ひらめ・ヒラメ・平目・鮃・Bastard halibut
[すし・sushiスクーバ・ダイビング料理海の生き物釣り・Fishing食遊び]
カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属のヒラメ
カレイの仲間は世界に約680種、日本には約120種もいるそうです!!
20種類も言えないかも、。。。。。^^;
冷たい冷たい北海道から暖かめの九州まで幅広く分布する
環境適応能力の高い魚。
もちろん、育った海で味が異なることは言うまでもないです。
顔を正面から見て、両目とも体の左側にあるのがヒラメ。
『左 ヒラメ に 右 カレイ』と修行中に教わったものです。
※ちなみに全ての種類がそうとは限らないようです。
ふだんは目のない右側(腹面)を下にして海底によこたわっている。
泳ぐときは海底を離れ、体全体を波打つように動かして泳ぐ。
鋭く大きな歯が生えている大きな口で獲物を捕らえる。
肉食系で小魚、イカ、甲殻類などを食べる。
体色変化は自由自在。
ヒラメやカレイの仲間は、砂底の色に合わせて体色を変えることができる。
海底がまだらな色の場合は、体の模様もまだらに。
体色を砂底そっくりにして擬態して、
さらに砂をかぶって海底にへばりつき
近寄ってきた獲物に気づかれることなく、襲うことができる。
目のまわりの色や環境を見て、それに合わせた色や模様に変える。
砂地ではなく、岩場に住むヒラメもいます。
孵化したてのヒラメの仔魚(しぎょ)は、
他の魚と同じように体の両側に目がある体色は透明、内臓は透けている。
生後一ヶ月ほどで次第に右目が体の左側に寄って行き、
体の右側を下に向けて泳ぎ始める。
体に色がつく頃には、完全に右目が左側に移動する。
『ヒラメ関東、カレイ関西』という言葉もある。
関東の人がヒラメを好んで食べるのに対して、
関西の人は、白身魚のお造りにはカレイ抜きはありえへん。
ということに由来して出来た言葉。
ヒラメの旨味成分は
筋肉100g中のエキス窒素分の含有量約400mg
すなわち、筋肉に対して0.4%ほどと言われている。
(ちなみにカレイは0.3%ほどと言われている。)
ヒラメの旬は秋から冬。
産卵期が3月から6月なので夏は痩せ細り、味も落ちる。
脂質の含有量は冬の寒鮃(かんびらめ)が筋肉100gに対して2gほど。
夏鮃(なつびらめ)は筋肉100gに対して1gほど。
倍違いますね。
ちなみにエンガワ(縁側)と呼ばれるヒレの付け根部分の筋肉。
あの独特の食感と脂ののり。
冬の脂質含有量は20%!夏でも16%!
1kg以下のヒラメは『ソゲ』と呼ばれる。
1.5kg〜3kgくらいの冬の平目の味が、自分は好みです。
平目の刺身は何で食べたら一番美味しいだろう??
塩?ポン酢?しょうゆ?その他?
何もつけずに食べて美味しい平目の味を
さらに引き出す調味料。
醤油で食べたら、それは、醤油が美味しかったら平目の意味がない。
薄造りにした平目をポン酢、あさつき、もみじおろしで
平目の甘みを引き締めて食べる。
この昔ながらの食べ方がやはり一番なのか?
ここは、追求したいところ。
次に平目を手にいれたら、実験をしまくろう。
煮付けにした平目を食べる際、
身を食べた後に残った骨の上にお湯を注ぎ
骨からの出汁も飲み干すことを若い時に静岡で教わった。
『親を睨むと鮃になる』という、躾けに関する言葉。
親を睨むと鮃のような眼になるぞ!という子供に対しての謎のおどかし。
『産婦に鮃を食わすな』という姑の意地悪い言葉。。
産まれてくる子供の口が鮃のように曲がってしまうぞ!という
謎のおどかし。。
嫁に美味しい鮃を食べさせたくないという気持ちを
鮃で表現するのはヤメてほしい。。。
秋なすや秋サバも同じことわざですね。
ちなみに、
現代は『鮃』という漢字を使うのが一般的になっているようですが、
江戸時代は『平目』だったそうです。
体形が平たくて、目がギョロッとしているから??
ヒラメはカリウム多めのお魚。
生のヒラメ100gには
カリウム 420mg
ビタミンB2 0.20mg
ナイアシン 7mg
DHA 176mg
EPA 106mg
と言われている。
ちなみに、エンガワにはマグロのトロと同じくらいの
DHAとEPAが豊富に含まれている。
ヒラメの歯
ヒラメの目
ヒラメの鼻
銚子港にて
酢飯屋で修行中の24歳 山本祐也が
茨城県沖にて、初めての平目釣りで2kgUPという快挙!
魚をおろす練習をするために
その魚を釣りにいくという、
完全に理想的な修行スタイル。
魚の生態も知れれば、漁師さんの凄さも思い知れる漁。
非日常な早起きをして
苦労して釣った一匹の重み。
それを感じながら魚をおろす気持ち。
お金を払って簡単に手にいれた魚をおろす時の気持ちとは
比較にならないものです。
鱗引きをして5枚おろし。
最後は平目の握り寿司を何皿も何皿もみんなに握って振舞って
ご馳走してくれました。
ちなみに
平目は熟成させ過ぎるとあの弾力がなくなり
噛み締めながら出てくる鮃の旨味の感じ方が出来ないのは勿体無いので
締めてから2,3日目くらいが好みです。
※下処理の環境と技術、管理温度にもよりますが。
この気持ちをいつまでも忘れずに。
photo by yusukenishibe
【ヒラメの5枚おろし】
水洗いしたヒラメの中央(中骨の上)に切れ目をいれます。
骨に沿って刃を入れ進めていきます。
頭側から見るとこんな感じです。
尻尾まで開けてきました
真上から見たところ
縁側部分まで一緒に切り離し、5枚おろしの内の1枚が取れました。
左側がその1枚
右側の骨の跡が
こんな感じで付いているようにおろせたらバッチリです。
完全血抜きは出来ていないものの、この程度でしたら全く問題ございません。
同じ工程を繰り返し、4枚に分かれました。
左の2枚が上身、右の2枚が下見。
こちらが中骨1枚
身の4枚と合わせて5枚おろしの完成です。
透明感のある身、その奥に少し透けて見える茶色。
上身の皮の色が茶色だからです。
こちらも透明感のある身、透けて見える先が白い部分と茶色い部分があるのは
養殖ヒラメの皮色のムラから。
左が上身、右が下見。
この皮目の色が身側から透けて見えていたわけです。
天然ヒラメであれば、下見が白一色のため身から透けて見えるのも白になります。
皮を引いたヒラメの上身
離れて切り取ってある細長い部分がエンガワと呼ばれる部分。
正式には「担鰭骨 (たんきこつ)」です。
ヒレを動かすための筋肉なので食感もコリコリと引き締まっています。
皮を引いたヒラメの下身
養殖ヒラメと天然ヒラメの見分け方についてはこちらからどうぞ。
https://www.sumeshiya.com/blog/2021/07/post-6610.html
ヒラメの握り寿司
佐渡 鮨 長三郎さんにて
あっという間に捌かれました。
噛み締めるほどにジュワジュワと溢れる
ヒラメのエンガワの濃厚な旨味を堪能させていただきました。
【ヒラメのお刺身】
【桜ひじきでいただくヒラメのお刺身】
お刺身盛りのツマとして、薄造りや単品盛りの食べられる飾りとして。
味が淡白過ぎる白身魚ですと桜ひじきが強すぎてしまいますが
ヒラメやマダイくらい旨味のしっかりある白身魚を
ひじきの塩分とともにいただくと互いの味が引き立ち、程よいフレーバーも心地良いです。
【ヒラメのえんがわのお刺身】
【桜ひじきとオイルでいただくヒラメのえんがわ】
桜ひじきや柚子ひじきを手にすると、
お刺身に合わせたり、カルパッチョに合わせたりする方はきっと多いと思います。
それほど自然な相性の良さを感じます。
【ヒラメの昆布締め ツマとしての桜ひじき】
これまでのお刺身盛りのツマには無かった生ひじきの食感と
桜の香りがお刺身の箸休めにバッチリです。
左から
ヒラメの握り寿司
ヒラメのえんがわの握り寿司
ヒラメの昆布締め握り寿司
ヒラメと桜ひじきの握り寿司
【ヒラメの握り寿司】
【ヒラメのえんがわの握り寿司】
【ヒラメの昆布締め握り寿司】
【ヒラメと桜ひじきの握り寿司】
昆布締めのように、桜ひじきで白身魚を締めるのも一つの仕事ですが、
握ったお寿司にのせるだけでも十分に個性を発揮してくれます。
【ヒラメのソテー】
付け合わせは
・ブロッコリーとクミンの自家製オイスターソース炒め
・ザワークラウト
・桜ひじき
自家製マヨネーズクリームとリノーザ島のケイパーで
【ヒラメのエンガワ肝のせ握り寿司 すじあおのりを添えて】
醤油のすごさよ。
青のり増し増しがこちら!
味や脂が濃厚なお寿司の場合、これくらいの青のりの量がバランス良いです。
【ヒラメとアオサの酒蒸し 煎り酒で】
酒蒸しされた魚から出る旨味汁と梅の酸味が効いた煎り酒は
海藻を絡めて食べても美味しくいただけます。