高知県に行くと、どうしてパワーチャージされるのか?
仕事でも、プライベートでも
高知県に行くと、
どうして毎回パワーチャージされるのか?
ちょっと考えてみました。
【人が明るいから !?】
でも県民全員がそういうわけでもないでしょうし。
【地域性 !?】
確かに気温も暖かい地域ではあり気持ちも上がりますが、冬は寒いですし。
【やっぱり『食』!?】
にんにく生姜、大葉、ミョウガなどを中心とした、
たっぷりの薬味に新鮮な魚の数々、
日本一多い郷土寿司の数々、お酒、お肉、酢みかん。
そして、朝からでも昼からでも知らない方とでも誰でもいつでも同じテーブルで飲み交わす
『ひろめ市場』の文化や、お祝いの宴会『おきゃく』という文化。
答えはここにあるのかなと感じています。
高知では、
一般に結婚式やお節句、神事、棟上げをはじめ、
厄年厄除け、年季祝いや花見の宴など、
祝いの酒宴のことを【おきゃく】と呼びます。
かつては祝宴にお招きするゲストを『お客』と言っていたようですが、
いつのまにか宴そのもののことを指すようになったようです。
こうちじんは、この【おきゃく】が大好きです。
おきゃくに呼ばれるだけでテンションが上がるほど。
最初のうちは席にじっと座っていますが、
酔うにつれ、酒杯も自由に行き交う賑やかさ。
酔うていよいよ面白き。
宴もたけなわとなると、お銚子や杯を片手に提げて
お行儀悪くウロウロし始めるのが【おきゃく】の良い特徴です。
あちらこちらで土佐式の『返杯』・『献杯』を繰り広げます。
その【おきゃく】の席にはいつも【皿鉢(さわち)】(皿鉢料理)があります。
鯛の活け造りや土佐海の幸でお刺身や天ぷら、山の幸、果物から羊羹などのスイーツまでを
全て一皿に盛り付けた江戸時代から続く皿鉢料理。
高知でのある日、
僕もそんな【おきゃく】にお呼ばれしました。
自分が好きなものを好きなだけ小皿にとって食べられるというだけの意味ではなく、
どうしてこの文化が高知県に根付いたのかを、
同じテーブルの方々に聞いていると
一人の女性がこう言いました。
『女性陣がごはんの支度をして、宴会の途中で料理が足りなくなれば、
また新たにつまみを作りに台所に行って、
料理ができたらテーブルに運んでってしていると、
自分たちがゆっくりお酒を楽しめないじゃない。
皿鉢をドーーーーンと出しておけば、
前菜から副菜、メインからデザートまですべてこの一皿で済むから、
たーっぷりお酒を飲めるじゃない。』
と豪快な土佐弁で。
なるほどー!!という納得とともに、
ズカンという衝撃的インパクトが心を打ちました。
これが高知のお酒文化か。
宴会の最初のビール。
小柄な女性でさえも、中ジョッキではなく、大ジョッキだったのは
なんてことはない、高知県人だからなのか。
ちなみに、
料理の飾りに添えられた、『南天(ナンテン)の葉』や『ハラン』になぞらえて、
宴が終わっても、いつまでも残っているお客さんを
『南天組(なんてんぐみ)』・『ハラン組』と呼びます。
また、
おきゃくには『べろべろの神様』や『箸拳(はしけん)』、『菊の花』など
お座敷遊びも健在です。
高知県の食と酒の文化とともに、陽気さが全開になります。
【献杯(けんぱい)・返杯(へんぱい)】
敬意を表すため、目下の者から目上へ、
自分の杯を差し出してお酒を注ぎます。
これが献杯です。
注がれたほうは、干した杯を下へ置かず、
その杯でお返しに注ぎます。
これが返杯です。
そのため、各自がお目当の人の元へ移動する光景が見られます。
【可杯(べくはい)】
『べろべろの神様』の唄で、はやし立てながら、
コマを回し、止まった時にコマの軸が向いている方向にいた人が
コマの表になった絵柄の杯を使って飲むという宴会遊びです。
天狗とひょっとこの杯は、飲み干すまで置けない仕掛けがあります。
酢飯屋でも何度も開催している大盛り上がりイベントの一つです。
『ベロベロの神様ナイト』
【菊の花(きくのはな)】
人数分の杯を裏返しにして、
その一つに菊の花を隠します。
順番に一人ずつあけ、菊の花が入っていれば当たり!
当たった人は、すでにあいている杯の数だけお酒を注いで飲めるという
ドキドキの宴会遊びです。
【箸拳(はしけん)】
2人が相対して3本ずつの赤箸を前面に突き出し、
箸の合計本数(自分のものと相手のもの)を威勢よくリズミカルな調子で当てるお座敷遊びです。
毎年、10月1日には、高知酒造組合主催の『土佐はし拳大会』が開催されています。
また高知にいきます。