わかめ・ワカメ・若布・Undaria pinnatifida
兵庫県北部
日本海に面した新温泉町(しんおんせんちょう)の三尾(みお)集落。
こんなに綺麗な海が兵庫県にもあるんです。
ここの郷土寿司『いか糀(こうじ)』を学びに、僕が何度も通わせていただいた地域です。
春はこの場所で天然わかめが収穫されています。
天然わかめがどれくらい希少なものかといいますと、
一般的に流通している養殖わかめ95%に対して
わずか5%ほどです。
生出荷用に洗って天日干ししているワカメ
緑のわかめが海の中でゆらゆらしていると思っている方、
茹でる前のわかめの色を見れば
褐藻の仲間だということがわかりますね。
その後、生産現場ではたっぷりのお湯で茹でて、
わかめが褐色から綺麗な緑色に変わったら
ザルに上げ、水をきり、冷たい水で冷まします。
冷たい水で引き締めたわかめをの水をきります。
こちらは、それをそのまま冷凍した 天然冷凍生わかめ。
湯通し済みなので、解凍して水気を絞り、適当に切ってそのまま食べることができます。
こちらは生わかめ、
しっかり水気をきったら塩を満遍なく揉み込み、
天然わかめの塩蔵(えんぞう)の完成です。
湯通し塩蔵 天然わかめ(150gパック4つ入り)
【塩蔵わかめの塩抜き(塩出し・水戻し)方法】
ボールにワカメを入れて、水を注ぎわかめを揉み洗いして
水の中で、塩をボールの底に落とします。
わかめを持ち上げて一度塩水は流し、
もう一度わかめをボールに戻したら
もう一度揉み洗いします。
また塩水を流し、ワカメをボールに入れ
ヒタヒタのお水に入れて5分から10分ほど塩抜きをします。
途中味見をして、お好みの塩分濃度になったら
ザルに上げ、水気をしっかり絞り、切って
わかめの香り、味、食感を存分にご堪能ください。
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胞子から始まる、海に生育する藻類の一つ、わかめ。
天然わかめの根元の胞子葉(めかぶ)から放出される胞子を
養殖の場合は7月ころに細い縄に付着させ(採苗)、
海中に沈めて生育させます。
胞子は分裂して雄性と雌性の配偶体に。
配偶体は成熟し、
雌性配偶体には卵が形成され、
雄性配偶体から放出された精子と受精して芽胞体に。
この芽胞体が成長して幼葉となります。
養殖では、この幼葉が出たら
10〜11月に海上の養殖施設(延縄)に巻きつけ、
成葉となるまで本養成します。
【根】繊維状
【葉状部(葉体)】
一般的に食べられている部分です。
左右にハネ状裂片をもちます。
酸素を取り込んで二酸化炭素を排出したりしながら海中から養分を摂り込んでいます。
【茎(中芯)】
茎わかめとして食され、根元から先端近くまである円柱状の中心部位です。
食物繊維が豊富でコリコリした食感。炒め物、天ぷら、漬物に最適です。
【胞子葉】
ひだひだの部分が生殖器で『めかぶ』として食されている部分です。
春になると表面に『胞子のう』という袋ができ、胞子が放出されます。
【栄養成分】
わかめには、『アルギン酸』という食物繊維やヨウ素、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、
マンガンなどのミネラルがバランスよく含まれています。
特にアルギン酸は腸内細菌のバランスを整える働きや
血液中のコレステロールを減らす働きがあります。
メカブに含まれる食物繊維の『フコイダン』は、血圧上昇を防ぎ免疫力を高める働きがあると言われています。
魚油との食べ合わせは中性脂肪の低下を助け、酢と一緒に食べることにより
フコイダンなどの有効成分の吸収力がアップします。
【早採りワカメ】
1月中旬以降、養殖ワカメの間引きをします。
その間引きされたワカメこそが、早採りワカメです。
収穫最盛期の4月までにワカメをより良く成長させるために重要な作業工程で、
間引きを怠ると、良いワカメの漁獲量が少なくなります。
地元の方だけが食べていた冬の海からのプレゼントである間引きワカメは
平成14年に岩手県と県内の漁協が『早採りワカメ』と名付けて商品化したそうです。
べっ甲色の生わかめを湯通しした時の緑色が
春先のものよりも鮮やかで、硬過ぎず、程よい食感が特徴です。
岩手県大船渡市 綾里(りょうり)漁協では『早採りわかめ磯一番』として
岩手県宮古市重茂(おもえ)漁協では『早採りわかめ春いちばん』として
(他の地域でも色々あるのかな?)
出荷されていますので、ぜひこの季節物を大切にいただきましょう。
【キッチンで生わかめを茹でる(動画)】
左が悪い早採りワカメ 右が良い早採りワカメ
早採りわかめはバクバク食べたいもの。
少しボリューミーなお寿司になりますが、
こうやってやれば握りお寿司にできます。
茹でて、水気をきった、ひょろっと細長い早採りわかめを
まずこう持ちます。
指の裏側方向にワカメを巻きつけていくイメージで
ぐるぐる巻きつけていきます。
全部巻けたら、左手の指をぐるぐるワカメからスルッと抜きます。
空いた穴の部分を埋めるように左手を軽く握り
ワカメを軽く窪ませて、酢飯のBedをつくります。
そこに一口大の酢飯をのせたら、あとは握りの工程です。
寿司職人の方、ぜひ、ひも状の他の食材でも試してみてください。
もちろん、一般の方もワカメの握りにチャレンジしてみてください。
早採りワカメの握り寿司
お好みのソースでどうぞ!
今回は、喜界島のゴマ油『GOMACASI』と糸島の『またいちの塩』で 完成です。
生のアナゴの握り寿司
わかめ酢飯にすることでなんと、お互いの美味さを引き出し合うという。
酢飯を作る際に、すし酢の中に細かく刻んだ乾燥わかめを入れて
酢飯を切って作ります。
ときしらずのわかめ寿司
こちらもまた、互いの良さを引き出し合ってくれます。
もっとモリモリ食べたい方はナムルがいいですかね。
全国各地でワカメは収穫されています。
以下、いくつかご紹介させていただきます。
こちらは、岩手県の塩蔵わかめ。
肉厚でシャキッとした食感です。
冬に間引きされた早採りわかめの想いを背負っているだけあって、
味が濃いワカメです。
三陸わかめ
名称 湯通し塩蔵わかめ
原材料名 わかめ・食塩
販売者 綾里(りょうり)漁業協同組合 RGM
岩手県大船渡市三陸町綾里字中曽根66
ホームページ http://www.jf-ryouri.or.jp/wakame/index2.html
よりいっそうおいしく
YORIISOわかめ
何度も噛みたくなる、シャキシャキとした食感が特徴です。
名称 湯通し塩蔵わかめ
原材料名 わかめ(三陸産)、食塩
食塩含有率 30%
内容量 30g
使用方法 水に浸し塩抜きして使用してください
製造者 マルキ遠藤商店
宮城県石巻市寄磯浜前浜76-2
ホームページ http://yoriiso.com
水揚げしてから湯通しせず
そのまま天日にて素干しにされた乾燥わかめです。
ワイルドな海味がお好きな方におススメです。
28年産
天然物 下津井わかめ
名称 乾わかめ
原材料名 わかめ(倉敷・下津井沖産)
岡山県倉敷市下津井1-9-12
吉又商店
Tel/Fax 086-479-9017
常温保存可能で
ギフトにも最適な塩蔵湯通し乾燥わかめ
徳島県
【鳴門のうず潮ゴリゴリわかめ】についてはこちらから。
http://www.sumeshiya.com/blog/2015/05/post-285.html
下津井産 めかぶ
名称 乾燥めかぶ
原材料名 わかめめかぶ(倉敷沖産)
製造販売者 (株)吉又商店 岡山県倉敷市下津井1-9-12