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出雲大社(いづもおおやしろ)

[神社仏閣]

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島根県出雲市(いづもし)
縁結びの神・福の神として名高い【出雲大社(いづもおおやしろ)】。
『いづもたいしゃ』ではなく、正式には『いづもおおやしろ』だということを
あまり認識されていないですよね。
地元の方々は『たいしゃ』って言われてますし、
僕もずっと『いづもたいしゃ』だと思ってました。
そして、出雲大社のお参りの仕方は、
通常の『二拝二拍手一拝』ではなく、『二拝四拍手一拝』です。
御祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)で、
広く『だいこくさま』として慕われ、
日本全国でお示しになられた様々な御神徳は数多くの御神名によって称えられています。

御本殿へは、周囲どこからでも向かう事ができますが、
正門からの正式な参拝方法を教えていただきましたのでご紹介します。

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神門通りのずっと先に見える白い鳥居が【一の鳥居】である宇迦橋の大鳥居です。
大正3年(1914)に新たな参道として整備された神門(しんもん)通りを彩るため、
また大正天皇の即位をお祝いして1915年に建てられました。
鉄筋コンクリート製で、高さは出雲大社御本殿の24mを超えない様に23mに抑えられていますが、建立当時は日本一の高さを誇っていて、中央の額だけでも6畳の大きさがあります。宇迦橋の下には堀川が流れ、ここから100m程の所に一畑電車・出雲大社前駅があります。

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出る雲と書いて出雲(いづも)。
まさに出雲らしい雲が出ていました。

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【二の鳥居】
勢溜(せいだまり)の大鳥居と呼ばれています。
大きな石碑とともに立つ高さ8.8m、横幅12mの鋼管製の大鳥居。

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この二の鳥居が出雲大社の正門です。

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鳥居をくぐってすぐの場所が
勢溜(せいだまり)と呼ばれている場所です。
振り返ると二の鳥居のずーーっと奥に一の鳥居が見えます。

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その先から参道が始まります。
神門通りの入り口にある宇迦橋の大鳥居から出雲大社本殿までは
合計4基の素材の違った鳥居があります。

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出雲大社の参道は全国でも珍しい下り参道になっています。

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【祓社(はらえのやしろ)】

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参道の右手に心身の穢れを祓い清める四柱の祓戸神(はらいどのかみ)を祀る祠がありますので、神前に至る前にここで身を清めます。

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松の参道
祓橋(はらえのはし)を渡り
【三の鳥居】をくぐると、
日本の名松100選に選ばれている松並木が続きます。
参道は中央と両側の三つに分けられ、中央は神様の通り道ということで、
昔は神職や皇族の方以外は通行できませんでした。

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三の鳥居は鉄製で、「松の参道の鳥居」や「中の鳥居」と呼ばれています。

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なるべく中央は通行せずに端を歩きましょう。

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松並木の参道をまっすぐ進み、ムスビの御神像に向かうのも良いですが、
お時間があれば参道の途中右側に見える広場のような『神苑』。
チラッと見て、そこが気持ち良く感じるようでしたら、
思い切ってそこに飛び出してみてください。
きっと自由のパワーが得られることと思います。

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神苑の右奥に進んでいくと
【杵那築森(きなつきのもり)】がございますので
ぜひお参りしましょう。
杵那築森(きなつきのもり)とは、
『出雲国風土記』(七三三)の「杵築の郷」条には、
「天の下の国造りをなされた大國主大神のお住いを、たくさんの尊い神々が
お集いになって築かれた。そこで、この地を杵築という」と、
この郷の地名由来を記しています。
この森は、その神々のお集いの故地ともいわれ、また高大なお住いの神殿造営に際して、土地・木組みを突き固めるための要具である「杵」をお住いの磐石を祈り埋納した処と伝えられています。

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そしてそのすぐ隣り、
境内の入り口手前にあたる場所には
出雲大社の主祭神、大国主大神の「ムスビの御神像」と「御慈愛の御神像」が見えてきます。

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【幸魂(さきみたま) 奇魂(くしみたま)】

時に海を照して依り来る神あり
吾在るに由りての故に汝その國造りの大業を建つるを得たり
吾は汝が幸魂奇魂なり
大國主神これ吾が幸魂奇魂なりけりと知りぬ

古事記また日本書紀に述べるところであります。
出雲大社の御祭神大國主大神は
この幸魂奇魂の「おかげ」をいただいて神性を養われ
『ムスビの大神』となられました。

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生きとし生けるものすべてが幸福になる「縁」を結ぶ
「えんむすびの神」と慕われるゆえんであります。
およそ人が人であるということは幸魂奇魂というムスビの「みたま」を
わが身にいただいて霊止すなわち人として生かされているからであります。
大神からいただいたこの「いのち」を感謝して大切に正しくこれを生かしきりましょう。

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出雲大社ではこの御神教にちなんで
『さきみたま くしみたま まもりたまひ さきはへたまへ』
と唱して御神縁を祈念いたします。
この「ムスビの御神像」は大國主大神が有難く『幸魂奇魂』を拝戴される由縁を象徴しております。

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【手水舎】
参拝者が身を浄めるために手水を使う場所で
神域である「荒垣」内に入る前に、ここで手と口を清めましょう。
様々な呼び方があります。
「ちょうずや・ちょうずしゃ・てみずや・てみずしゃ」
僕は、てみずしゃと読んでいます。

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当時29歳の岡田大介

【手水の仕方】
1 柄杓(ひしゃく)を右手に持って水を汲み、まず左手に水をかけます
2 柄杓を左手に持ち替えて水を汲み、右手に水をかけます
3 柄杓を再び右手に持ち、水を左手に受けて口をすすぎます
4 もう一度左手に水をかけ、最後に柄杓を立てて残った水で柄の部分を洗い清めます
5 柄杓を元の位置に伏せて戻します

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【銅鳥居】
四の鳥居は青銅製で、
1666(寛文6)年に毛利元就の孫の孫にあたる毛利網広が寄進したものです。
(国重要文化財)一礼してくぐりましょう。

出雲大社の鳥居は
一の鳥居は、鉄筋コンクリート製
二の鳥居は、鋼管製
三の鳥居は、鉄製
四の鳥居は、青銅製
となっています。

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2020年3月

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【拝殿(はいでん)】
御仮殿とも呼ばれます。
1963年に新築された拝殿は、戦後最大の木造神社建築といわれています。

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しめ縄が一般の神社とは左右逆なところにも注目です。

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高さは12.9mで、大社造りと切妻造の折衷様式。

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ご祈祷や奉納行事などもここで行われます。

【出雲大社での参拝方法について】
二礼二拍手一礼という参拝が一般的ですが、
出雲大社では二礼四拍手一礼をします。
境内の全ての社も同様に行ってください。

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御本殿が見えます

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【八足門(やつあしもん)】
御祭神に最も近づける門で、通常はここから御本殿を参拝します。

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御本殿と八足門の間には楼門があり、
正月五カ日は八足門が開放されて楼門前まで入る事ができます。

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八足門の目の前、足元にデザインされた丸が3個束になったマーク。
これは、古代の御本殿の柱跡を表しています。
境内の改修工事をしようと地面を掘り返した際に、当時の御本殿の柱の証拠が出土しました。
平安時代、出雲大社は東大寺の大仏殿よりも高い、
地上48mもの高さがあったといわれていました。
それを支えるために3本の丸太を束ねて柱として使っていたということです。
※出雲大社横の出雲歴史博物館で、大型の御本殿模型と、
発見された柱の実物が常設展示されています。

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観祭楼(かんさいろう)

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出雲大社末社
【釜社(かまのやしろ)】
御祭神:宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)
由緒:素戔鳴尊(すさのおのみこと)の御子神で食物をつかさどられる神様であり、全国にある稲荷社の御祭神です。十一月二十三日夜の古伝新嘗祭の終段では、この御社より奉遷された御神釜の大前にて御釜の神事が斎行されます。
祭日:三月二十八日  十一月二十三日


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奥が御本殿
手前から二つが
天前社
御向社

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【天前社(あまさきのやしろ)】
正式には【神魂伊能知比売神社(かみむすびいのちひめのかみのやしろ)】です。
御祭神:蚶貝比売命(きさがいひめのみこと)  蛤貝比売命(うむがいひめのみこと)
蚶(アカガイ)と蛤(ハマグリ) が登場!興味津々です。
由緒:瑞垣の内、御向社の東側に並び御鎮座です。
御祭神の蚶貝比売命・蛤貝比売命は、大國主大神がお若い頃に神々による多くの試練をお受けになられて大火傷を負われた時、祖神の御命により大神の治療看護に当たられた女神です。女神たちの看護によって大神は健やかなお姿に蘇られ、女神は「看護の神」と称えられています。


【御向社(みむかいのやしろ)】
正式には【大神大后神社(おおかみおおきさきのかみのやしろ)】
御祭神:須勢理毘売命(すぜりひめのみこと)
由緒:瑞垣の内、御本殿の東側に接して御鎮座です。
御祭神の須勢理毘売命は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御娘神です。
須勢理毘売命は、素戔嗚尊による大國主大神への様々な試練に際して大神を良くお扶けになられ、御心を結ばれて夫婦としての結びの盃を交わされて嫡后(おほきさき) となられました。以来、御仲も睦まじくお鎮まりになっています。

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瑞垣の外、御本殿後方の八雲山裾に鎮座しているのが
【素鵞社(そがのやしろ)】です。
ヤマタノオロチ退治で有名な素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る社です。
大国主大神の父神とされ、御本殿後方の一段高いところに祀られています。

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そのすぐ東側にパワフルな大銀杏があります。

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出雲大社摂社
素鵞社(そがのやしろ)
御祭神:素戔嗚尊(すさのおのみこと)
由緒:素戔嗚尊は三貴子(天照大御神、月読尊、素戔嗚尊)中の一柱であられ、
天照大御神の弟神にあたります。
出雲国に天降りされ、肥河上に於いて八岐大蛇を退治されて人々をお助けになり、
奇稲田姫を御妻として大國主大神をお生みになられました。

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素鵞社の御社殿の床縁下の御砂をいただき帰って御守としたり、
また屋敷の土地、あるいは田畑に撒き清めて神様のご加護をいただくという信仰が古くからあります。
方位学を超越した信仰で、この御砂で清めれば
住む場所、設置する場所、行く場所、すべてが無方位で整うと言われています。
この御砂は、ただ、いただいて帰るだけではいけません。
まず、日本海に臨む稲佐の浜(出雲大社より西へ約800メートルほど)の浜辺の砂を掻き採って素鵞社をお参りし、稲佐の浜で搔き採ってきたその砂を床縁下に置き供えて、
そして、従来からある御砂をいただいて帰るというものです。

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素鵞社の御社殿の裏側に回ると大きな岩があります。
もし、呼ばれるようでしたら丁寧にお触りいただくと良いと思います。


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裏側から見た御本殿
「天下無双の大廈(二つと同じものが無い壮大な神殿)」と称えられる御本殿は、
悠久の歴史の中でその度々の御造営遷宮と御修造遷宮を繰り返し、
今にその姿を受け継いできました。

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現在の御本殿は延享元年(1744)に御造営されており、
昭和27年に国宝に指定されました。
いなばのしろうさぎたちもいます。

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御本殿の高さは8丈(24メートル)にも及び、
"大社造"と呼ばれる日本最古の神社建築様式を今に伝えています。
その特徴は切り妻、妻入りの構造で、
平面は九本の柱が田の字型に配置された 正方形の間取りとなっています。
その中心には心御柱と称する太柱があり、
その正面向かって右側の側柱との間は板壁となって殿内が仕切られ、
この壁の奥に大国主大神が御鎮座されている御内殿(御神座)があります。

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従って、御神座は御本殿と同じ南向きではなく、西向きになります。
御内殿の前室には板壁に接して御客座があり、
天之常立神・宇麻志阿斯訶備比古遅神・神産巣日神
高御産巣日神・天之御中主神の別天神5柱の神をお祀りしており、
又、中心の柱である心御柱の近くには大国主大神の御子神である
和加布都努志命(牛飼神)がお祀りされています。

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古代には3本の大木を鉄輪で束ねて1本の柱とし、
高さ16丈(48メートル)の御本殿でありました。
写真右にあるのは筑紫社

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御祭神大國主大神のお鎮まりになる御本殿の正面は南向きですが
殿内の御神座は西向きとなっています。
昔より御参拝の皆様は大神様に向い合い御神座正面から拝しております。
先ず御本殿正面で御拝礼の後
瑞垣に沿って摂末社を参拝され、
御神座正面に当たる此の場所より
再度心を込め拝礼なさいます。
どうぞ御拝礼くださいませ。 
 出雲大社

「拝礼作法」 二拝四拍手一拝

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手前から
宝庫
氏社
西十九社

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想いが結びますように。

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左:御本殿
右:拝殿

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神牛と神馬

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神牛

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神馬

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2008年
第一子出産に向けて、
丑年で牛好きでもある、妻子の安産祈願を。

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2021年
お礼をお伝えしに。

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こちらの大注連縄(おおしめなわ)で有名な建造物が出雲大社の神楽殿(かぐらでん)です。

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神楽殿は本来、千家國造家(出雲大社宮司家)の大広間として使用されており、
「風調館(ふうちょうかん)」と呼ばれていました。

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明治に入り、出雲大社教が設立されてからは出雲大社教の神殿としても使用され、現在では國造家大広間、並びに出雲大社・出雲大社教の神楽殿として
御祈祷や結婚式をはじめ様々な祭事行事が執り行われています。

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昭和56年に出雲大社教が特立100年を迎えた折、
現在の神楽殿として規模を拡張して建て替えられました。
その大広間は270畳の広さを誇り、
神社建築にはめずらしく正面破風の装飾にステンドグラスが使われています。
神楽殿後方には出雲大社宮司家の祖先神や天満宮などをお祀りした鎮守社が並んでいます。

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正面の大注連縄(おおしめなわ)は長さ約13メートル、重さ5.2トンに及びます。

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この大注連縄は数年に一度、新しい注連縄へと懸け替えられます。

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以前はこの縄にお金を投げて刺すというスタイルが流行していました。
刺さると願いが叶うとか。
初めて出雲大社にお参りした際、僕も漏れずに投げてしまい
しっかり刺さって嬉しかったのを覚えていますが願い事は特にしていませんでした。
それで良いんです。

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神楽殿を正面から見たときに左右をしっかりと支えている柱の元からは
水が湧き出る縁起の良い仕組みになっています。

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そして、神楽殿前庭には高さ47メートルの国旗掲揚塔が聳え立ち、

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揚げられる国旗は75畳(タテ8.7メートル・ヨコ13.6メートル)の大きさです。
国旗掲揚塔の南には祓社、金刀比羅宮が並んでお鎮まりです。

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神光満殿
神の光で満ち足りているという意味です。

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2021年11月 記念写真

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2008年8月