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はこふぐ・ハコフグ・箱河豚・Ostraciidae

[料理海の生き物]

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ギョギョッ!
さかなクンさんがかぶっている帽子のモデルになっているお魚が、
このハコフグちゃんです。

動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
フグ目 Tetraodontiformes
ハコフグ上科 Ostracioidea
ハコフグ科 Ostraciidae
ハコフグ Ostraciidae Rafinesque

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可愛過ぎる口

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お目目でジロリ。

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こちらが正面からみたお顔。

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皮膚に骨板が発達し、多数が絡み合って全身を装甲する硬い甲羅を構成しています。
全体は箱状なので英語ではBoxfishと呼ばれています。
フグ科魚類と同様に体型は丸みを帯びていて、
色も美しく、体型や泳ぎの様子の愛らしさから観賞魚として飼育されることもよくあります。

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このハコフグは、ちょっと砂まみれになってしまっていますね。

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歯はフグ科やハリセンボン科、マンボウ科、ウチワフグ科のように
全部が融合してペンチ状の歯板を形成することはなく、
むしろ同じフグ目のカワハギ科などと同様で
くちばし状の吻の先端に鑿状の歯が集まった形状になっています。

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刺激を受けると
『サポニン』に類似し溶血作用のある『パフトキシン』という有毒物質を皮膚から粘液とともに分泌し、
捕食者から身を守ります。
そのため、水槽内での不用意な刺激によって毒が海水中に放出されて他の魚が死滅することがあります。
その毒で自分も死ぬことがあります。。。

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筋肉や内臓には、一般的にフグ毒として知られる『テトロドトキシン』は持ちませんが
『パリトキシン』に類似した毒性物質を体内に蓄積していることがあります。
これはアオブダイやソウシハギなどと同様に、食物連鎖を通じて蓄積されると推測されています。
この物質は皮膚から出る『パフトキシン』と違い、食用部分に存在しているので、重篤な中毒を起こす事があります。

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毒を含むことがあるぬめりを落とすため、皮をタワシなどで洗ってから調理されます。
焼くと骨板は容易にはがすことができるため、
一部の地方では昔から美味として好んで食用にされています。

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例えば長崎県の五島列島では
カトッポと呼ばれ、焼いて腹部の甲羅をはがしてから味噌や薬味を入れ、
甲羅の中で身と和える調理法が知られています。

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元は漁師料理で、現在ではお店で食べることもできます。
写真は、逗子の『izaka家 風ら坊』さんのハコフグの肝味噌焼き。
めっちゃ美味しいです。
五島列島では「米を5合食べられるほどおいしい」という意味で「ゴンゴブ」と称されています。
※食品衛生法に基づく厚生労働省通知
(処理等により人の健康を損なうおそれがないと認められるフグ21種類及び部位)では
ハコフグ(ハコフグ科)について肝臓及び卵巣、皮を食べられない部位としています。