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きたむらさきうに・キタムラサキウニ・北紫雲丹・Strongylocentrotus nudus

[うつわすし・sushi料理海の生き物食遊び]

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岩手県 九戸郡 洋野町(ひろのちょう)
北三陸と呼ばれるこの地に、
世界初、世界唯一
ウニ牧場で育った天然ウニ
『キタムラサキウニ』があります。

牧場という名前から
養殖に思われがちですが、天然ものです。

本来ウニは雑食性で何でも食べるため
自然のまま育ったものは味や品質の大きな個体差、ムラができてしまいます。
殻のまま出荷した場合、中身がスカスカ!なんてことも。
一方で、ウニ牧場育ちのウニは天然の昆布やワカメだけを食べて育つため
質が高く、圴一、安定しています。
ウニ牧場だから全てのウニが大丈夫。とあぐらをかかず、
漁師さんたちは殻出荷できるかどうかを海の中で判断し水揚げするこだわりです。

シーズンは5月〜8月。

ちなみにウニは英語で Sea urchin(海のわるがき)と呼ばれるほど。
食べ散らかし、そのスピードも速いそうです。
タイヤも食べてしまうとか・。。。
世界的な環境問題にもなっている磯焼けの大きな原因ともなっています。
この磯焼け問題すらも未来解決できる仕組みが
このウニ牧場の仕組みです。
すでに他県、他国でもやりとりが始まっているようでした。

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カメラの焦点をどのトゲに合わせるかで
さらには、
この動き回るトゲトゲのおかげで
毎回表情が変わるウニ。
正解も間違いも無い。

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中央に見える白い部分が
ウニの歯です。

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洋野うに牧場 4年のうに
・1年目は、種市うに栽培漁業センターで稚ウニを育てます。
 約1cm程度まで育った稚ウニは沖に放流され、
・2年目、3年目は外洋にウニを放ち、天然の漁場で育てます。
沿岸まで迫る森から流れ込む養分で育つ豊かな海藻を食べ、約3年かけてゆっくりと大きくなります。
このウニを漁師さんが潜水して確保。
・4年目、約15kmにわたって沿岸の岩盤に掘られた溝に昆布が貯まるようになっている『ウニ牧場(増殖溝)』に移しさらに1年、
 天然昆布をたっぷり食べさせておいしいウニに仕上げます。

完全受注生産なので、注文後、ダイバーさんが海に潜り収穫。
牧場から収穫されたウニは、厳密な衛生管理、品質管理のもと自社工場で加工&パッキング。
ミョウバンなどの添加物は使わず、殺菌海水を使用しているので
雑味がなくウニそのものの風味を味わえます。

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八角形に結ばれた白い糸

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奥には内臓が見えます。

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シーズン最後ということもあり、
この日のウニは精子が。
中央の白い液体がそうです。

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殻から取り出して、内臓を解剖してみました。
餌として食べた昆布が入っています。

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ここからは、牙とも呼べるほどの鋭いウニの歯の画像です。
花や蕾にも見えるこの美しい歯に見とれてしまいます。

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殻の内側がオシャレな北紫ウニは、
日本人の美意識と重なるものがあります。

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キタムラサキウニの握り寿司。

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1カンに3カケぐらいがバランスとしてはちょうどよい。

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1カンに6カケということは、1カンにウニ1個分以上。

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もう、どうしてもウニを頬張りたいときにだけ
スペシャルなお寿司。

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2018年7月
ウニ牧場を見に
岩手県洋野町(ひろのちょう)へ。

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『これより先 津波浸水想定区域(Estimated Tsunami Inundation Area)』の看板。
これを見るといつも背筋が伸びて
たくさんの想うことが頭をよぎって、
生かされている自分の使命を再認識します。

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Welcome ダイちゃんです!!!
俺も大ちゃんです!!!
ダイバーだからダイちゃんなのかな!?


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この日は前後の台風と雨でウニ牧場を遠目からしか見れない。
ということで残念でしたがその分、色々とお話を聞くことができました。
(次回はきっと間近で見るぞ!)

さて、
北三陸と呼ばれるこの地域に
種市(たねいち)という場所があります。

ここで
世界初、世界唯一の『ウニ牧場』を運営しているのが
『北三陸ファクトリー』(株式会社ひろの屋)さんです。

代表の下苧坪 之典(したうつぼ ゆきのり)さんとは
これまで何度もお会いする機会があったり
お取引もちょこちょこあったものの、
このウニ牧場にはまだ行ったことがなかったのです。

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2014年7月

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というわけで、念願叶った2018年7月

天然にこだわるのが『北三陸ファクトリー』。
ウニ牧場とはいえ、牧場にいるウニは全て天然ものです。
全国ほとんどが養殖ワカメな中、ワカメまで天然もの。
天然ホヤに至っては、
潜水服で漁をするという日本で残り一人の漁師さんが獲ったものです。

以前、
三陸鉄道お寿司列車の時も
この天然ホヤや天然ワカメを使わせていただき、
乗客の皆様から完成が上がっていました。

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元々海産物問屋さんだった下苧坪さんの家系。
昔の写真には香港の文字が。
上質な乾アワビを当時から輸出し
世界とやりとりをしてきた先代の遺伝子が
確実に組み込まれた下苧坪さん。
シアトル留学の経験もあり
目線、考え方は、地球規模でした。
洋野町発、世界へ!
グローバルなビジネスモデルで地域活性化をめざしています。

全ては会社を支えてくださっている従業員のために。
という考え方だけでなく
団塊の世代がいなくなったら人口減少も含め、町が終わる。
未来の漁師が、しっかりと飯を食っていけるように。
その地元の環境作りも整えていこうというのが下苧坪さんの考え方でした。

ウニは美味しい高級食材という一面以外に
海藻類以外でも何でも食べ荒らす雑食の生き物のため
地域によっては磯焼けという現象を引き起こし
ガンガン駆除されているところもあります。
世界各地のそんな現場の力にもなろうという
ミッションも下苧坪さんは掲げていました。

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うに栽培漁業センター

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4年かけて海で大きく育ったウニが水揚げされ、こちらの水槽に。

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チクチク動き回るキタムラサキウニ。
棘(トゲ)はおよそ1,000本ほどあるそうです。
ちなみにバフンウニは3,000本ほどだとか。

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下苧坪さんとキタムラサキウニの2ショット。
個人的には何枚でも撮りたい1枚。

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こちらの水槽は?
奥の方でちょうど社会科見学の小学生たちもいました。

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???

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なまこ??

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なまこの赤ちゃんだ!

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小学生たちもキャーキャー騒いでました。

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これでも大きい方です。
もっと小さいやつは可哀想で持てなかった。。

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そしてこちらが、今回本命の
キタムラサキウニの赤ちゃん!
赤ちゃんはだいたい9月、10月に生まれます。

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1cmに満たないほどの赤ちゃんも可愛すぎて持てなかった。。。

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海水からあげると見えませんが、

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海水につけると

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これわかりますか?

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管足(かんそく)と呼ばれる細い足。
この無数に伸びる足で岩場や壁にくっついています。

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管足ニョロニョロ動画はこちら。

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ウニの卵を飼育槽で2cm程度の稚ウニになるまで育てて
外洋に放ち、大きくなってから昆布が群生する浅瀬で育てる。
しかし、生きている昆布を、ウニは食べない。
昆布も身を守ろうとして粘液を出すため。

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45年ほど前に掘った浅瀬の溝には
ちぎれて死んだ昆布が海流で自然にウニ牧場に流れ込んでくる仕組みには驚きました。
そこで育てたウニを潜ってとるのは漁師さんたちの仕事。
昆布を食べたウニの濃厚さは食べればすぐにわかります。
溝によってウニの味や身入りが違うのでそれを見極めて漁場を決めるそうです。
漁はもちろん、選別も全て手作業。

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種市漁港も目の前にありました。

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こちらはウニの加工場です。

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このようなカマで殻を切ってウニに穴を開けたり

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ウニの殻割り機で割ったり。

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こちらは殻とくちばし。

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消化管を取り除いていきます。

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ウニ剥きのスピードは職人技。

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殻を割ったウニの中を掃除しながら身を丁寧にとっています。

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担当を分けて効率よく
ウニが鮮度を保ったままスピーディーに流れていきます。
全て人力。

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掃除が終わったウニは
こちら側の真ん中部分にピンセットの先端で穴を開けておきます。

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内側から見るとこの部分。
この穴から水を抜いておくことで
身を取りやすくします。

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綺麗に掃除されたウニ、あとは身(生殖巣)とりです。

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剥き身は、洗って、水切り、パック詰めとなります。

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汚れをみつけたら、すかさず掃除をする下苧坪社長。
社長の鏡です。

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ウニ牧場こんな感じに溝が掘られています。

種市漁港すぐそばにある
『ひろの水産会館ウニーク』でウニについて色々と学べるようになっております。

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生きたウニと昆布の捕食の様子も見れます。

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箱石所長によるウニ講座。
バフンウニとキタムラサキウニの違い。

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地元の小学生たちが積極的にわからないことを質問していたのが
とても印象的でした。

オスとメスは見た目でわかりますか?

見た目でオスメスの区別がつかないウニですが
開けて見て白ければオスってくらいかなと所長。

中には、
ウニはどうやって結婚するんですか? なんて質問も。

海中でまずオスが精子を放出、そこにメスが卵子を放出。
海中受精スタイル。


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左:オスの精子 右:メスの卵子

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また改めてウニ牧場を見て

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サーフスポットを見て北三陸ファクトリーに戻りました。

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会社の入り口にある潜水服。

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今回は塩ウニのお仕事をいただきました。

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塩ムラの無い、新しいステージの美味しい塩ウニを考えたいと思います。

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北三陸ファクトリー 下苧坪社長としっかり握手をかわす酢飯屋 岡田社長

さて、
ちょうどお腹も空いてきた頃。
お昼ごはんは、ご近所の『はまなす亭』さんにて
ウニづくし、ホヤづくしのランチ。
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贅沢にたっぷり盛られたウニ丼。
ウニ1個の中には、あのピロピロしたのが5枚入っているので
これだけでウニ何個分も!

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焼きウニ

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焼けた棘すらも美しいウニ。

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焼きウニがホックリしてきたところでいただきます。

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蒸しウニはウニの旨味をさらに強く感じることが出来る食べ方です。
ちなみに蒸しホヤも。

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出汁巻玉子にもウニ

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郷土料理の『いちご煮』(アワビとウニの濃厚で澄んだ出汁が絶品。)


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ダイちゃん またね!

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以前、プライベートでもウニ牧場からキタムラサキウニを注文。
息子も大興奮の容姿。
生きて届くからまた凄い。

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ウニ丼

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