オンライン授業
[岡田イズム]
通常ならば、先生の顔と近くの友達の顔を見るくらいで
授業は進むわけですが、
オンライン授業の画面のモードによっては、
クラスの全員の顔を見ながらの授業となるわけですが
仲良しのあの友達の顔から
大好きなあの子の顔まで
すべて見ることが可能な状態で
果たして授業が頭に入ってくるのだろうか。
しかし、
この状況でも先生の言っていることが頭に入ってくるようになるのならば、
それは人間の一つの進化の形なのかもしれない。
それは、様々な物事の動きを同時に処理出来る能力。
ながら仕事
ながら遊び
を超越した能力。
オンラインで画面を見ながら授業を受けて
片方の耳では好きなアーティストの音楽を聴いて
そろそろ出来上がりそうなカレーの臭いを嗅ぎながら、
先に出てきたサラダを食べて、
座わりながら股関節のストレッチをする。
砂浜で海風とサラサラを感じながら。
五感一つ一つをじっくりゆっくり使って感じる贅沢な時間は、どこへやら。
子供たちとこうしてパソコンを並べる日が来るなんて
想像したことすらなかった。
授業と仕事が同じ空間で行われていく。
未来の五感の価値観を想像しながら、
僕はデスクにむかい、焼けてきたパンの香りをかぎつつ、
夕食の献立は天ぷらにすることに決めている。