牛のミスジ
「ミスジ」の仕込みについて、苦手でない方のみ以下ご覧ください。
三筋と書いて、みすじ。
牛の腕(前足の肩)の部分です。
名前の由来は、三つの筋(すじ)があるから。
・骨肌と下部に付いている筋
・脂と一緒に付いている筋
・真ん中の1本筋
1つ目の筋【骨肌と下部に付いている筋】
骨肌、骨側に筋を付けず、敢えて身側に残すことで肉の酸化を防ぐ意味もあり
このように筋がドカっと残してあります。
筋を引っ張りながら包丁で削ぎ取っていきます。
大きな筋が取れました。
下部の筋も取り除いておきます。
ひっくり返すと、
2つ目の筋【脂と一緒に付いている筋】が現れます。
脂も筋もどちらも白いのでパッと見ではわかりづらいかもしれませんが、
手で触れば簡単にわかります。
包丁を当ててみても明確にわかります。
左が脂、右が筋ですね。
脂を剥がしたところに筋が出てきます。
脂だけ先に外して、筋を丁寧に取るもよし、
脂と筋を同時に外して、あとから脂と筋を分けるもよし。
3つ目の筋【真ん中の1本筋】が見えてきました。
【脂と一緒に付いている筋】も取り除くことができました。
3つの大きな筋以外にも細かな筋が数本ありますが、
加熱すれば問題ないほどの筋です。
ミスジの中にさらにコサンカク(小三角)という部位があります。
写真中央の筋の左側部分です。
指を入れるとズリズリと
左右の肉をある程度剥がすことができます。
筋を取り除くと、
コサンカクをさらに2つに分けることができます。
右がコサンカク、左がコサンカクノコ(小三角の子)です。
コサンカクは1頭から2,3kgしかとれないなかなかの希少部位です。
脂よりも赤身多めのさっぱりした焼肉に向いています。
コサンカクノコ(小三角の子)は、超超希少部位で一頭から300g前後しか取ることができません。
焼肉向きの柔らかな赤身肉です。
3分の2は筋が真ん中にあってもステーキで食べられる柔らかさなので
思い切って切り分けます。
この真ん中の筋、ステーキで焼けば噛み切れるレベルです。
ここもステーキで大丈夫。
太い筋に見えますが、加熱すれば口に残るような筋ではありません。
ここもまだステーキでいけます。
写真の右側あたり、ここに少々硬めの筋がこのあと現れてきます。
写真の右側3分の1くらいがステーキよりは焼肉がオススメです。
切った断面によっては、筋の見え方が違うので、太い筋が硬いようにも思えてしまいます。
少々硬めの筋が現れました。
「筋肉」と書くと「きんにく」と読んでしまいますね^^;
「すじ肉」です。
コラーゲンが多く含まれる牛のすね肉やすじは、煮込み料理に向いています。
80℃付近で加熱し続ける事でコラーゲンがゼラチン化して柔らかくなります。
ミスジのステーキ
ファームベジコさんのお野菜と
シーベジタブルの海藻が彩りを添えてくれます。
ミスジらしい、中央の筋ラインのあるステーキ
酢みかんも添えて
実はこの牛さんのお肉、ただの牛肉ではないんです。
群馬県渋川市「石坂牧場」の恵美さんが育てたエミート。
その名も「千歳(ちとせ)」ちゃんです。
この牛が産まれた2013年7月26日に、
うちの次男「千歳」と同じ名前を付けさせていただきました。
詳しくはEmeatにっきよりご覧いただけます。
http://blog.gunma-emeat.com/?cid=8
赤ちゃんだった、うちの千歳も9歳になりました。
「千歳 × 千歳」 が本当に実現できるなんて、
石坂牧場さんに感謝しかありません。
食材魂(しょくざいだましい)ここにあり。
Emeat物語は、ずっと続いていきます。