あおりいか・アオリイカ・障泥烏賊・Sepioteuthis lessoniana
ツツイカ目ヤリイカ科アオリイカ
アオリイカという名の「障泥(あおり)」とは馬具の一種で、馬の両腹に垂れ提げる泥除けのことです。
幅広いヒレの色や形がこの「障泥(あおり)」に似ていることから、
アオリイカと呼ばれるようになったと言われています。
アオリイカはイカ類の中でも大変美味しいので、
「イカの王様」と呼ばれています。
2023年9月11日 4時40分出港
石川県七尾市能登島(のとじま)
台風明けの無風過ぎる時間帯が多かったものの、
潮はいい感じに流れて、色々な魚が釣れました。
秋の能登島2023 アオリイカからアマダイまで
当日の様子はこちらの動画にまとめてあります。(18:15)
この日よく当たったエギはこちらと
こちら。
釣り場について、すぐにアオリイカを釣りあげる
けいじ名人。
アオリイカにスミをかけられました。
釣れない日々を考えたら、むしろ嬉しいこと。
長崎県平戸市 イサキ釣り途中でアオリイカ釣りに。
長く伸びたアカモクがあちらこちらに見られました。
餌木(えぎ)を投げて、少し沈めてエビがピョンピョン跳ねるように
アピールして、海底付近にいるアオリイカに気付かせて、
その後もピョンピョンさせては沈ませてと、
いわゆる【エギング】をしてアオリイカを釣るわけですが、
海藻だらけのこの場所で、海藻に引っ掛けないように上手に釣るのがテクニックです。
長崎大学の海藻の研究者グレッグ先生の言葉を思い出しました。
『釣り人も少なからず藻場を破壊している生きものの一つだ。』と。
この写真のように海藻に引っかかり、引き千切ってしまうことも少なくありません。
慎重に慎重にヒュッと、一投目をキャスト。
エギを沈めてー、、、ヒュッヒュッヒュッとロッド(竿)をシャクります。
エギがピョンピョンピョンと海中で動いているはずです。
すると、
ズッシリ。。。。。
うわ!! 海藻に引っ掛けてしまったか???^^;
ギューーーン!!!
え!今、引っ張ったよな!!
リールをそろりそろりと巻いてみると、
ズッシリズッシリ、ギュンギュンギュン。
これは、イカの引きだ!!
慎重に巻いていくと、
見えてきましたー!
またしても1投目での当たり!!
きたぞきたぞーーー!
ブシューーー! っとスミを吐いてきました。
海面がイカのスミで黒くなっています。
近くまで引き寄せてー、
またブシューーッ!!
そして、なんとココでも1投目でアオリイカを無事、釣り上げることができました!
エギが12cmのものなので、モンスターサイズの40cm〜50cm !!
マンモスウレピーです!^^
皆さんも続々と釣り上げています。
もういっちょ大きいのキターー!!
中型サイズも!
とってもキレイです!
急所を〆れば真っ白に。
目と目の間に急所の一つがあります。
肉厚な身は適度な弾力を持ち、旨味成分の一種であるグリシンの含有量が多く、
非常に甘みがあるのが特徴です。
刺身にすると透明な身が美しく、甘みと旨味を味わうことができます。
春から夏の間の産卵前は警戒心が強くなり、釣るのが難しいですが
産卵を前に旬を迎えるので体が大きくなり、味も抜群です。
目玉も大きく、キレイです。
北海道南部以南の日本周辺の沿岸部〜東南アジア、インド洋西部、
紅海などに分布していて、水深50m以浅の藻場や岩礁域に生息しています。
海底から2mほど上を泳いでいることが多いです。
丸みを帯びた胴の長さは35~45cm程度で、
大きいものは50cm以上となります。
重さは、大きいものでは6kg以上、全長1mにもなります。
特徴は大きなヒレ。
胴の縁に渡って半円形のヒレ(エンペラ)を持ち、
外見はコウイカに似ていますが、
コウイカのような硬い甲(貝殻)ではなく、ケンサキイカなどと同じような
薄く透明の軟甲になっています。
このヒレのおかげで、水中で自由自在に動くことができます。
基本的にオスのほうが大きく、メスのほうが小さいです。
模様もオスとメスで以下のように異なります。
オスは胴の背側に白く細長い斑点模様が散在していますが、
メスは模様が不明瞭です。
吸盤が並んだ10本の腕を持ち、
そのうちの2本の長い触腕を自在に伸縮させて、
エビ類や多種多様な魚を好んで捕食します。
繁殖の時期、オスたちは一匹のメスのために争います。
オスが1本の腕をあげ、腕の先には精子の入った小さなカプセルがあります。
それをメスの体に差し込むことを『交接(こうせつ)』という。
交接が終わるとメスはすぐに産卵します。
マメダワラの茂みの奥深くに産み付けます。
房の中に見える粒一つ一つが卵。
アオリイカの産卵は数回繰り返されます。
2,000個以上の卵を産むものもいます。
産卵から一ヶ月半ほどで赤ちゃんが誕生。
自分で房を破って飛び出ます。大きさは1.5cmほど。
産まれてすぐに、肉食系のお魚(タイやメバル)に次々に食べられてしまいます。
子供イカも生き延びるために大人と同様に墨を吐きます。
墨には粘り気があるので水中にしばらく残ります。
自分の分身と見せかけて敵の目から逃れます。
産まれて1ヶ月した秋頃、アオリイカの子供は10cmほどに
浅瀬に出てきて自分で狩りをするようになります。
幼体の時は群れていますが、成長すると群れで行動することは少なくなります。
小魚類やエビ、カニ類が大好きです。
日本古来の仕掛け、餌木(エギ)を使って釣ります。
エギを前方に投げ、
中おもりはエギの上におもりが落ちないように、真下に落とします。
アオリイカが泳ぐ層まで糸を落とします。
糸が伸びたら15秒待ちます。
その後、竿を素早く振り上げて誘います。
しゃくったあとは、糸がたるむぐらい竿を戻します。
そしたら
7,8秒待って、また竿を振り上げます。
おもりが引き上げられて、エギが持ち上がり、ゆるめることで
エギの動きがエビの動きになります。
海が濁ってきたら、ピンクなどの明るめのエギに変えます。
濁っている時のほうが釣れやすいです。
潮の流れが強くなってきたら、
長い竿を使うとエギを大きく動かすことができて、動きに変化をつけられるのでそのように釣る方もいます。
水面に近づいてくると、さらに強く水やスミを吐きながら、その勢いで逃げようとします。
目の前まできました。
またギュッと潜ります!
いよいよ、上がってきました。
取り込む際は、万が一外れてしまった時のことを考えて、
イカの進行方向側からタモ網を入れてすくいあげます。
2023年9月10日
石川県七尾市能登島にて
【アオリイカは、実は3種存在している??】
2020年3月現在
日本ではアオリイカの地域ごとの大きさや色の違い、
卵嚢内(らんのうない)の卵数などの違いから
それぞれ『シロイカ』・『アカイカ』・『クワイカ』と呼び分け、
研究者の間では別種である可能性が高いと考えられています。
産卵床(さんらんしょう)もシロイカでは浅瀬の海藻や沈木などに対し、
アカイカではやや深場のエダサンゴの間、
クワイカでは潮間帯(ちょうかんたい)の杯状の死サンゴの中など、
様々な点において異なっています。
獲れたばかりは半透明ですが、
時間の経過とともに白くなります。
アオリイカの子供
アオリイカがヒイラギを捕まえています。
獲れたてのアオリイカの皮をむいて、
アオリイカの炭火焼き
アオリイカ食べ放題は、釣り人の特権ですね。
釣ったイカは真水で洗わないこと。
調理上の注意は
イカは水を吸うので下処理中、最低限の真水にしかさらさないことです。
【アオリイカたっぷり焼きそば】
【アオリイカとイサキのパエリア】
【アオリイカと生のスジアオノリのお刺身】
【アオリイカと白小豆のチリコンカン】
チリ系料理でさえも戦えるスジアオノリの香りは、
あらゆるジャンルのお料理で有効活用できる証ですね!
無くても美味しいけど、あったほうがより美味しい。
美味しいものをさらに美味しくするって本当に凄いことだと思います。