなのが『道の駅 鹿島』です。

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目の前に広がる有明海の巨大な干潟に興奮の子供たち。
自分も興奮しております。

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係員の方の諸注意を聞いてから開始です。

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躊躇なく行くのが長男のやり方。

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スイスイと上手く潟スキーを操れるのは
体重が軽いからだろか?

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様子を確認して続くのが次男坊のやり方。

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沖で独り、
生き物探しで悦に浸る長男。
わかる、わかるぞ。

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泥だらけになっても怒られない時って
そんなにないので、今日は好き勝手やってちょうだい。

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意外とこういうのは上手い妻。

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沖に行っては戻り、行っては戻りのエンドレス遊び始まり。

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陸に上がる前に
高圧シャワーで泥を流してくださいます。

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カニ類だけでなく、アゲマキガイの赤ちゃんも発見したようです。
マテ貝マテ貝と言っておりましたが、
マテ貝との違いはまだわからなくて仕方ないです。

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シャワーを浴びて着替えたら
道の駅 鹿島に併設されているミニ水族館へ

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さっきまで入っていた干潟に
こんなに生き物がいるのか!!と目で確認。

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ムツゴロウを始め、有明海の多くの生き物が動き回っています。

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海岸では干潮になると、海水が引き
陸地と海の間に広く平らな土地が現れます。
この泥と砂ばかりの湿った広大な土地のことを干潟といいます。
干潟は1日に2回、干潮時に姿を現します。

干潟は
満潮と干潮の潮位の差が大きい海岸に
川から流れてきた土砂などが長い時間かかって積もってできた特殊な地形です。

干潟は底に積もった堆積物の粒子の大きさによって、
大きく『泥質干潟(でいしつひがた)』、『砂質干潟(さしつひがた)』、『混合干潟(こんごうひがた)』に分かれます。
泥質干潟は流れが遅い海辺や川の河口の奥まったところにできやすく、粘土のような粒子の細かい泥がほとんどで
足どころか太ももまでハマってしまうこともあります。
砂質干潟はほとんどが砂でできていて、流れが速くて大きい砂でも運べるような海辺によく見られます。
2つの干潟の間には泥や砂、小さい石など色々な大きさの堆積物が混ざっている混合干潟ができます。
多くの干潟ではこの3種類が一度に見られますが、
普通は陸地に近いほど泥質干潟、遠いほど砂質干潟となっています。
季節や地形の変化、潮の流れによって運ばれてくる泥や砂の成分が変わるため、
色々なタイプの干潟が混ざっているところもあります。

日本には、
九州北西部の有明海、岡山県の児島湾、東京湾など
たくさんの干潟があります。
代表的な泥質干潟が有明海です。
有明海には干潟ができやすい条件がそろっています。
水深が深いところでも20数メートルと浅い。
それに加えて、
潮の満ち引きが大きく、干満差は奥にいくほど5,6メートルにもなります。
筑後川をはじめ、いくつもの川が有明海に流れ込み、有明海は外洋との連絡口が狭いため
泥が河口に停滞して堆積し、約8600ヘクタールに及ぶ広大な干潟ができたそうです。
韓国では、西側の黄海(おうかい)沿いにあるセマングムなどの干潟が有名です。

干潟には貝やカニ、テナガダコ、ゴカイ、ユムシなどの生物、
それをエサにするカモメやシギ、小さなプランクトンから魚類まで
様々な生物が生きています。
人間も先史時代から現在まで干潟で食料を調達してきているので
干潟の生態系の一部とも言えます。

干潟にも陸地と同じように『生産者』、『消費者』、『分解者』で構成される生態系が存在します。
光合成する植物を食べて栄養分を摂る陸地の生態系とは異なり、
干潟の生態系は有機物から栄養分を得ます。
動物の死骸や排泄物、枯れた植物などは次第に細かくなり、デトリタスと呼ばれる有機物になります。
干潟の生態系は、この有機物を食べて生きる生物や
その生物を食べる鳥や魚などの食物連鎖が行われています。
生態系における『生産者』は、光エネルギーを利用して無機物から有機物を作り出します。
陸地では植物がこれにあたりますが、
干潟では目に見えないほどの大きさの植物プランクトンが生産者の役割をします。
植物プランクトンは、海面や干潟の底にいて光合成し、
デトリタスとともに干潟の生物の重要なエサとなります。
干潟の『一次消費者』はデトリタスや植物プランクトンを食べる生物です。
アゲマキ貝やアサリのように海水に浮いているエサを漉して食べる『懸濁物食者(けんだくぶつしょくしゃ)』と
ムツゴロウやヤマトオサガニのように砂や泥の中のエサを食べる『堆積物食者(たいせきぶつしょくしゃ)』に分かれます。
懸濁物食者はエラなどの器官をろ紙のようにして、海水をろ過してエサを食べるので『ろ過摂食者(ろかせっしょくしゃ)』とも呼ばれ、
貝類やケヤリムシ科の生物がこれに属します。
堆積物食者は主に水の流れが緩やかで、有機物が積もりやすい泥質干潟などに巣を掘って住み、
ゴカイやカニなどの生物がこれに属します。
干潟にも他の生物を食べる捕食者『二次消費者』がいます。
アカニシやツメタガイ、サキグロタマツメタなどの生物は
泥の中にいる貝を見つけて殻に穴を開けて消化液を入れ、中身を溶かして食べます。
海辺でよく穴の開いた貝殻を見かけますが、これは捕食された後のものです。
魚や鳥も、多くの干潟の生物が恐れる捕食者です。
満潮時に干潟に寄ってくるボラなどは、巣の中に逃げ切れなかったゴカイやエビなどを捕食します。
ウミネコやクロツラヘラサギなどの鳥はカニやゴカイはもちろん、
小魚までも食べるため、干潟では最高位の捕食者となっています。
干潟で最も活発に行われる活動は、
実は人間の目に見えません。
陸地から流れてきて堆積した大量のデトリタスは
干潟の生物たちのエサにもなりますが、それはごく一部で、
ほとんどは目に見えない小さな生物たちによって分解されます。
この仕事を担当している『分解者』はバクテリアや砂粒の間にすむ微生物です。
死んだ干潟の生物を分解して、干潟が腐らないようにするのも微生物の役割です。

生物の暮らしの基盤というだけでなく
陸地から流れてくる色々な汚染物質を堆積して
水質を浄化して海を守ってくれる役割もしています。
まさに海の腎臓。
工場や家庭から出た生活排水などの汚染された水が海に流れ込む前に、
干潟の堆積層は、ろ過紙のように汚染物質を漉してくれます。
この時に残った汚染物質は干潟に住む微生物によって分解されます。
そしてもう一つ。
地球上の全ての生物が呼吸出来るように酸素を作っています。
ちなみに、地球上で作られる酸素の約3分の2は
森ではなく海で作られているそうです。
海面に近いところに住む海藻や葉緑体をもっている植物プランクトンが光合成して
酸素を作っています。
まさに地球の肺。

しかも沖合からの風や波の力を吸収して弱めて
高潮による陸地の被害を少なくする働きもしています。
台風が近づいてきても、干潟の湿地に生えている塩生植物の枝の葉が
風の力を吸収して激しい波の威力を弱めてくれます。

この干潟の長所が知られるようになったのは
ここ数十年のことらしく、
人間は干潟を役に立たない土地と考え、干拓して田畑にしたり工場を建てたりし
その結果、干潟に住んでいた豊富な生物は住むところを失い
人間は洪水や台風の被害に直撃されるようになってしまいました。
現在は干潟の価値を守ろうとする動きも出てきているようです。

【干潟に住む甲殻類】
カニやエビのように、体の外側が硬い殻で覆われている動物を甲殻類と言います。
ヤマトオサガニやオサガニ、アシハラガニ、スナガニなどのカニの種類はもちろん、
クルマエビ、テッポウエビ、シャコ、ロブスター、フナムシなどが甲殻類に含まれます。
甲殻類の硬い殻は、脊椎動物の骨の役割をして、中の筋肉と器官がくっついています。
甲殻類は体が大きくなるたびに古い殻が剥がれて脱皮をしますが、
脱皮したばかりの軟らかい殻はすぐに硬くなります。
カニの脚は全部で7つの節でできていて、2番目と3番目の間は
自身で力を加えると取れます。
体の一部が取れても脱皮をすると再生するので、危険に直面すると自ら脚を切って逃げることもあります。