余呉湖(よごこ)・Lake yogo
[記録]
2023年8月29日
滋賀県長浜市
快晴の空に急ぎ足で昇る日の丸で目覚めた朝。
たった5分ほどの朝風呂を浴びて、目の前の余呉湖(よごこ)まで歩き、
深呼吸よりもふか〜く深呼吸。
今日も稲穂は、自身を完成させるために
微調整をして、上から下から朝ごはんを食べている。
まるで、
『余呉湖に癒されていきなさい。』とでも言われているかのように
夏の終わりの優しい風で揺れる稲穂が
その香りをたっぷりとプレゼントしてくれた。
昨夜の発酵晩餐会をともに楽しんだ水谷さんとは
席が離れていたこともあり、ゆっくりとお話しができませんでした。
そんな水谷さんと早朝、まだシンとしたの宿でバッタリと出会い
今朝の湖までご一緒してくださった彼はもう70歳を超えているという。
世界90カ国以上を飛び回って仕事をしていたバリバリの商社マンだったからだろうか、
全くその年齢を感じさせないシャンとした立ち振る舞い。
『もう少しだけ歩いて宿に戻りますか。』
初めてお会いした方とは到底思えないほどの相性の良さを感じるのは僕の勘違いで、
水谷さんの自然体から出るコミュ力の高さがそう思わせてくれているのでしょう。
もっと水谷さんのお話を聞いてみたいな。
そう思っていた最中、現れたこの看板。
【県道532号 余呉湖線】
どうやら、余呉湖をぐるりと回る道路で
一周 約6.8km と。
こんな綺麗で、気持ち良い朝の余呉湖を目の前にして
もっとお互いお話ししたいことも相まって
二人は朝食開始時間の8時までのタイムリミットを逆算し
1kmをどのくらいのペースで歩けば良いのか、
なんとなく数字が出揃ったところで
『一周、行っちゃいますか!』と即決。
朝風呂上がりさっぱりとした体でまた汗をかいて
再び朝風呂を浴びればよいだけの話。
ということで、水谷さんと僕の余呉湖一周散歩が始まりました。
景色が綺麗過ぎて、8割、目線が左に向く余呉湖畔。
一般的な成人男性の中では、比較的歩くのが速いタイプの僕ですが
その倍くらいの速さでスタート。
70歳の水谷さんのペースを考えながら臨機応変に歩こうと
目線を前にやると、
僕のさらに倍ほどのスピードでギュンギュンと歩く70歳のおじさまが!!^^;
競歩選手ですか!??
普通そんなに早く歩けます???^^;
驚きの速さで歩く水谷さん。
70歳なのに凄い速い!というわけではなくて
そもそも、人として凄い速い!
僕は普段使ったこともない自身の足のギアを
一気に2段上げて、
まさかの水谷さんを追いかける形になりました。
車はもちろん、自転車でも感じることが出来ない徒歩での魅力の一つが「瞬間景色」。
この速さで歩いていると見逃してしまいそう。。。
景色を欲張る癖のある僕は、そんなことを思いながら
歩きながらシャッターを切っていると。
少しスピードを緩めてくださる水谷さん。
欲張らなくていい。
景色なんて、見逃したっていい。
そんな気持ちがだんだんと自分の中にわいてきました。
しかも、今はこのスピードで歩かなければ時間に間に合わないのだから。
余呉湖の遊漁規則(抜)
これは読みたいけれど、写真でのちほど!
ここで一度スピードをグンと緩めて、休憩徒歩。
新たに現れた看板を見ると残り約4.8kmほど
二人で時計を確認すると、かなり良いペースで進んでいる。
たかだか一周6.8kmだ。
とはいえ、初めて歩く道。
最後までどんな過酷な状況が待っているかもわからないので油断は禁物。
賤ヶ岳(しずがたけ)
切通しと七本槍古戦場の看板
水谷さんが足を止めた!
目の動きから、看板の文字を速読しているのがわかる。
僕も読み始める。
合戦があったこんな歴史的場所を平和に歩いて立ち止まれる余裕がある世の中なだけで、
本当に幸せなことである。
僕が半分も読み終わる前に、水谷さんはもう歩き始めていた。
賢い人ってこうだよな。^^
僕は賢い人が大好きだ。
賤ヶ岳(しずがたけ)1.5km
飯浦越切通し
水谷さんが止まっている。
僕の気持ちも行きた過ぎる傾向。
たださすがに時間が足りない。
次回行きましょう!
と目だけで確認し合えるのは
やはり水谷さんの成熟した包容力が滲み出て感じれるからだろう。
起伏が少なく、平坦な道が続く
とても歩きやすい中部北陸自然歩道。
何やら漁仕掛けのようなものが気になって仕方がない。
だんだんと気温が上がってくるのを体で感じることができる。
ん?
何か動いた!
野生のリスと目が合った水谷さんは
リスが立ち去るまでの30秒間、足を止めた。
対岸に見える宿がゴール地点。
終わりがあるから頑張れる。
ゴールが見えるから安心できる。
いつ終わるかわからない、ゴールは特別決まっていない
そんな人間の人生観とは異なる運動という活動は
わたしたち動物にとっては、やっぱり気持ちの良いことです。
岩崎山の大岩
改めて余呉湖の遊漁規則(抜)
たっぷりの稲穂で始まり
たっぷりの稲穂で終わる。
水谷さんとの約1時間ほどの余呉湖一周散歩は
人生の尊さまでも感じることのできる
特別な60分となりました。
ありがとうございました。
さあ、朝食会場へ向かいましょう。