さくらます・サクラマス・桜鱒(やまめ・ヤマメ・山女)
[すし・sushi料理海の生き物淡水魚釣り・Fishing食遊び]
サクラマスは桜のお花見の頃、海から河川へ遡上して
秋の産卵期には桃色の婚姻色になります。
メスの大部分と少数のオスは降海して、全長60cmほどに成長しますが
オスは主に河川に留まり「ヤマメ」と呼ばれて成長後の大きさも20cm前後となります。
「山女」と書いてヤマメと読みますが、実は川に残っているほとんどのヤマメがオス。
ということになります。(※写真はヤマメです。)
ヤマメとサクラマスは同じ卵から産まれます。
最初はみんなヤマメ。
生後半年ほどのヤマメは水生昆虫を食べて育ちます。
上流に泳ぐものほど、エサをたくさん食べて大きくなります。
流れが強くて、さらにエサが豊富な場所に行けるのは、大きく育ったヤマメのみです。
これらのヤマメは一生涯を川で過ごします。
大きくなれなかったヤマメ達、
渓流の縄張り争いで傷ついたり体力の弱い少数のオスやメスが下流へと追われます。
下流でも厳しい生存競争があります。
流れの淀んだところで、あまりエサもなく、小さく育ちます。
しかし、弱かったこの子たちが、川と海の間の汽水域で1歳の初秋頃に銀毛化(smolt)。
銀毛化(ぎんけか)とは、ヤマメの独特の斑点(パーマーク)が消え、
体の色が銀白色になり、ウロコがはがれやすくなるものの
塩分調整能力を身につけて、海に出る準備が整うことです。
(※写真のヤマメは銀毛化していません)
淡水でも海水でも生きていける能力を付けるだけでも
生きものとして尊敬してしまいますよね。すごい。
そしていざ、大海原へ。
海には圧倒的に敵わない天敵たちがたくさんいます。
海の中でも生き残ることができた強く大きい個体は
2年後、産卵のために、生まれた川に戻っていきます。(ほとんどがメス)。
体長は60cmほどにまで大きくなったサクラマスに対して、
川に残っていた当初は強かったヤマメは体長約20cmほど。
見返してやった感があるのでしょうね。
というか、まさか弱かったあいつらが、こんな姿になって帰ってきたのか!?
とか思っているかもしれませんね。
狭い世界から広い世界に飛び出して、
強く生き抜き、また川に戻ってくる様は、
日本から世界に飛び出して、様々な経験をして強くなって帰国してきたような。
生きていく逞しさをビンビンと感じさせてくれます。
サクラマスは、富山県では「ますずし」に使われているため
古くから知られている魚です。
しかし、富山県内ではサクラマス資源が激減しています。
閉校してしまった富山県立海洋高校と富山大学大学院の共同で行われてきたサクラマスの研究は、滑川高校海洋科へ引き継がれ、薬業科と協力し
富山県のサクラマス資源を増やすことを目標に採卵、飼料開発、育成技術など
完全養殖を目指して研究活動が続いています。
サクラマスは産卵のために上流を目指して滝を登ります。
だいたい、午後の温かい時間帯が滝登りのピークです。
上流にはライバルや卵の天敵が少なく、より産卵がしやすい環境のため皆、上流を目指します。
滝登りの成功率は5%ほどです。
滝の流れ落ちる中で、水が厚めのところのほうが泳ぎ登れる成功ポイントです。
滝の水の流れが薄いところだと、尾ビレで踏ん張って上りきれないためです。
夕方以降、水温が下がると滝登りを一旦終了して
また翌日にチャレンジします。
オスは鼻の先が伸びて特有の模様になります。
メスは尾ビレを使って、川底の砂利を10cmほど掘り、産卵場所を確保します。
オスは細かく揺れながらメスに触れて振動を伝え、産卵を促し
産卵後、すぐに精子をかけます。
産卵中は、オスもメスも大きな口を開けて全力で命を残します。
このサクラマスのメスの産卵の際、
海に出ず、ずっと川に残り住んでいたヤマメのオスは
サクラマスのオスに邪魔者扱いされながらも
どさくさに紛れて、同じタイミングで精子をふりかけます。
こうして、ヤマメも次の命をつないでいきます。
産卵後、メスはすぐにまた尾ビレで砂利を卵の上にかけて卵を守りますが、
子を見ることなく、サクラマスのオスもメスも産卵後は死んでしまいます。
ヤマメは生き残り、次の年もまた命をつなぐ機会を待ちます。
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陸封型サクラマス『スギノコ』について
http://www.sumeshiya.com/blog/2018/07/post-3607.html
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北海道函館にて、【サクラマス釣り】の様子はこちらのブログで細かく
https://www.sumeshiya.com/blog/2021/05/-steel.html
【サクラマス釣り】の動画は以下でご覧いただけます↓
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サクラマスの顔(横)1
サクラマスの顔(横)2
サクラマスの顔(横)3
サクラマスの顔(横)4
サクラマスの顔(正面)
サクラマスの顔(斜め)
サクラマスの口1
サクラマスの口2
サクラマスの口(開き)と歯1
サクラマスの口(開き)と歯2
サクラマスの口(開き)と歯3
サクラマスの口(開き)と歯4
サクラマスのアゴ
サクラマスのエラ
サクラマスの背1
サクラマスの背2
サクラマスの背3
サクラマスの背ビレ
背ビレ後方に脂鰭(あぶらびれ)も確認できます。
サクラマスの胸ビレ
サクラマスの腹側1
サクラマスの腹側2
サクラマスの腹側3
サクラマスの腹ビレ
サクラマスの腹ビレと肛門
サクラマスの臀(しり)ビレ
サクラマスの尾ビレ
サクラマス 横から1
サクラマス 横から2
サクラマス 横から3
サクラマス 横から4
サクラマス 横から5
記録写真(2.05kg / 55cm)
記録写真
サクラマス 前方から
サクラマス 後方から
モノクロサクラマス 後方から
サクラマスの内臓
サクラマスの卵
サクラマスの腎臓(膜有り)
サクラマスの腎臓(膜切り)
サクラマスの半身 横から
サクラマスの半身(背・中央) 横から
サクラマスの半身(腹) 横から
サクラマスの身(背)1
サクラマスの身(背)2
サクラマスの身(背)3
サクラマスの尾身側
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ここからは、サクラマス料理
藁焼きすると美味しくなる魚は、
なるべく一つはお寿司の中に組み込むようにしています。
藁づと納豆を仕入れているため、
納豆を取り出したあとの藁を乾燥させてとっておき、
藁焼きの際に使うようにしています。
炭火やバーナーなどで炙るのとはまた違った藁焼きの良さ。
そして、藁焼きにしか出せない燻された香りをまとった魚は、
五感の中でも特に鼻と舌を同時に刺激される
至福の感覚をプレゼントしてくれます。
ちなみにヤマメは、
サクラマスの河川残留型(陸封型)に対する呼称です。
魚の皮は大抵、美味しい部分ですが
サクラマスの皮もまた美味です。
口の中でトロけて、舌が興奮して、鼻から香りが抜けてイク。
官能的なお寿司。
そういうお寿司をこれからも多く生み出していきたいです。
藁が手軽に手に入る環境が少なくなってきている昨今、
藁焼きを出来る場所が減ってきている昨今、
藁焼き自体も貴重な文化にいつかなっていくのかもしれませんね。
藁焼きに合うお酒が、徳島の日本酒『旭若松(あさひわかまつ)』のこちらのお酒です。