いごねり・イゴネリ
新潟県 佐渡名産
添加物不使用、切って味付けをしてそのまま食べられる『海藻食品』、
それが『いごねり』です。
左が『巻いごねり』、右が『角いごねり』。
僕が初めて『いごねり』と出会ったのは、2015年。
酢飯屋で開催した新潟県のイベント【佐渡WEEK & 佐渡ナイト】で
メニューに組み込ませていただいたのがご縁でした。
写真左が、いごねりの『早助屋(はやすけや)』 山内三信(やまうちみつのぶ)さんです。
その後、佐渡に何度か行く機会はあったものの、いごねりの生産現場になかなか
お伺いできていなかったのですが、
2021年2月
再び佐渡に行く機会が遂にやってきました。
佐渡(さど)は、『おけさの島』と呼ばれますが、
おけさというのは、佐渡の人ならみんな踊れる民謡で、佐渡島の盆踊りの歌のことです。
佐渡郷土伝承食品である『いごねり』は、冠婚葬祭だけでなく、毎日の食事でも親しまれている
食物繊維が豊富な『海藻練り製品』です。
ついに念願の『いごねり』の生産現場 『早助屋(はやすけや)』さんに到着です。
久しぶりの山内さんとの再会。
少しだけ髪が伸びていました。^^
本日はよろしくお願いいたします!
ちなみに、同じ場所から夏に撮影すると、
こんな感じ。
本当に海の目の前です。
まず見せてくださったのが、
いごねりの主原料となる海藻『エゴノリ』(正式名称)を乾燥させたものです。
佐渡では『イゴ草』、『エゴ』などとも呼ばれていました。
7月の終わりあたりから、お盆くらいまでしか収穫できない「エゴノリ」は、
どんな海で、どのように収穫されているのかについては
【エゴノリ】ブログでご覧いただけます。
http://www.sumeshiya.com/blog/2021/08/campylaephora-hypnaeoides.html
こんなに沢山の『エゴノリ』!!!
それもそうです。
早助屋さんの主力商品が、いごねり(エゴノリ100%)なのですしね。
30分洗浄したあと、この餡練り器(あんねりき)を使って、エゴノリを茹で、煮溶かしながら、攪拌、30分ほどよく練っていきます。
エゴノリがとれる地域によって、モチモチ具合、コリコリ具合が違うそうで
7ヶ所ほどのエゴノリをブレンドしているそうです。
エゴノリを練る→エゴを練る→イゴ練る→いごねり となったわけですね!
ちなみに、佐渡の江戸の文献にも記されているそうです。
大きな漉し網で漉して、
このドロドロのものが、いごねりの原料となるわけです。
まだ熱々です。
この工程で、溶けずに残ったり、漉しきれなかったエゴノリ以外の海藻は、
不純物として取り除きます。
この後、熱々のトロけたエゴノリが冷めないうちに
すぐとなりの加工場に運びます。
あの透明な長い板に、
おたまですくったドロドロのエゴノリを
薄く延ばし広げていきます。
こんな感じです。
それを、いごねり職人さんたちが、サササササササーーーーッと
さらに薄く、均等に延ばしていきます。
そして、すかさず後ろの棚に並べ、冷まし、固まるのを待ちます。
ここにある全てのいごねりがスターティングメンバー。
その時を静かに待ちます。
そして、冷め、固まりました。
ちなみに、4kgのエゴノリから60kgのいごねりができます。
この薄く固まった天然の海藻ゼリーを
クルクルくるくる丸めて切る。
クルクルくるくる丸めて切る。
作業中、目視で確認し異物があればすぐに除去します。
クルクルくるくる丸めて切る。
クルクルくるくる丸めてーーーー、
切る!!
切ったいごねりを
パックや、
バットに入れていきます。
丸めて切り分けることで、商売の際に数えやすく、受け渡ししやすかったことが
丸める理由とおっしゃっていました。
綺麗に年季が入った早助屋バット。
ぷるっぷるで美味しそーー!
THE 水溶性食物繊維!!
食品を目の前にして言うのもなんですが
お便秘の方、ぜひぜひ毎朝食べてみてください!!
こうして、パックに入り『巻いごねり』という商品が完成となります。
ちなみに、薄く延ばさず、そのままパックに入れて固める
『角いごねり』という商品もあります。
【巻きいごねりと角いごねりの違い】については、このブログの後方に続く、
いごねり観察のあたりに記しておきます。
ここまでの一連の流れを動画で見たい方のために
簡単な編集動画をご用意いたしました。
以下をクリックするとご覧いただけます。
山内さん、ご丁寧にご説明ありがとうございました!
すっかり、いごねりのファンになってしまいましたので、
しっかりお広めするお手伝いをさせていただけたらと思います!
こちらの写真は2021年7月21日
シーベジタブルの共同代表二人と早助屋さんにて。
【株式会社早助屋(はやすけや)】
住所:新潟県佐渡市沢根炭屋町37
電話:0259-52-6577
ホームページ: http://www.igoneri.com
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新潟県 佐渡名産
添加物不使用、切って味付けをしてそのまま食べられる『海藻食品』、
それが『いごねり』です。
左が『巻いごねり』、右が『角いごねり』。
いごねりの作り方は、
まず原料の『エゴノリ』を水に入れて煮込み、漉します。
そのあと、『角いごねり』は熱いまま容器に入れシールしますので、長持ちします。
『巻いごねり』は漉した後、薄い板にのせて伸ばし、自然に固まるのを待ちます。
それをくるくる巻き、袋に入れてシールします。
こちらの方が空気に触れている時間が長くなるため『角いごねり』よりも賞味期間が短くなっています。
原材料は『いご草』100%。
いご草の正式名称は『エゴノリ』。
薄く伸ばしてから巻いた『いごねり』が一袋に2本入っています。
保存方法は、5度以下で要冷蔵
※冷凍すると食感と風味が損なわれてしまいます。
『角いごねり』(内容量:1パック250g)は、島外では『エゴ』と呼ばれたりしています。
裏から見るとこんな感じ。
いごねり、えごのり、えご、何がなんだか、こんがらがりませんように。
横から見るとこんな感じ。
厚さは3cm弱ほど。
巻いごねりも角いごねりも原料は全く同じですが、
食感も風味も違い、食べ比べが面白いです。
慣れてくると、用途によっても使い分けできるようになってきます。
『いごねり』の100gあたりの栄養成分は
エネルギー 8kcal
たんぱく質 0.4g
脂質 0.1g
炭水化物 3.6g
ナトリウム 12mg
食塩相当量 0.03g
となっています。
【巻いごねり】を
じっくり観察していきましょう。
くるくる巻いてあるのがよくわかります。
しっかりと巻き込んであります。
ツヤツヤぷるぷる。
こんなお肌になりたい!
こちらは、流通過程で巻きが緩んでしまったもの。
全く問題ございません。
フォーリナーだけでなく、日本人でも、いごねりを知らない方が
これを見たら、一体どんな食べ物なんだろう?と思いますよね。
接写していくと、その全容が見えてきました。
何がどうなっているのか?
エゴノリが溶けて、切れて、固まってるんです。
『巻いごねり』を広げてみるとこうなります。
普段、巻き寿司で使う海苔(のり)も海藻ですし、
刻んで板状に広げたりしますので、
透明感のある、ぷるぷるした海苔みたいな感じです。
寄っていきます。
白いお皿の上にのせて、太陽に当てるとこのようなオレンジ色に見えますが、
室内で見ると実際はこのような色をしています。
お皿から持ち上げて空中で透かして観察していきましょう。
いごねりのカーテン。
細かく溶け千切れているエゴノリと、まだ少しだけ形状を保っているエゴノリ、
エゴノリ以外のものであろう、海藻も見られます。
異物と思わず、オマケ海藻として一緒に食べちゃいましょう。
like a 釜揚げしらすに混ざった小エビ
細かな気泡もあいまって
素敵なガラス作品のようにも見えます。
影ってもこの美しさ。
再び器に。
再び寄っていきます。
やはり空中のこの透明感綺麗だなー。
器の上でもどうにかこの透き通る感じ再現できないかなー。
透明な器に盛り付けて、透明なテーブルで、空中で食べれば、、、、。。。。。^^;
【巻いごねりの切り方】は自由です。
くるくる巻きのままブツ切りにしてもカワイイです。
一度開いて、半分に折り畳んで細切りにすると、調味料などとさらに絡まりやすくなります。
次に、【角いごねり】を
じっくり観察していきましょう。
パックの跡がまたキュートですよ。
見よ、この角いごねりの神々しさ。
真上から。
寄っていきましょう。
ミタメカラシテ、食物繊維たっぷり!!
【角いごねりの切り方】も自由です。
羊羹(ようかん)のように
贅沢に分厚く切るもよし
Dice cut にするもよし
おでんコンニャク切りにするもよし
【おきゅうとといごねりの食べ比べ】
左:おきゅうと
右:いごねり
どちらが美味しいとかではなく、食文化や個人の好みによることが大前提です。
九州の方は、いごねりは田舎臭い、海藻臭い、おきゅうとはサッパリしていて品がある
と良い、
新潟の方は、おきゅうとは香りが薄い、味も薄い、いごねりはエゴノリを贅沢に100%使った
元祖だと言う。
全ては、好みです。
おきゅうと・オキュウト
いごねり料理、いごねりレシピは無限大です。
出会ったり、作ったりしたいごねり料理を以下に記録しておきます。
【いごねりとクルミのカツオ味噌寿司酢和え】
ややこしい名前になってますが、
麦味噌とカツオ節を油で炒めた『カツオ味噌』と『寿司酢』を混ぜたものを
切ったいごねりに和えて、砕いたクルミを混ぜて食べると美味しいです。
【いごねりの卵かけごはん】
食物繊維も一緒に摂れてしまうワンランク上の卵かけご飯です。
まったく違和感なく美味しくいただけます。
【いごねりと納豆のキャベツサラダ】
毎朝食べたい美味しさです。
【いごツナ】
当たり前のように寄り添う組み合わせです。
【いごねりのきなこ巻き 黒蜜仕立て】は、定番の美味しさです。
巻いごねりを開いたところに、たっぷりのきな粉を振ります。
あとは、巻き直していくだけです。
お皿に黒蜜を敷いて、ブツ切りにしたきな粉いごねりを盛り付けて完成です。