すいか・スイカ・西瓜・watermelon
医食同源とは、本当に素晴らしい言葉ですよね。
僕は、スイカも自然からの美味しいお薬だと思っています。
体が熱い、のどが渇いて冷たいものが飲みたい、汗がだらだら止まらない。
そんなときには、スイカです。
漢方薬並みの効果を発揮してくれます!
というか、もはや漢方薬です。
スイカの別名は『天然の白虎湯(びゃっことう)』です。
白虎湯は体の熱を取るパワーがとても強い漢方薬です。
風邪など感染症での発熱、熱中症等での体温上昇など、
種類を問わず、体にこもった熱を下げ、体の水分量を調節して、
脱水やのどの渇きを治すといった効果があります。
蕁麻疹やアトピーなど、赤味とかゆみの強い皮膚疾患にも用いられる薬です。
スイカは熱を下げ、体を癒し、のどの渇きを潤す。
副作用のない天然の薬です。
実はスイカの赤い果肉よりさらに薬効が高いのが、白い部分です。
暑くてイライラ、尿が濃く量が少ない、むくみ、口内炎などなど。
思い当たる方は、ぜひ白いところも食べちゃってください。
基本は瓜(ウリ)なので、お味噌汁の具にしたり、お漬け物にしたりしても美味しく食べられます。
甘いスイカの、しかも皮!というイメージで食べるから変な気持ちがするだけで
その部分はウリ、と思って食べたら、ウリです。
そして、さらに薬効が高いのがスイカの緑の皮です。
スイカの皮の部分は『西瓜翠衣(せいかすいい)』という美しい名前をもつ立派な生薬です。
効能は、豊富な水分で体を潤しつつ、体液の量を調整し、尿を出す働きを助けてくれたり、
渇きを癒し、熱を下げてくれます。
腎・膀胱経の本来の働きを補助するので、脱水の心配もありません。
漢方では腎炎やむくみの治療にも用いられています。
おすすめは『西瓜翠衣茶(せいかすいいちゃ)』です。
緑の部分を薄く削って風通しのいいところで干しておくと、1〜2日でパリパリに乾きます。
これに熱湯を注いで飲むだけです。
緑茶のようにお湯を注ぎたすと、2〜3煎は味が出ます。
薬効をしっかり出したいときには麦茶のように煮出してください。
お味噌汁やスープを作る際に、出汁を取るのと一緒に煮出すのもOKです。
味はまずくもないですが美味しくもないです。
ほんのり苦味と渋みが感じられる淡い味です。
脱水ぎみの時には西瓜皮茶も美味しく感じるときがあるかもしれません。
【スイカの種について】
白い種と黒い種、何が違うのか??
実は、スイカの種は元々は全て白いんです。
途中で黒くなるものと、ずっと白い種とがあります。
スイカの種を数えてみたところ、
ほとんどのスイカが
黒い種 85%:白い種 15% の割合で入っていました。
黒い種には胚(はい)があって、受精して発達して黒くて分厚くなります。
白い種には胚(はい)が無く、受精して発達しなかったものが白のまま薄い種になります。
ということで、黒い種を植えないと芽が出ないということです。
『スイカの中で一番うまいのは、タネだよ。』次男(小2)
え ~(・・?))!!
このスイカは、熊本県植木町井上さんの大玉スイカ、品種は『祭りばやし8』です。
写真の左半分は光の加減でわかりづらくもありますが、ブルームが付いた状態。
右半分は、綺麗に吹き上げてツヤを出した状態です。
まるごとスイカの縦割り
これが井上さんのこだわりが詰まった『シャリシャリ』・『シャッリ シャリ』と口の中で弾けるピンク色のスイカです。
加工すれば、こんな感じに赤くもできますが、
本物、そのままの色が一番美しいです。
これが本当のスイ平線。
冷蔵庫にスイカがある幸せ。
スイカは中心部分が甘いので
縞模様に合わせて縦に切りはじめて
このように切っていくと均等に甘い部分が切り分けられます。
スイカのEXILE切り
スイカを横から切ることで
種を簡単に取り除くことができるという技もあります。
樋口くんが書いているこちらの記事
【スイカの切り方のコツ】がオススメです。
ここら辺までしか甘くないスイカってたまにありますよね。
そういう作り方するとそうなるようです。
せっかくならば、ここまで食べられるスイカを食べたいですよね。
しっかり作られたスイカは皮ぎわがアートでした。
生命力を感じる、動きのある脈。
スイカの種 縦切り
スイカの種 横切り
種の中にある、白い胚乳は、嫌いではない味でした。
処理次第では、料理に使えそうです。
スイカの白い部分は漬物に最適で、
皮を向いたら、塩もみするだけで、浅漬けに
醤油やポン酢で漬けて、ごま油などオイルで和えれば十分な一品になります。
お店で出すようではなく、
自宅で食べるようのスイカの白い部分なんて、
かぶりついた部分を包丁で綺麗にとらず、そのまま漬けちゃうほどのラフさ。
家族で食べる分ですから^^。
雑菌など気になる方は、かぶりついた部分を綺麗に切ってください^^。
スイカの皮を天日干しにするため、薄く仕上げます。
スイカの皮がパリパリになるまで干します。
まだまだ半乾きです。
スイカの種も干します。
この一粒の種があんなに大きく成長するのは
改めて感動的です。
いい感じに干し上がりました。
クルクルに丸まっています。
種はもう少しかな。
こちらが完成した、スイカの皮の天日干し
これをどうするかというと。
水からゆっくり煮出します。
スイカ出汁がとれたら火を止めて
スイカ茶として飲みます。
素朴でほんのり甘味があるスイカ茶は
野草茶などとはまた違った感覚で身体の中に心地良く沁みていきます。
井上さんのスイカは皮も種も大切に摂取したいので、
今年はスイカの糠漬けだけでなく、スイカの皮茶や種茶でも
身体を喜ばせています。
【月光スイカ】
【鹿児島県 喜界島の里さんのスイカ】
糸島でスイカ割り動画はこちらからどうぞ。
【スジアオノリとスイカの煮物】
自宅では、スイカの皮を剥いて、白い部分は冬瓜のように煮物にしたり、
ウリの漬物にしたりするのですが、
上品な、お出汁に生のスジアオノリを漂わせるのが、
今後の日本料理の世界に登場してくるといいですね。
写真は、しっかり冷やしたものを暑い日にいただきます。
清涼感が良いです。
【マゴチの唐揚げとスイカのお椀】
もとてもおいしかったです。
スイカの煮物の作り方は、いたって簡単です。
スイカの皮目を一口大に切り、お鍋に入れてなみなみまで水を入れます。
(自宅用ですので、面取りはしておりません。。)
火にかけて、串がスッと通るまで弱火でコトコトします。
その後、火を止めて、流水でさましてから、ザルに優しくあげて
出汁、薄口醤油、砂糖など、お好みの味付けで炊いて出来上がりです。
冷ますと、味が染みていきます。
途中、生のスジアオノリで蓋をします。(この工程は無くても美味しくできます。)
そうすると、海苔の旨味と香りが上品に移り、より美味しくなります。
柔らかく滑らかなスイカの繊維が美しいです。
幾何学で表せない模様が好きな自分としては最高のデザインです。
スイカはフルーツ、デザート、スイーツというジャンルだけでなく
【スイカ料理】というジャンルが作れるほどだと思います。
赤いところはスイーツで、それ以外はスイカ料理で! みたいな。
来年も色々スイカ料理作ってみたいと思います!^^
2023年5月
今年も井上さんのスイカが熊本から届きました!
子どもたちもここ4年でだいぶ大きくなりました。
今年のスイカの仕上がりも良さそうです!!
スイカ切り、今年は次男にお任せ。
よくそんな幅のない包丁で切ったな!!^^;
盛り付けまでがスイカ切り。
熊本のスイカ畑を思い出しながら食べるスイカの美味しさは格別です。
毎年、熊本にスイカを食べに行きたいという次男。
スイカの糠漬け
とっても美味しいので、ご自宅用にぜひオススメです。