京都「 餅武 (もちたけ)」のあられ
飛行機が飛ばない!?
そうだよな、この暴風では仕方ありません。
しかし、今回は旅行ではなく仕事。
翌日早朝から動くため、前日入りは必須。
2秒で、陸路で向かう判断をする。
手厚過ぎるほどの航空会社さんからのフォローに感謝し
スケジュールは大幅に変更しながらも
この不運はきっと幸運へのメッセージだと
いつも通り前向きに切り替え新幹線乗り場へ走った。
京都経由で向かうのが最短か。
今夜の予定を諦めれば京都で3時間は時間が作れるな。
!!
僕は閃いた。
京都駅から近い距離で会いたい男がいたんだ。
次回京都に行ったときにと思っていたけれど
それは今日のことなんだな。
京都へ向かう新幹線の中から彼にメッセージをする。
『急すぎて申し訳ないのだけど、もしタイミングが合えば今日のお昼ご飯しない?』
数分後には、OKの返事がきていた。
空路ではなく、陸路にして大正解だったと、
もう僕の頭の中は飛ばなかった飛行機のことなど、なんのストレスでもなくなっていた。
嬉しすぎてだろうか、
新幹線モーニングとして選んだ【初屋はかたろう】の「よだれいなり」が
いつもよりびしょびしょに感じた。
さて、京都である。
タクシーなら数分で到着する距離でも
歩きたくなるのが京都である。
目的地に到着。
「武保あられ」を製造する武中製菓(株)
2022年2月 京都府京都市下京区
会いたかった男とは、武中俊樹(たけなかとしき)くん。
武中くんと出会ったのは、2013年8月
築地場外市場にあった山口県「萩と宇部のおいしい魚屋 Bucchi-ine(ブッチーイネ)」でした。
以前、山口県宇部市にて「ハモ漁」に同船させてくださった村上幹男さんの神経締めのハモを仕入れたくて、通っていました。
社会人になりたての武中くんのキラキラとした品のある接客は今でも覚えています。
家族で池袋に買い物に行った際に、西口公園だったかで催事をしていたところで
武中くんと遭遇。その時の記念写真(2014年4月)
地元京都でお父様が作ったあられを息子が担いで東京に初上陸というタイミングでした。
武中製菓 三代目
彼はもう、ハモのお兄さんではなく
早い段階で家業を受け継ぎ、本腰を入れ始めていました。
またご縁があるといいね!とお別れし数年の月日が経ちました。
さて、京都である。
僕は合同会社シーベジタブルのCKO(Creative Kaiso Officer)でもあるので
シーベジタブルの海藻を、あられに使ってみるのは絶対美味しいものができると思い、
武中くんに提案したところ、すぐに海藻の特徴を理解し
2種類の海藻を使用したあられの試作に取り組んでくれました。
生地に練り込み焼いても香りの残る、熱に強い特徴をもつアツバアオサと、
アオサとは角度の違う香りと旨味が特徴的なスジアオノリを仕上げにまぶすという
絶妙な2種の青のり使いのテクニック。
僕は、その製造現場や作り方を見ないと気が済まない人間なので
京都に行く際には、必ずお伺いしようと思っていたのです。
そもそも
【せんべい・あられ・おかきの違い】 とは何なのか?
お米から作るお菓子「米菓(べいか)」は、
大きく分けると『せんべい』・『あられ』・『おかき(かきもち)』の3つに分かれます。
その内、『せんべい』は「うるち米」が原料で、蒸して練ってからすぐに成型して作ります。
『あられ』と『おかき(かきもち)』は「もち米」が原料で、蒸して練った生地を冷まして固めた後に切断し成型して作ります。
サイズの小さいものを『あられ』、大きいものを『おかき(かきもち)』と呼びます。
それを踏まえて、以下『あられ』の作り方について
店舗のすぐ隣りに、製造所がありました。
1階 2階 3階と製造工程が分かれていてそれぞれの階に年季の入った
専門の機械や道具がどっしりとこちらを見て構えていました。
1階では、ちょうど蒸したての餅米を搗いているところでした。
武中くんのお父様(武中製菓二代目)が快く見せてくださいました。
この時は、黒豆のあられの製造のタイミングでした。
煎った黒豆を蒸した餅米に混ぜてドッスンドッスン。
こちらは上の階
その後、型取り・冷却・切断・削りなどの工程を経て
乾燥させられた状態がこちら。
ん??
これはもしや!?
シーベジタブルの青のり(アツバアオサ)が練り込まれたあられじゃないですか!!
これが見たかった。
上階には、古くから使われてきたあられ専用の製造機器が
今も現役でバリバリ動いていました。
製造機器マニアさんにはたまらないものばかり
歯車ファンの皆様お待たせしました。
こちらが、あられを焼き上げる機械。
焼き上がったあられがこちら!
(シーベジタブル 青のりだし醤油あられ)
急な連絡にも関わらず、全てを丁寧に説明してくださった武中くん。
ありがとうございました!
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そして、
三代目である武中くんが新たに作ったオリジナルあられブランドが
【餅武(もちたけ)】です。
ホームページ:https://mochitake.theshop.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/mochitake.kyoto/
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こちらが2022年4月時点での餅武商品の全ラインナップ6種です。
左から
京丹後 琴引の塩
シーベジタブル 青のり塩
澤井醤油本店 玄米だし醤油
シーベジタブル 青のりだし醤油
澤井醤油本店 再仕込醤油
有田川町 山椒たまり醤油
餅武シリーズの原材料に使われているベースとなっている餅米(もちごめ)は、
京都府亀岡市産の新羽二重餅米です。
左が餅武の大定番である「京丹後 琴引の塩」
右が「青のり塩 練込&まぶし」
三重県尾鷲市産 シーベジタブルのアツバアオサを生地に練り込み、
スジアオノリをまぶして絶妙な風味に仕上た一品です!
器:和田山真央さん
左が餅武シリーズで人気の「玄米だし醤油」
右が「青海苔だし醤油 練込&まぶし」
シーベジタブルのアツバアオサを生地に練り込み、スジアオノリをまぶした
だし醤油と青のりの相乗効果的美味しさを感じられる一品です。
器:春慶塗りの丸皿
何度も何度も何度も何度も、試作を繰り返し完成した
餅武のあられとシーベジタブルの青のりが両方(アツバアオサ&スジアオノリ)味わえる
2種類のあられです。
以下、
餅武定番ラインナップを解説していきます。
餅武(もちたけ)
【京丹後 琴引の塩】
餅米と海塩と米油だけで作られた、極めてシンプルで美味しいあられです。
器:二階堂明弘さん
餅武(もちたけ)
【澤井醤油本店 玄米 だし醤油】
新羽二重餅米 玄米5分づきと
京都市上京区 澤井醤油本店のだし醤油を使用して作られた
子供たちにも大人気のあられです。
器:村上祐仁さん
餅武(もちたけ)
【澤井醤油本店 再仕込醤油】
餅米と再仕込醤油と塩だけで作られた
醤油とあられの良い特徴を存分に感じることができる一品です。
器:村上祐仁さん
餅武(もちたけ)
【有田川町 山椒たまり醤油】
京都市上京区で製造されているお醤油に
和歌山県有田川町遠井産の山椒実
食塩と砂糖で作られた、シンプル材料なのに美味しく山椒がピリピリとしっかり効いたあられです。
器:樋口早苗さん
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こちらのラインナップは毎年冬〜春にシーズン限定で販売される
【Take a nap Crackers(テイクアナップ・クラッカーズ)】
左から
nap rice
rice soysauce
rice sansho
rice brown
〈※Take a nap Crackersとは〉
2017年、京都下京区のあられ屋「餅武」が立ち上げた新しいブランドです。
イラストレーターのYumi Taniguchi氏の描き下ろしイラストによるオリジナルパッケージが
目を引きます。
Instagram:https://www.instagram.com/takeanapcrackers/
イラストレーターのYumi Taniguchi氏と京都の和菓子屋「藤兵衛庵」のコラボ企画商品
しっとりクリームを手でひとつずつ煎餅で巻いた「ぶぅけ2種類」
器:萩原将之さん
イラストレーターのYumi Taniguchi氏と京都の和菓子屋「方寿堂」のコラボ企画商品
神社仏閣の菓子を引き受ける 半生菓子2種類
器:都築明さん
イラストレーターのYumi Taniguchi氏と京都の和菓子屋「大文字飴本舗」のコラボ企画商品
高温直火で作る飴屋の飴6種類
イラストレーターのYumi Taniguchi氏と京都の茶農家「加茂自然農園」のコラボ企画商品
ほうじ茶 それぞれのお菓子を一つ一つ味わうためには必須です!
コップ敷き:藍染絣工房さん
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餅武(もちたけ)
【黒豆 琴引の塩】
不定期(主に12月・1月)で販売されるオススメの一品です。
京都府亀岡市産の黒豆の食感と香りが贅沢な
あられと煎り黒豆の2つを同時に楽しめる一品です。
器:中野知昭さん
餅武(もちたけ)
【だし柚子胡椒】
12月〜3月の間くらいに限定販売される商品です。
柚子胡椒の程よい香りと辛味があられと相性抜群な一品です。
器:和田山真央さん
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「餅武」のベースである〈武保あられ〉さんにも
たくさんの種類のあられが販売されています。
こちらはひなまつり前に販売されていた
【ひなあられ】
器:春慶塗りの梅皿
国内産水稲餅米に
麦チョコ、食塩、醤油、サラダ油、海苔、胡麻、海老
ピンクは紅麹で色付けされています。
【武保あられ】
住所:京都府京都市下京区西七条西八反田町145
ホームページ:https://takehoarare.base.ec/
【餅武(もちたけ)】
ホームページ:https://mochitake.theshop.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/mochitake.kyoto/