数ある食べ物の中で命がないものは2つだけ、さてなんでしょう?
和食文化国民会議・和食文化シンポジウムに行ってきました。
東京農業大学名誉教授 小泉武夫さん
農林水産省食料産業局 食文化・市場開拓課 和食室 室長 五十嵐麻衣子さん
つきぢ田村 三代目 田村隆さん
長野県立大学 教授(食健康学科長) 中澤弥子さん
『和食』がユネスコ無形文化遺産に登録されて5年。
どこからどこまでが和食で
週にどれくらい和食を食べていて、
年に何回、和食を作っているのか?
西洋料理はソースの料理
中華料理は炎の料理
日本料理は水の料理
世界で『いただきます』を言うのは日本だけ。
世界は食材にいただきますではなく、神様に言う。
90年前は日本人は皆ベジタリアンだった。
根、葉、きのこ、青果、豆、海藻。
タンパク質の含有量、和牛も大豆も17〜18%。
世界で一番発酵食品が多い国は日本。
免疫獲得食。
大根の漬物は全国に87種ある。
沖縄県以外の46都道府県にはなれずしがあった。
日本にはチーズがなかったが、なれずしがチーズだった。
フグ毒のテトロドトキシンは、青酸カリの180倍。
世界は5味、日本は『6味』。
甘味、辛味、酸味、苦味、塩味、『旨味(Umami)』
数ある食べ物の中で命がないものは2つだけ。
塩と水。
日本のお茶だけ緑色になるのは
日本の水に鉄分が圧倒的に少ないから。
海外での日本酒造りでは徐鉄装置が必要。
江戸時代には『酒道』があった。
当時は15歳の成人式にお酒の飲み方を子供に教えた。
中国由来の旬という文字。
中国ではご褒美的位置付けの意味。
日本では安くて、美味しくて栄養がある季節のこと。
和食は季節感や味わいだけでなく、哲学性が宿る食事。
心、侘び寂び、粋、道。
日本のこうじの表記は麹ではなく、糀が正解。
中国発祥の麦こうじの麹は明(みん)の時代に消えて、
現在は、曲(こうじ)と書く。
日本の糀菌は国菌(こっきん)に指定されている。
日本以外のこうじ菌はこうじではなく、クモノスカビ。
水と空気と安全は無料ではなくなる。
カツオ節のカビは抗酸化性あり。
3,4回つけると無敵になる。
内側から水分を出して完全乾燥すれば腐らないものになる。
飢饉の絵巻。
ガリガリの人の横に、ガリガリの犬の絵。
どんなにお腹が空いても犬を食べなかった日本人。
江戸前は白身魚ばかりが獲れた、醤油を塗ると魚が茶色く汚れるから
煎り酒が流行した。
日本各地のクジラの基地近くにあるお寺では
これまでに水揚げされたクジラ全てに戒名をつけて供養し
感謝している。
和食にまつわるお話には学び、と興味ばかり。
やはり、伝えたい気持ちが動かされますし、
もっと知りたい、もっと作りたい、もっと食べてみたい
しっかり継承したい。
そんなポジティブな感情ばかりが発動します。
行事、五節供、季節、旬、粋。
海外の魅力に惹かれながらも
日本の魅力も勉強し、追求する。
これからの日本は
現代生きている我々が守らなければ
無くなってしまうものばかりです。
Let's 日本回顧。
和食文化国民会議 会長の伏木 亨さん
小泉武夫先生