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えごのり・エゴノリ・恵胡海苔・Campylaephora hypnaeoides

[乾物海の生き物海藻]

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イギス目
イギス科
エゴノリ属
エゴノリ

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2021年7月21日
新潟県佐渡市

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おばあちゃんと孫たちの、のどかな風景にいやされる港にて

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佐渡の郷土料理「いごねり」の原料である「エゴノリ(海藻)」が
どのような場所で、どのようにとられているのかを見に行ってきました。

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この長い竹竿のようなものは一体?

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船には、たくさん並んでいます。

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何釣りですか?

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というのは冗談で、
この道具、先がこのような形の鉄になっていて
これで海底のエゴノリを引っ掛けて絡めて収穫するのだそうです。

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木の節の枝分かれを利用して作られた道具もありました。

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たしかに、しっかり海藻絡めて取りやすそうな形状です。
他にも、エゴノリの収穫方法として、海女さんが潜ってとったり、鎌で刈ったり、浜にあがったものを集めたりもあるそうです。

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二股銛(ふたまたもり)や手鉤(てかぎ)なども標準装備していました。

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というわけで、第三栄福丸に乗って、エゴノリ漁に同行させていただきました。

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本日、エゴノリ出漁中の目印。

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大小さまざまな岩場のある環境

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晴天、凪。

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エゴノリ漁にはベストな日だったようです。

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港から10分ちょっと、

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まもなく、天然のエゴノリが生育している漁場に到着です。

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すでにたくさんの船が出て、エゴノリ漁を始めているのかと思いきや、

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漁の開始時間の規定があるようで、良い場所を確保して待機している感じでした。

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指定の時間になり、一斉にエゴノリ漁スタート!

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大きな箱メガネで海底にあるエゴノリを探します。

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こちらが箱メガネ(長方形型)

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かなり大きいので、海中もとても見やすそうです。

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色々な海藻が生えていて、
素人目には判断が難しい海の中。

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モサモサっとしているあれがエゴノリです。
わかりますか?
ちなみに、モズクなども同じ生息域で生きています。

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長い木の棒を巧みに操って、海底で塊になっているエゴノリを引っ掛けていきます。

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海中を除いている途中で、太陽に雲がかかると、

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一瞬でこんなに暗くなり、透視度が悪くなります。

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それでもさすがの漁師さん方、

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あっさりとエゴノリを収穫していきます。

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こちらは別の漁師さん

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みなさん、同じ手法でエゴノリを収穫しているように見えますが、
きっとそれぞれでこだわりや、秘密のコツがあるのでしょうね!

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佐渡の海は、本当に海藻が豊かですね。

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収穫したばかりのエゴノリがこちらです!

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体は細い円柱状で、叉状に各方向に枝分かれして伸びています。

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長い枝の先が鈎状になっていて、一見アニサキスの形状に見えてしまったのは
職業病ですが、

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これがホンダワラ類などの海藻に絡みついて塊になりながら生育します。

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色は紅褐色ですが、

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生育中に、日に多く当たったものは黄色くなります。

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手触りは柔らかめですが、古い個体は軟骨質になります。

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一般的には「えご草(ぐさ)」と呼ばれて寒天原料になったり
煮溶かして固めた佐渡の「いごねり(えごねり)」やイギスと混ぜて溶かした福岡の「おきゅうと」などになります。(※製造メーカーによって、使用海藻や割合が異なります。)
同じイギス目イギス科に属するイギス (Ceramium kondoi) や
アミクサ (Ceramium boydenii)を煮溶かして固めたもの (いぎす豆腐など) が食用とされています。
「おきゅうと」の配合品として用いられることもあります。
また名前が「エゴノリ」と似た「オゴノリ」(オゴノリ目) は全く別の紅藻で、
刺身のつまなどに利用されています。

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今回、エゴノリ漁を見せてくださった漁師さんと
いごねり製造元の「早助屋(はやすけや)」の山内さん
生産者と製造者の情報交換は大切ですね。

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収穫してきたエゴノリは、こちらですぐに乾かすのではなく、

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不純物を、目視で手作業で除去する工程があります。

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海の中で生育した海藻を、そのまま収穫してきただけですから

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色々な生きものや不純物が付いています。

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ここから、ひたすら不純物を取り除いていかなければなりません。

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不純物は隣りのカゴへ、
綺麗になったエゴノリは少しでも陽の当たるところに置いて
乾燥を早めます。

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こちらがエゴノリ以外の不純物。
種類の違う硬めの海藻や、木くず、生きものの棲家など。

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しっかりと不純物をとったつもりでも、流石に多少は残ってしまいます。
このあと乾燥させてから加工会社に納品するにあたり、
不純物が極力少ないほうが好まれますので、可能な限り取り除いてらっしゃいました。

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ここでの丁寧な手仕事が、「いごねり」への加工をスムーズにするわけです。

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これを天日で乾燥させていきます。

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エゴノリ同士の全ての絡まり方、色バランスが異なるので
どの写真を見ていても飽きがきません。

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夏の佐渡で見ることができる風物詩です。

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しっかりと乾燥したエゴノリは、くるりとまるめられて出荷されていきます。

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こちらは2022年7月24日
佐渡島内の別の場所にて

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エゴノリの天日干し風景を見ることができました。

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作業場を覗いてみると、
不純物の取り除き作業を皆さんでされていました。
今年は豊漁だねー。
とのこと。

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満遍なく広げて

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どんどん干していく、おかあさんたち。

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良い天気と高い気温。
あっという間に乾いていきそうです。

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紅いエゴノリと黄色いエゴノリが半々くらい。

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海中で生育中に陽にたくさん当たったものが黄色くなると言われていますが
比率的に、実は雄雌みたいな違いとか、そもそも種類が違うとか。
本当に全て同じものなのかなー。と考えてしまいます。

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こちらは、もうカラッカラに乾いています。
そろそろ出荷かな?

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ここからは、
「エゴノリ」が「いごねり」に加工されていく様子を
【早助屋】さんが包み隠さず、全行程を見せてくださいましたので
こちらからご覧ください。

【いごねり・イゴネリ】 ブログ
http://www.sumeshiya.com/blog/2020/09/post-6350.html


【動画】
新潟県 佐渡の郷土食
『いごねり』の早助屋(はやすけや)さんにて
いごねりの作り方、製造工程の一部を撮影させていただきました。