魚が左向きの理由
なぜ、魚は左向きに並べられるのか?
日本の伝統的な考え方で、
左側を上位とする「左上位、左優位」というの考え方がありましたが
魚についても、その流れをふまえて尾頭付きの魚料理などは
基本的には左向きで供されて、「魚は左向きが正」という観念が定着したというのが理由です。
ですので、
海外の魚図鑑は左右決まりがなく、魚の頭が右向きのものもたくさんあります。
こちらは、フランス人の方からプレゼントでいただいた
フランスの魚図鑑です。
表紙が早速右向きパターンです。
ページをめくるとやはり右向きです。
しかし、中身を見ていくと、左向きの魚がたくさん出てきます。
規則性をあまり感じません。
こちらは、香港に行った際に購入した、香港の魚図鑑です。
表紙は左向きですが、
ページによっては左右両方のページがあったりして
やはり日本ほどの規則性を感じません。
市場や魚屋さんなどでも、「魚は左向き」の考え方が受け継がれているため
上身(うわみ)と下見(したみ)という言葉もあります。
僕が寿司修行中に教わったことの一つに、
『買った魚は、下見から使え。』があります。
市場でも魚屋さんでもずっと頭を左に置かれていた魚は
上身(見えている側)に比べ、下見(文字通り下側で見えていない部分)のほうが
身が弱ってしまっていることが多いです。
それは、上身の重みと容器や氷の間でずっと圧がかかっていたからです。
魚の切り身やお刺身を見た時に、上身か下身かがすぐに判断できると
より良い魚を手に入れることができますよ。
ちなみに、釣ったお魚を写真で撮影する時にも
職業柄、ついつい左向きを意識して撮影してしまいます^^;