PADI オープン・ウォーター・ダイバー・コース (知識開発(学科講習))
【知識開発】
〈セクション1〜5〉
・ダイバーになる1〜5
・器材1〜4
・ダイバーとしてのスキル1〜5
・知識の復習1〜5
・クイズの合格1〜4
・トラブルの管理
・ダイブ・コンピューターとテーブルの使い方1〜2
・水中世界の親善大使
〈ファイナル・エグザム修了〉
〈eラーニング・クイック・リビュー修了〉2019年6月7日 RzafitSC
認定を受けたPADIオープン・ウォーター・ダイバーは、
PADIと一緒に最大深度18メートル/60フィート
(または実際に経験した範囲内の深さ)まで潜るトレーニングを受けます。
また、トレーニングを受けた時と同じか、それよりも良いコンディションにおいて潜る資格を受けます。
病気によっては、ダインビング中に危険を及ぼす恐れがあるものもあるため、
PADI病歴/診断書に記載されているすべての質問に
正直に完全に答えることが重要です。
もし何かチェック項目がある場合は、任意の水中活動に参加する前に、
医師の診断を受け、医師のサインをもらわなければなりません。
ある地域では地元の条例により、すべてにおいて医師による診断が必要な場合もあります。
PADIのコースは、『達成ベースの学習』という手法が採用されています。
これは、学習目標を達成したことを各ステップでデモンストレーションすることによってコースを進め、
認定を取得するというアプローチです。
決まった時間数のトレーニングを受ければよいものでなく、
お金を払えば良いというようなものでもありません。
あくまで、自分がそれを理解し達成出来たかが大切です。
初めての場所でダイビングをするときには、
オリエンテーションを受け、指示や追加のトレーニングについてアドバイスを受ければ、
トラブル回避するのに役立つだけでなく、
地元の一番良いスポットを見つけることができて、
さらにはその地域特有の特別な生物を見ることができます。
【深度と圧力にはどのような関係があるのか?】
今、自分たちには地球を取り囲む大気(高度約32,000メートル)によって圧力がかかっています。
地表1㎠あたり1kgです。
それは、空気自体の重さです。
ただ、空気の重さを感じないのは、自分たちが大気圧(地表面にかかる空気の圧力)の下の生物という条件で生まれてきたからです。
地表面、海水面(海抜0メートル)での空気の圧力は極めて均一で、これを『1気圧』と言います。
メートル法だと『1bar(バー)』
ヤード・ポンド法だと『1ata(アタ)』と表記されます。
水にも重さがあるので、水中では空気の重さに水の重さが加わった圧力がかかります。
水は空気よりはるかに密度が高くて重いため、
深さ10メートル(33フィート)での水が大気の重さと同じ圧力になります。
(※1メートルは、約3.3フィート)
深度(深さ)10メートルでの圧力の計算式は、
空気1気圧 + 水1気圧 =2気圧
水中では、
深度が10メートル増すごとに圧力が1気圧ずつ増えていきます。
深度が10メートル減るごとに圧力が1気圧ずつ減っていきます。
海水面での圧力は1気圧。
深度10メートルでの圧力は2気圧。
深度20メートルでの圧力は3気圧。
深度30メートルでの圧力は4気圧。
といった感じに圧力がかかります。
_______________
深度 圧力
0m/0ft 1bar/ata
10m/33ft 2bar/ata
20m/66ft 3bar/ata
30m/99ft 4bar/ata
40m/132ft 5bar/ata
_______________
水は圧縮されないので、圧力が変わってもその体積と密度は変わりません。
人間の身体の組織は主に水分で成り立っているため、
ダイビング中でも体の大部分は圧力変化を感じません。
しかし、空気などの気体の体積と密度は圧力の変化に伴って変わります。
水中に潜っていって圧力が増すと、
気体の分子が圧縮されるので体積が減ります。
一方、分子の数は変わらず同じ数の分子がより小さな空間に詰め込まれることになるので
密度は増えます。
例えば、空気の入った風船を水に入れていくとわかりやすいです。
_____________________________
深度 圧力 空気の体積 空気の密度
0m/0ft 1bar/ata 1 ×1
10m/33ft 2bar/ata 1/2 ×2
20m/66ft 3bar/ata 1/3 ×3
30m/99ft 4bar/ata 1/4 ×4
40m/132ft 5bar/ata 1/5 ×5
_____________________________
【圧力と空気の体積と密度】
ダイバーの体の中と体に接している全ての空間に影響します。
耳、肺、サイナス、マスク、ドライスーツなどです。
〈※サイナスとは〉
上顎の上、鼻の横に存在する空洞で上顎洞(じょうがくどう)とも呼ばれています。
副鼻腔(ふくびくう)の1つです。
潜降中(せんこうちゅう)は、
体内空間の空気の密度が増え、浮上中は体積が増えます。
この原理はまた、
浮力コントロール、水中でシリンダー内の空気を使える長さ、
重要な安全ルールにも関係しています。
【増加する圧力が体内空間に及ぼす影響】
身体の大半は水分で出来ていて、増加する圧力を感じませんが、
体内空間や身体に接している空間は、増加する圧力の影響を受けます。
空間内に存在する空気が圧力によって圧縮されるため
空気の体積が減り、圧迫感を感じます。
圧力が増すことで影響を受ける3つの空間は、
耳、サイナス、マスクです。
空間を圧迫している圧力を調整しないとなりません。
調整しないとスクイズになります。
スクイズは、不快感を引き起こし、そのままにしておくと圧力のバランスがとれなくなって
組織が空間の内側へ押されます。
これは、空間の外側の圧力が内側より大きいからです。
そのままでいると気圧性の外傷が生じる恐れがあります。
潜降中に耳に感じる不快感は、耳のスクイズによるものです。
これは、鼓膜と周囲の組織が圧力によって内側へ押されることによって生じます。
顔が引っ張られたり、吸われるような感覚はマスクのスクイズによるものです。
頬骨(ほおぼね)の上、額(ひたい)の中央、鼻の両脇に沿って感じる不快感は、
サイナスのスクイズによるものです。
その他にもスクイズが生じる場所がありますが、
それほどよく起きることではありません。
潜降中に伴って増える圧力が、体内空間に影響を与えます。
これは圧平衡(あつへいこう)と呼ばれ、
空気の体積が減ると、空間を取り巻いている身体の組織が
水圧によって内側へ押されるため、圧迫感を感じるようになり
体内空間の圧力を戻さなければなりません。
〈耳とサイナスを圧平衡するには〉
鼻をつまんで、口を閉じ、ゆっくり鼻から息を出します。
そうすると、肺からの空気が耳とサイナスへ送り込まれます。
顎(あご)を左右に動かしたり、唾(つば)を飲み込むという方法で圧平衡している人もいます。
〈マスクを圧平衡するには〉
潜降しながらマスクの中に、鼻から息を吐き出せばOKです。
スクーバーダイビングに、水泳用のゴーグルが使えないのはこのためです。
水泳用のゴーグルでは、鼻がカバーされないので、マスクの圧平衡ができません。
不快感が生じる前に、1メートルごとに圧平衡すべし。
不快感をおぼえるまで待っていると圧平衡がしづらくなったり、できなくなったりしてしまいます。
出来るだけこまめに圧平衡すれば、不快感や痛みを感じることはありません。
圧平衡できない場合には、すぐに潜降をストップして
インストラクターさんなどに、何か変だとハンドシグナル。
耳を指差し合図します。
不快感がなくなるまで少し浮上してもう一度やってみる。
あせってはいけない。
圧平衡できたら、こまめに圧平衡しながら、さっきよりもゆっくりと潜降を。
それでも圧平衡できない場合には、ダイビングを中止すべし。
空間を圧平衡せずに、潜降を続けると重大な障害を生じる恐れがあります。
水中で鼓膜が破れると平衡感覚を失って、激しい目眩(めまい)が生じ、
医師による治療が必要になります。
マスクを圧平衡しないでいると、目の周りに青アザが生じます。
普通は問題なく、見た目には結構重症なように見えるので、周囲の人がビックリするかもしれません。
重症のスクイズの場合には、長引く痛みや合併症を防ぐために
医師の診察を受ける必要があります。
優しく圧平衡すべし。
絶対に、力ずくで無理やり圧平衡しようとしてはいけません。
長く強引な圧平衡は、耳に重大な障害を引き起こし、聴力を失ってしまう恐れがあります。
圧平衡は、短く、こまめに、優しく行うべし。
それでも上手くいかない場合には、潜降をストップしてインストラクターに状況を伝え
不快感がなくなるまで浮上してから、Let's try again!
練習すれば、ほとんどの人が簡単に圧平衡できるようになります。
風邪をひいている時や、アレルギーがある時にはダイビングをしてはいけません。
風邪やアレルギーは充血を引き起こし、体内の空気の通り道が塞がれてしまい、
圧平衡できないことが多いからです。
ダイビングし始めた時は、薬が効いているかもしれませんが
途中で効果が薄れ、浮上する時に圧平衡できないというトラブルの原因になるため
風邪薬を使うこともおすすめできません。
ダイビングに行く前に、風邪が治るまで待ちましょう。
耳栓を使うと、圧平衡できない空間ができてしまうため、
ダイビングするときに耳栓は使いません。
しかし、ダイビング専用に作られた
特別なイヤープロテクターは例外です。
同様に、耳をぴったりと塞いでしまうような、キツいウエットスーツのフードも
耳栓と同じような働きをしてしまいます。
その場合には、フードを耳から少しずらして空気を逃がします。
潜降して圧力が増すと、他の体内空間も影響を受けます。
非常に稀なことですが、詰め物をした歯の内部に空間ができて
不快感を引き起こすことがあります。
その場合、歯の内部の空間は圧平衡できないので
潜降を中止しなければなりません。
歯医者さんに行って、治療してもらいましょう。
ドライスーツは、空気の層で身体を取り囲んで保温します。
潜降して圧力が増すとこの空気の層が圧縮されます。
この空間を圧平衡する方法は、
ドライスーツの中に空気を足して圧平衡するのですが、
それは、PADIドライスーツ・ダイバーコースで。
肺は大きな体内空間ですが、
スクーバ機材は、周囲と同じ圧力で空気を供給します。
そのため、肺の圧平衡については
普通に呼吸を続けること以外に、特に何かする必要はありません。
息をこらえて潜るダイビングをしている時には、
潜降すると肺が圧縮されますが、特に問題はありません。
問題があるとすれば、完全に息を吐いてから潜降した場合や
息をとめて60メートル以上の、非常に深く潜った場合です。
そのような状況はほとんどのダイバーにとって、有り得ない状況です。
浮上するときは、圧力が減少すると空気は膨張します。
体内空間に足した空気の体積が増えます。
この膨張する空気を、体内空間から外へ逃がす必要があります。
通常、耳、マスク、サイナスからは、空気が自然に出ていくため
これらの部分については浮上しながら圧平衡する必要はありません。
浮上すると肺の中の空気は膨張しますが、普通に呼吸していれば
何の問題もありません。
常に呼吸を続け、どんなことがあっても絶対に息を止めないというのが
スクーバダイビングで最も重要なルールです。
浮上中に息を止めてしまうと、
膨張した空気の逃げ場が無くなってしまい肺が膨らみ過ぎてしまいます。
空気がいっぱいに詰まった風船を結んで浮上すると破裂してしまうあれです。
膨張する空気は重大な肺の過膨張傷害を引き起こします。
1メートル程度のほんのわずかな圧力変化でも、息を止めて浮上すると
肺の過膨張傷害を引き起こす恐れがあります。
肺の過膨張障害は治療が難しく、
血流や胸腔(きょうくう)に空気が押し込まれることによって麻痺が生じ、
場合によっては死に至ります。
治療には、すぐにチャンバーで再圧する必要があります。
しかし大抵の場合、再圧チャンバーがあるような大きな病院は
ダイビングしている場所から何時間もかかる遠いところにあるものです。
肺の過膨張傷害は非常に重大ですが、簡単に避けられるトラブルでもあります。
常に呼吸して、絶対に息を止めなければよいだけです。
このルールは非常に重要でレギュレーターをくわえていない時でも、
息を止めないよう、ゆっくりプクプクと息を吐き続けなければなりません。
肺が充血状態にあるときには、ダイビングをしてはいけません。
肺の中に空気が閉じ込められて、肺の過膨張傷害が起きる危険があるからです。
通常、浮上中に体内空間でトラブルが起こることはありませんが、
場合によってはリバースブロックが起こることがあります。
リバースブロックは、風邪やアレルギーで、充血を取る薬を服用してダイビングした場合に
生じることがあります。
ダイビング中に薬の効き目が薄れると充血状態に戻って、
耳やサイナスに空気が閉じ込められてしまいます。
風邪やアレルギーの時には、薬を飲んで充血がおさまっていてもダイビングをしてはいけません。
歯のスクイズは滅多にありませんが、絶対にないとも言えず、
詰め物の下部分が腐食してできた空間に
ダイビング中に空気がゆっくりと入り込み、浮上する際に
そこから空気が出て行くスピードが膨張に追いつかない場合に起こります。
ダイビング中に、歯に痛みを感じることがあったら、
歯医者へ行きましょう。
ダイビング中に、胃や腸にガスが溜まった時も
浮上中に不快感を感じることがあります。
これは、ダイビング前はガスを発生しやすいものは食べないようにし、
ダイビング中に、空気を飲み込まないように注意することで防止します。
浮上中、どこかの体内空間に不快感を覚えたら、すぐにスピードを落とすか、浮上をストップします。
1メートルほど潜降して不快感を減らし、閉じ込められた空気が外へ出るまで待ちます。
前よりゆっくりと浮上して、膨張する空気が外へ出るようにします。
激しいリバースブロックが頻繁に起きるようなら、ダイビング医学に詳しい医師に見てもらいましょう。
ダイバーが浮上するとともに、空気は膨張し、耳の周りの空洞やマスク、サイナスから自然に放出されます。
一方で、肺の場合は、膨張した空気が深刻な問題になることがあります。
機材を付けているため、肺は深い水中でも正常な大きさに保たれていますが、
息を止めて浮上すれば、膨張した空気の逃げ場がなくなって、肺は破裂するでしょう。
そのため、常に呼吸を続け、どんなことがあっても絶対に息を止めないというのが
スクーバダイビングで、最も重要なルールです。
ほんのわずかな深度の変化でも、肺の過膨張障害が生じる恐れがあります。
肺の過膨張障害は、麻痺などの重大な障害の他、死に至ることもあります。
手当には再厚チャンバーが必要ですが、ダイビングをしている場所は
そのような設備から何時間もかかるところにある場合が多いでしょう。
肺の過膨張障害は非常に重大ですが、簡単に避けることが出来ます。
スクーバダイビングをしているときは、常に呼吸を続け、
絶対に息を止めなければよいのです。
そうすれば、浮上中の膨張した空気は問題なく呼吸を通して外に放出されます。
レギュレーターを加えていない時もゆっくりと息を吐き続け、息を止めないようにします。
また、肺が充血状態にある時には、肺の中に空気を閉じ込め、過膨張障害になる恐れがあるため
絶対にダイビングをしてはいけません。
稀なケースにリバースブロックという状態を引き起こすことがあります。
これは、膨張する空気が正常に放出されない時に起こります。
風邪やアレルギーがリバースブロックの原因の時もありますが
その状況でダイビングすべきでないです。
消化器官にガスが溜まり、なかなか放出されない場合は
不快感が生じるかもしれません。
また、稀なことですが、歯の詰め物の下の空間が原因となることもあります。
リバースブロックを感じたら、浮上するのを一旦ストップし、
1メートル数フィートほど潜降し、閉じ込められた空気が出てくるのを待ちます。
そして、前よりもゆっくりと浮上を続けてください。
深度とともに圧力は増え、空気の体積は減る一方で、その密度は増えます。
圧力によって、空気の分子が押し込まれて密集するため体積は減ります。
つまり、深く潜るに連れて、空気の密度は高くなります。
密度が高い空気は、陸上の空気より呼吸しにくくなります。
したがって、深くなればなるほどその分呼吸に抵抗が出てきます。
深くなればなるほど、呼吸するたびにシリンダーから送られてくる空気の量が増えることになります。
空気を消費するスピードは、圧力、体積、密度の関係と同じです。
一般的に水面での呼吸に比べてみると
深度10メートル/33フィートで2分の1
深度20メートル/66フィートで3分の1
深度30メートル/99フィートで4分の1
というように続きます。
深度 圧力 空気の体積 空気の密度
0m/0ft 1bar/ata 1 ×1
10m/33ft 2bar/ata 1/2 ×2
20m/66ft 3bar/ata 1/3 ×3
30m/99ft 4bar/ata 1/4 ×4
40m/132ft 5bar/ata 1/5 ×5
その他の要因としては、
呼吸の速さ、体の大きさ、
水中で比較的動かないか、もしくは激しく泳ぐか、
これらによって空気の供給に影響を与えます。
深く潜るに連れて、シリンダーの空気は水面より密度が高くなり
陸上の空気より呼吸しにくくなります。
深くなればなるほど、呼吸をするのにより多くの労力がかかります。
どの深度にいても、速く呼吸をしようとすればするほどより多くの労力がかかります。
2倍の速さで呼吸しようとすると、約4倍の労力がかかります。
スクーバダイビングではゆっくりと深く呼吸するのが最も効率的な方法です。
空気を長くもたせるには、余計な動きをせず、体力を無駄遣いしないようにして、
ゆっくりと動くことです。
一定のペースを守ってリラックスして潜りましょう。
水中で息切れしてしまうような状況はできるだけ避けましょう。
ゆっくりとした深い呼吸は、ストレスや不安を軽減するのにも役立ちます。
緊急事態に対する身体の反応として、呼吸が速くなります。
しかし、そのような状況の中で意識的にゆっくりと呼吸することは
不安を解消するのに役立ちます。
そうすることで、感情のままに行動するのではなく、
自分が受けたトレーニングに基づいてトラブルに対処出来るようになります。
万一ダイビング中にトラブルに合ってしまったら、動きを止め、意識的にゆっくりと深く呼吸することで
不安を軽減し、落ち着いてトラブルに対処するようにしましょう。
スクーバダイバーが守るべき4つの呼吸ルールをまとめると
1.『常に呼吸を続け』、どんなことがあっても『絶対に息を止めない』
2.『ゆっくり』と『深く』呼吸する
3.息切れしてしまうような状況に陥らないようにする
4.トラブルに直面したら、動きを止め、意識的に『ゆっくりと深く』呼吸することで不安を軽減する
【浮力と浮力コントロール】
浮力は引力を相殺してくれるので
ダイバーは水中を浮遊して無重力を感じることが出来ます。
宇宙飛行士でない限り、そのようなことを経験することはできません。
基本的な原理を理解することで、ダイバーとして浮力をコントロールし
水中を楽しむことができるようになります。
浮力とは、水中にある物体を上へ押し上げる力のことを言います。
この力は、物体によって押しのけられる水によってもたらされ、
押しのけられた水の重さと同等です。
【浮力(3種類)】
物体の重さが、物体が押しのける水の重さよりも軽ければ、その物体は浮きます。
これを、プラス浮力と言います。
物体の重さが、物体が押しのける水の重さより重ければ、その物体は沈みます。
これを、マイナス浮力と言います。
物体の重さが、物体が押しのける水の重さと同じであれば、その物体は浮きも沈みもしません。
これを、中性浮力と言います。
ダイバーはこの3種類の浮力を使いますが、水中では常に中性浮力を使うことに努力します。
海水にはミネラル(塩分など)が溶け込んでいるため、同じ量の水でも、真水より重くなります。
したがって、海水は真水より大きな浮力、つまり物体を上に押し上げる力をもたらします。
他の要素が全て同じであれば、海でダイビングするときは
淡水でダイビングする時より浮力が大きくなります。
その場合はウェイトを調整しなければなりません。
浮力は『ウェイト・システム』と『BCD(Buoyancy Control Device)』という
2種類の機材を使って調節します。
ダイバーとしてのスキルの中心となる機材なので
多くのダイバーがこの2つを最初に購入します。
ウェイト・システムには、プラス浮力を相殺する分の鉛のウエイトを入れます。
大抵の人は水に浮きますし、ウェットスーツなども浮力になるので
ダイビングするにはウェイトが必要です。
どの程度のウェイトが必要かは、使用している機材、体格、
淡水で潜るのか、海水で潜るのかによって違ってきます。
ダイビング中に浮力を変えるために、BCDを使います。
BCDを膨らませると体積が増え、多くの水を押しのけ浮力が増します。
空気を抜くと体積が減り、押しのけられる水は減少、浮力は減ります。
空気を出し入れして浮力を調節し、いつでも好きな時に浮力を調節し、
いつでも好きな時に、プラス浮力、マイナス浮力、中性浮力にすることができます。
これは、ダイバーとしてマスターする必要のある主要なスキルの一つです。
深度が変わると浮力も変わるのでダイビング中は頻繁にBCDを使います。
ウェットスーツなど、スクーバ機材には、空気の層が入っているものがあり
圧力が入ると圧縮され、圧力が減ると膨張します。
潜降すると空気の層の体積が減少し、押しのけられる水の量が少なくなって浮力が減ります。
BCDに少しずつ空気を入れるか、もしドライスーツを着用している場合は
スーツに少しずつ空気を入れて相殺します。
浮上すると今度は逆になります。
空気の層の体積が膨張して、浮力が増えます。
BCDに入れた空気も膨張して、さらに浮力が増えます。
浮力をコントロールするには、潜降したあとに入れた空気を浮上しながら出します。
呼吸も浮力に影響します。
息を吸うと、肺が膨らんで、体積、押しのけられる水の量、浮力が増えます。
息を吐くと、肺が縮んで、体積、押しのけられる水の量、浮力が減ります。
大きな変化ではありませんが、練習することで息を止めずに呼吸を使って
浮力を微調整できるようになります。
浮力はダイバーがが水中でするほとんどのことに影響するので
浮力コントロールをマスターすることが大切です。
浮力コントロールをマスターすれば、次のことができるようになります。
・速度をコントロールし、ゆっくりと潜降と浮上が出来るようになります。
・潜降または浮上をストップして楽に深度を維持出来るようになります。
・水面で浮力を確保し、楽に浮いていられるようになります。
・中性浮力で浮いて動きをコントロールすることで、体力を浪費しないで済み、
また、水中生物にダメージを与えることがなくなります。
・水底の泥などを巻き上げて、透視度を悪くしてしまうようなトラブルがなくなります。
・ダイビングに特有の無重力感を楽しめます。
【バディ・システム】
レクリエーションダイビングでは、
一人で潜るのではなく、バディ・システムを使います。
バディと呼ばれるパートナーと一緒に潜ることで
互いに助け合って、安全に潜るというシステムです。
最初のプールダイブから終わりまでバディ・システムを取り入れてトレーニングします。
自分と自分のバディは一緒にダイブプランを立てます。
互いに機材の装着を手伝い、互いの機材をチェックします。
潜水時間や深度制限について、互いに注意を促します。
トラブルが起きた場合に、互いに助け合い、
それぞれがしたいことを互いに助け合います。
ダイビング業界がバディ・システムを確立し
それを守ることを最優先にしているのは3つの利点があるからです。
・実用性・・・ダイバーはダイビング前、ダイビング中、ダイビング後、互いに助け合います。
・安全性・・・互いに助け合って、トラブルを防止し、万一の緊急時に互いに助け合います。
・楽しさ・・・ダイビングは人との交流という側面をもった活動なので、水中のアドベンチャーを
誰かと共有することでダイビングはより充実し、楽しさが倍増します。
レクリエーションダイバーは、一人では潜りません。
必ず一人以上のバディと潜ります。
【器材】
ダイビングは機材が必要なアクティビティです。
ダイバーになるには、ダイビングのテクノロジーについて学ぶ必要があります。
スクーバ器材について学習し、自分にあったものを選ぶ方法を知ることが必要不可欠です。
メーカーは毎年、性能が改善され、様々な種類のダイビング、サイズ、環境、好みに対応した
色々なタイプやスタイルの器材を開発しています。
様々なスタイルのモデルの中から自分に合ったものを選ぶにはプロに手助けしてもらうのがベストです。
それも、ダイビングのプロフェッショナルの仕事の一つです。
最寄りのPADIダイブセンターやリゾートなら
市販されている様々なタイプのオプションについてベストな情報を教えてくれるので
器材の選び方や価格についてのアドバイスを受けるには最善の場所です。
最寄りのPADIダイブオペレーター、PADIダイビングソサイエティ、スクーブアース、
ダイビング雑誌、ダイビング仲間などを通じて、ダイビングの世界と繋がっていることは
スクーバ技術の最新情報を得るのに役立ちます。
ダイビングが可能なのは、水中環境に適応させてくれる器材があるからです。
スクーバ器材の選び方
最も重要な3つは、
・適切性・・・その器材が使う人とダイビングの種類に適しているか
例えば、半袖のウェットスーツは、熱帯の海でのダイビングなら完璧に適していますが
水温の低い場所でのダイビングには適切ではありません。
・フィット性・・・その器材が使う人の体格に合わせて調節されているかどうか
きちんとフィットしていないと正しく機能しない器材もあります。
PADIダイブセンターやインストラクターが使う人にフィットした選び方と調節の仕方を教えてくれます。
・快適性・・・感触や形状などに違和感があったり、気が散ってしまうというようなことがなく、1時間以上にわたって
身につけていられるかどうかです。落ち着かない機材を身につけているとイライラして、ダイビングの楽しさが半減してしまいます。時には、落ち着かないあまり安全にかかわる問題から注意がそれてしまうことがあります。
使う器材は、自分にフィットしていて、快適なものでなければなりません。
ダイビングのプロフェッショナルはある程度見分けることができますが、快適かどうかは、本人にしかわかりません。
価格と機能
保守サービス
色とスタイル
小物類
自分の器材にはイニシャルなどで目印を。
使う前に、正しく作動するか、摩耗や損傷などないか点検を。
すべての器材をきれいな真水ですすいでから、直射日光の当たらない場所で乾かしてから、
涼しく乾燥した場所に保管。
直射日光に長時間さらすと器材が劣化したり色褪せの原因になるので、カバーをかける。
【マスク】
水中でものをハッキリ見るには、マスクが必要です。
人間の目は、空気中で物体にピントを合わせるようにできています。
マスクをすることで、目の前に空間を作ります。
ダイビングをするときは、この空間で鼻から息を吹き込んで圧平衡ができるように
鼻が入るものでなければなりません。
マスクのフィット性をチェックするときは、マスクをそっと顔に押し当て、鼻から息を吸い込みます。
フィットしているマスクなら、軽く息を吸い込むだけで簡単に密着します。
新品のマスクは使う前に準備が必要です。
クリーナーでガラスの内側をこする必要あるものも。
後頭部に合わせてストラップを調節。
【スノーケル】
スクーバ・ダイビングではスノーケルが標準器材になっています。
水面で顔を水につけているときにシリンダーの空気を無駄に使わずに済むからです。
水中を見ているときや、器材を調節したり、下に何がいるかを見ているとき、
潜降する場所まで泳ぐときなど、水面が波立っていても楽に呼吸ができます。
ボートや岸までだいぶ距離があるときや、エキジット(ダイビングを終了し水から上がること)するのを待っていなければならないときに
大事です。
・下の部分が柔軟性のある蛇腹
使わないときにマウスピースの部分が垂れ下がって邪魔にならないようになっています。
・自動排水弁
息を吐いて、スノーケルから楽に水を出すことができます。
・スプラッシュガード
使っている時に、スノーケルの中に入ってくる水を減らします。
スノーケルはクリップやキーパーという小さな部品を使って
マスクの左側に取り付けます。(右側にはレギュレーターがあるためです。)
レギュレーターとは、
吸うと空気が流れ、そうでないときは空気は遮断されるというしくみになっている器材です。
マウスピースを加えた状態で、先端が頭頂部の上に来るように調節します。
こうすれば、顔を下にして水につけたときに、先端が一番高い位置にきます。
【フィン】
フィンを履くと足先の表面積が広くなるので、
脚力で水中を効率的に移動することができます。
ストラップタイプ
ブーツを履いて試着。
かかとの部分が開いていて、つま先を入れて、ストラップで留めるようになっているので
ブーツを履いたまま使えるので、暖かく、ビーチやボートのデッキを歩く時に
怪我の防止にもなります。
フルフットタイプ
フィンと足を濡らしてから履くと楽に履けます。
足を入れる部分が靴のようにかかとを包み込むようなタイプで、
ゴム製の靴のようなフィット感、
通常、裸足で履くか、薄いソックスを履いて使用するので
暖かい海での使用に向いています。
種類サイズは様々で、
スクーバに適しているものもあれば、スノーケリングだけに適しているのものもあります。
選ぶ時の注意点はフィット性とブレードのサイズ。
硬いブレードは、使うのに強い脚力が必要になりますが、大きな推進力を生みます。
柔らかいブレードは少ない力で済みますが、推進力は弱くなります。
選択肢
素材・・・性能に影響し、素材によって重さも異なる
スプリットフィン・・・ブレードの先端が中央で割れていて水の抵抗が少なくなるという特性がある
ベント・・・フィンの動きに対する抵抗を減らして効率を高めます。
クイックリリース・ストラップ・・・ストラップタイプのフィンにはクイックリリースバックルが付いていて
楽に外せるようになっているものがあります。
スプリング・ストラップ・・・ストラップタイプのフィンにサイズを合わせてスプリング・ストラップを取り付けると
履く度に足にぴったりと調整してくれます。
【スクーバキット】
スクーバキットは、水中生命維持の中核をなすもので、4つの器材で構成されています。
・BCD(浮力調節具)スクーバキットを一つにまとめるものでダイビング中に浮力を調節するのに使います。
・レギュレーター ダイバーが息を吸うと周囲の圧力と同じ圧力で空気を供給し、吐いた空気を水中に出します。
・シリンダー ダイビング中にレギュレーターに供給する高圧の空気を入れる容器です。
・ウエイト・システム 鉛のウエイトを入れて、ダイバーの体と器材のプラス浮力を相殺します。
体格、好み、やってみたいダイビングの目的に基づいてスクーバキットを選びます。
関連器材をセット組みにして全部揃えて購入。
BCD(浮力調節具)
空気を入れて膨らませる袋
耐久性の高い丈夫な袋で、空気を出し入れして浮力をコントロールするためのものです。
シリンダー部分のハーネス(ジャケット)
空気袋はシリンダーを背中に固定するためのハーネスと一体化しています。
空気袋が背中側だけにあるタイプ、
ウエストの周囲を部分的に包み込むタイプ
肩からかけるタイプがあります。
パワー・インフレーター・メカニズムは大口径のホースの先端に付いていて
吸気のボタンを押して、シリンダーから送られてくる空気を使って袋を膨らませます。
もう一つの排気ボタンを押せば、袋から空気を抜いたり、口で息を吹き込んで
膨らませたりすることができます。
過圧防止弁(クイック・エキゾースト・バルブ)は、空気の入れすぎによる袋の破裂を防ぐために
BCDに入れすぎた空気を自動的に排出する弁が付いています。
手動で空気を排出できるクイックダンプ・バルブが付いているタイプもあり
クイックダンプ・バルブを使う方が、インフレーターの排気ボタンを使うより簡単です。
ウエイト・システム
ポケットが付いていて緊急時にウエイトを外して捨てるタイプがあります。
使うウエイトの量が多い場合にはこのタイプはとても便利です。
使用するBCDは、自分と器材が水面で楽に浮いていられるよう、
十分な浮力があるものでなければなりません。
小物を入れるポケットと小物を取り付けるDリング
ショルダー・クイックリリースが片方、または両肩に付いているタイプは楽に脱ぐことができます。
使用準備として、できれば保護スーツを着て、キツすぎず、ちょうど良いくらいに
体にフィットするように調節します。各ストラップなどを調節したら
BCDをいっぱいまで膨らませて、圧迫されて呼吸が苦しくないことを確認します。
呼吸しにくくなるようならキツすぎます。
すぐに手に取れるように、パワー・インフレーターの近くにホイッスルを取り付けます。
ゲージなどをクリップするためのホースリテイナーを取り付けます。
BCDのメンテナンス
外側だけでなく、袋の中も真水ですすぐ。
BCDの中に3分の1水を入れ、さらに空気を吹き込みます。
BCDを上下左右にゆすって、内側をすすぎ、
インフレーター・ホースやクイックダンプから水を抜きます。
BCDは、袋の内側がくっついてしまう心配がないように
空気を少し入れた状態で保管します。
【レギュレーター】
シリンダーの中の高圧の空気を調節するものです。
ファーストステージ
他のコンポーネント(備品)に空気を供給します。
ねじ込むか、ヨーク(クランプシステム)を使ってシリンダーのバルブに取り付けます。
Oリングがファーストステージとシリンダーの間を密閉する役割を果たします。
シリンダー内の空気の圧力を周囲の水圧より7bar〜10bar、
100psi〜150psiほど高い中間レベルへ下げます。
ホースはファーストステージからセカンドステージへとつながっています。
ダイバーはここから呼吸します。
セカンドステージは、ファーストステージから中間圧力を周囲の水圧と同じレベルまで下げます。
ダイバーが息を吸った時だけ、空気を供給します。
これを『オンデマンド式』といいます。
息を吐くと、一方通行のバルブが開いて息が排出されます。
パージボタンを使えば、シリンダーからの空気を手動で出すことができます。
一般に、オクトパスと呼ばれる予備の空気源(バックアップ空気源)は、
緊急時にバディと1本のシリンダーの空気を共有する時に使う予備のセカンドステージです。
長いホースに標準的なセカンドステージを付けたタイプが最も一般的です。
必要な場合に、これをバディに渡して、空気を共有します。
水中で目立つよう、鮮やかな色が使われています。
BCDのパワー・インフレーターとセカンドステージの機能を組み合わせたタイプのものもあり、
インフレーター・レギュレーターと呼ばれています。
空気を共有する必要が生じた場合には、
咥えていたメインのセカンドステージを口から外して、
自分が、インフレーター・レギュレーターに切り替え、
メインのほうをバディに渡します。
中圧ホースは、BCDのインフレーターに空気を供給するホースです。
ドライスーツを着てダイビングをするときには、ドライスーツ用の中圧ホースがもう1本付いています。
残圧計は、シリンダー内にどのくらいの空気が残っているのかを表示するもので
ダイバーはこれを見て、自分の残圧を管理します。
シンプルなタイプは、ホースの先に残っている圧力をbarまたはpsiで表示する機械的なものです。
他の計器と一緒にコンソール(残圧計、水深計、コンパスなどの計器が一つに組み込まれているゲージ。)に入っているものもあります。
ダイブ・コンピューターに組み込まれているものもあります。
残圧計一体型ダイブ・コンピューターにはホースレスのタイプもあり
トランスミッターを使って、残圧情報をファーストステージからダイブコンピューターに送ります。
レギュレーターを選ぶ時に、最も重要なポイントは、呼吸しやすいかどうかです。
高性能モデルは、呼吸のしやすさも優れています。
レギュレーターのその他の選択肢は、
ヨークシステムまたはDINシステム、どちらで取り付けるかです。
ヨークシステムは、ヨークスクリューと呼ばれる部分を締めて、ファーストステージをシリンダーに取り付けます。
ヨークシステムのほうが、広く定着しているシステムです。
DINシステム(ドイツ工業規格)はレギュレーターのファーストステージをバルブの中にねじ込みます。
DINシステムも人気が高まりつつあり、ヨーロッパとアジアで広く使われています。
両方に対応できるようにヨークアダプター付きのDINレギュレーターを選ぶというのが一般的です。
その他のオプションは、調節可能なセカンドステージです。
小さなつまみで、空気の流量を調節できるので、呼吸のしやすさをいつでもベストに保つことができます。
ダイブ/プレダイブ・スイッチは、セカンドステージを咥えていない時のフリーフロー(空気が出続ける状態)を防止します。
寒冷地では、ファーストステージが凍結することがあり、フリーフローの原因になります。
特殊な寒冷地用レギュレーターは、ファーストステージ内を特殊な液体で取り囲むことで、
フリーフローの危険を防止します。
予備の空気源を選ぶ時の主な注意点は、
シンプル性と独立性のどちらを選ぶかです。
セッティングと手入れという点から見ると、
レギュレーターやBCDと一体となっているオクトパスやインフレーター・レギュレーターが
最もシンプルな予備の空気源です。
携帯にも楽で、通常はレギュレーターと一緒に選びます。
大半のレクレーションダイバーにとって、
オクトパスかインフレーター・レギュレーターがあれば十分で、
最も一般的に使われています。
一方、
万一のエア切れトラブルに備えて、
独立式浮上ボトルやポニーボトルを選ぶダイバーもいます。
これらは、レギュレーターが付いた小さなシリンダーで
メインのスクーバキットとは別れて完全に独立しています。
自分で使うこともできるし、他のダイバーとシェアすることもできます。
独立式浮上ボトルには、水面まで浮上するのに必要な空気しか入っていません。
通常、BCDのハーネスに取り付けておきます。
ポニーボトルには空気がもっとたくさん入り、
通常、メインのシリンダーの横にストラップで固定するか、
BCDのDリングに取り付けます。
残圧計を選ぶ時の注意点と選択肢は
どのダイブコンピューターを使うかによって、ある程度決まってきます。
残圧計一体型でないものを選ぶのであれば、おそらく標準的な残圧計を選ぶことになります。
独立しているタイプもあれば、他の計器と一緒にコンソールに入っているタイプもあります。
ダイビング中にぷらぷらさせないように、BCDの左側の腰のあたりにリテーナーなどで取り付けます。
ホースレスの場合には、手首に付けて、ファーストステージで取り付けたトランスミッターから
ワイアレスで送られてくる残圧情報を受け取ります。
残圧計は、メーカーの取扱説明書に従ってきちんと手入れをすれば、故障することなく何年も使えます。
圧力がかかっていない状態でゼロ(0)を表示しない場合や、
精度を疑う何らかの理由がある場合には、点検してもらいましょう。
新しいレギュレーターの使用準備として
各コンポーネント(備品)をそれぞれ適切なポートに取り付けます。
レギュレーターの手入れ
ファーストステージのダストキャップをしっかりと閉めるか、
ファーストステージをシリンダーに取り付けたままの状態で
緩やかに流れている真水を使ってすすぎます。
シリンダーのバルブと合わせるエアーインレット部分に水を入れてはいけません。
次に、
セカンドステージ部分に水を流し込んですすぎますが、
パージボタンを押してはいけません。
パージボタンを押すと、水がホース内を逆流して、
ファーストステージに入ってしまいます。
レギューレーターは1,2年に1回、専門ショップでオーバーホールを受ける必要があります。
呼吸抵抗が大きくなったり、水が漏れたり、破損しているように見えたり、
正しく機能していないように見えたりするレギュレーターは使用してはいけません。
【シリンダー】(タンクとも呼ばれる)
スクーバシリンダーは、高圧の空気を入れるのに使用するアルミニウム、またはスチール製の容器です。
円筒型のシリンダーとバルブという二つから構成されています。
バルブはクロムメッキした真鍮製で、シリンダーからの空気の流れをコントロールします。
多くの国で、バルブにはバーストディスクが付いています。
バーストディスクは、シリンダーに間違って空気を充填し過ぎた場合に破れて空気を放出して
シリンダー自体が爆発するのを防止する装置です。
シリンダー素材のスチールもアルミニウムも海水による腐食に強い素材です。
スチールはアルミニウムより耐圧性が高く、小さいサイズに同じ量の空気を入れることができます。
サイズと容量
メートル法では内容積は8,10,12,15リットル
ヤードポンド法では充填できる空気の量は50,63,71.2,80立方フィートです。
シリンダーにどのくらいの空気が入るかは、内容積と常用圧力によります。
シリンダーに刻印されているもの。
・シリンダーの材質(コード番号)
・製造番号(紛失や盗難に備えて)
・常用圧力(最大許容圧力)
・メーカーのマーク
・製造年月日
・検査圧力
・耐圧検査日
スクーバ・シリンダーに充填するのは、
信頼できるスクーバ・エアステーションで圧縮空気を充填する。
エンリッチド・エア・ナイトロックス(EANx)または、ナイトロックス
エンリッチド・エア・ナイトロックス(EANx)は通常の空気よりも酸素を豊富に含んだ空気です。
シリンダーを立てたまま放置してはいけません。
倒れると他の機材などの破損にも繋がるため。
BCDを上にして、横に寝かせておきましょう。
スクーバ・シリンダーには、2〜5年の耐圧検査と、年に1回の視認検査が検査が義務付けられています。
【ウエイト・システム】
ウエイトベルトとウエイトポケットがBCDに組み込まれています。
どちらのウエイト・システムでも
最も重要な機能は、緊急事態が発生した場合、水面に浮いていられるだけのウエイトを
すぐに捨てるクイックリリース機能です。
トラブルが発生しても水面に浮いていられるようにしてくれる大切な安全機能です。
ドライスーツのような浮力のあるスーツを着ている時は、
一つにまとめた重いウエイト・システムより簡単な複数のウエイト・システムを使っているダイバーもいます。
重いウエイト・システム一つより、2つか3つに分けたほうが扱いやすくなり、
緊急事態でもすぐに対処できます。
厚手のウエットスーツやドライスーツを着ている場合には、
ウエイトの一部を捨てるだけで、水面に浮いていられるようになります。
保護スーツを着ていない場合や、半袖半ズボンの薄手のウエットスーツの場合には、
重いウエイトは必要ないので、全部またはほぼ全部を捨てられるようにしておきます。
通常、BCDのウエイト・システムには、クイックリリースが2つ付いていて、
ウエイトを2回に分けて捨てられるようになっています。
取り外せないウエイトポケットは、姿勢を整えるトリム(ダイビング中の姿勢)用に使うものです。
すぐに取り外せるウエイトもつけて、いつでもプラス浮力を確保できるようにしておく必要があります。
適正なウエイト量には2つの側面があります。
・自分のプラス浮力を相殺するだけの重さのウエイト
・ウエイトの配分-トリム
トリムは、水中での姿勢とバランス、一般に、体が水平に泳ぐ自然な姿勢で
両足は水底と平行、もしくは、やや上がった状態が望ましいトリムです。
トリムが重要なのは、最適な姿勢を維持することで
体力の浪費を防ぎ、傷つきやすい生物にダメージを加えてしまうのを防ぐため。
BCDとウエイトの配置でトリムが決まります。
オーバーウエイトや間違ったウエイト配置の場合、ダイバーの頭や胸が水平から上がります。
アンダーウエイトや間違ったウエイト配置の場合、ダイバーの足が上がります。
適正なウエイト量と適正なウエイト配置ならば、ダイバーは水平に泳ぐ自然な姿勢になります。
ウエイトベルトは最も古くからあるウエイト・システムです。
ナイロン製のベルトにウエイトを通すタイプと
ウエイトを入れるファスナー付きのポケットがベルトに付いているタイプの2つがあります。
アクセサリーウエイトは、トリムを微調整するために足首やシリンダーバルブなどに取り付けるウエイトです。
マスクの曇り止め
・マスクを洗う
・曇り止めを2滴落とす(二眼レンズには左右1滴ずつ)
・内側の表面全体に指で塗り広げる
・素早く一度だけすすぐ
これで、曇り止めの成分が流れてしまわない限り、ダイビング中にマスクが曇ってしまうことはありません。
マスクの中に水を入れたり、水中で外したりすると、曇り止めの成分が流れてしまうことがあります。
水は空気より約800倍も密度が高い
そのためそれが光に影響します。
【水中でのものの見え方と音の聞こえ方】
光が、水からマスク内の空気中に入ると、その方向がわずかに変わります。
これは光の屈折と呼ばれます。
方向が変わることで、点である物体が約33%拡大されて見えます。
そのため、水中では大きく、近くにあるように見えます。
水はまた、光を反射し、拡散し、吸収します。
深くなればなるほど、あたりは暗くなっていきますが、
天気の良い日は、ほとんどのダイブでは暗くはありません。
しかし、透視度が低い時や曇った日、ナイトダイビングの時には、
詳しく見るために水中ライトを使います。
光の色が1種類ずつ吸収されていきます。
深度が増すにつれて、さらに多くの色が吸収されていきます。
最初に吸収されるのは赤(15mまで)、次にオレンジ色(50mまで)、黄色(100mまで)、
緑色(250mまで)、青(270mくらいまで)、紫色(300m前後くらいまで)が吸収されます。
遠くにあるものを見ているときも同じ現象が生じます。
遠くにあるものに近寄って行くにつれて、色がはっきりとわかるようになってきます。
目はある程度補正してくれますが、水中ライトの光を当てれば、
実際の色を見ることができます。
【音の聞こえ方】
水中では、音が空気中より約4倍速く伝わるため
音の聞こえ方も影響を受けます。
水中生物が出す音、ボートのエンジン音、ダイバーの声など、
水中では様々な新しい音を聞くことになります。
水中では、空気中よりも音が遠くまで伝わります。
例えば、水面では聞こえないような遠くを走るエンジン音が
水中では比較的近くから聞こえてくるように感じます。
音がどの方向から聞こえているのか、判断しにくくなります。
一般的に、自分の四方から聞こえているように感じたり、
頭の真上から聞こえているように感じます。
音が大きくなったか、小さくなったかで、
距離の判断を出来るかもしれませんが、方向は判断できません。
ダイビングは、ただ行うのではなく、体感するもの。
【水中での動き】
水は空気より密度が高いので、水の中で動くのは、
陸上で動くより労力が必要です。
速く泳ごうとすればするほど体力を使い、
速度を2倍にするには、4倍の体力が必要なので、
すぐに疲れてしまいます。
ダイビングをしているときには、急がなけらばならない理由など、どこにもありません。
水中では一定のペースでゆっくりと泳ぐのがダイバーとしての効率的な泳ぎ方です。
急に動いたり、止まったりするような動きは体力を消耗するだけなので
できるだけ避けるようにしましょう。
リラックスしてゆっくりと動いたほうが、ずっと遠くまでいくことができ
もっとダイビングを楽しむことができます。
身体を流線形に保つことで、水の抵抗を減らし、体力の無駄遣いを防ぐことによって
空気も長くもつようになります。
身体を流線形に保つというのは、ホースや器材をブラブラさせないようにし、
出来るだけ水平に泳ぐというだけのことです。
理想的なトリムは、両足と頭が比較的水平になる形、身体を流線形に保つことです。
正しいトリムがとれていれば、浮力コントロールを使って、水の密度を利用できます。
中性浮力を保っていれば、水中を滑るように進むことができます。
水面に出たら、楽に浮いていられるようにBCDに空気を入れましょう。
ダイビングのユニークな要素の一つが、浮力を自由自在に変えることが出来るという点です。
【体温を保つ】
水は、同じ温度の空気より多くの熱を吸収します。
役20倍の速さで熱を吸収します。
温かい水中でも、すぐに身体が冷えてしまいます。
寒さを感じずに快適にダイビングするには、適切な保護スーツを着て、
身体を保温する必要があります。
一般に、水温24℃(75℉)以下でダイビングする場合は保護スーツが必要です。
それより温かい場合もほとんどのダイバーが保護スーツを着てダイビングします。
時と場合、水温により保護スーツが必要かどうかを決めます。
ドライスーツは保温性がもっとも高い保護スーツで、低い水温にも対応できます。
ウエットスーツは幅広い温度範囲に使える保護スーツです。
保護スーツを着ていても、体温は徐々に奪われていきます。
最初は暖かくても、長く潜っているとやがて身体が冷えていきます。
身体が冷えてしまったら、ダイビングを終わりにします。
楽しくなかったら、ダイビングを続ける意味がありません。
次回はもっと厚手の保護スーツを使いましょう。
寒さを感じ始めて、震えが止まらなくなったら、
それは『ハイポサーミア』の徴候、症状です。
体が冷えすぎて機能しなくなるという、深刻な状態です。
震えが止まらなくなったら、すぐに水から出て、
身体を乾かして温める必要があります。
【水中で効率的に呼吸する】
酸素を吸って、二酸化炭素を吐く
酸素と二酸化炭素の交換(デッドエア・スペース)。
息をするたびに最初に肺に入ってくる空気は、
その前に息を吐いたときの空気です。(すでに使われた空気)
ダイビング器材を使うと、デッドエア・スペース(死腔-しくう-)が増えることになります。
エアの割合が高くなり、酸素を求める身体のニーズを満たそうとします。
ゆっくりと深く呼吸することで、息に含まれるデッドエアの割合が減少します。
【気道のコントロール】
レギュレーターやスノーケルの中に多少の水が残るのは、クリアした後はよくあることです。
気道のコントロールとは、水を吸い込んでしまわないように息を吸うスキルです。
・レギュレーターまたはスノーケルをクリアした後に注意深くゆっくりと息を吸うこと
水はマウスピースの中に残って、空気だけがゴボゴボと音を立てながら水を通過して
口と肺に入ってきます。少し下を向いた方が上手くできます。
・息を吸うときに水を吸い込まないように舌で水をブロックしながら、
舌の先端を上の歯の裏側につけるというテクニックです。
この時も少し下を向いた方が上手くいき、二つのテクニックを組み合わせれば
非常に効果的です。
水を吸い込んでしまうこともあり、そうするとむせたり、咳き込んだりしてしまいます。
その場合には慌てずに、そのまま咳をしてしまいましょう。
レギュレーターやスノーケルが口から外れないように手で押さえて咳をすれば大丈夫です。
ダイビング中の過度の運動による疲れは非常に危険です。
パニックや事故に結びつく恐れがあります。
過度の運動による疲れの症状は、
・疲れ
・呼吸困難
・息苦しさ
・虚脱感
・不安感
・頭痛
・筋肉の痙攣
・パニック
流れに逆らって泳ぐなど、体力を消耗する活動を続けると生じます。
器材が供給できる速さより速く、密度の高い空気を呼吸しようとすることが原因です。
ゆっくりと深く呼吸することによって、過度の運動による疲れを防ぎます。
呼吸が速くなってきたら、息苦しさを感じる前に止まってひと休みしましょう。
過度の運動による疲れを感じたら、『すべての動き』を止めて、
バディに合図し、その場でひと休みします。
動こうとすれば悪化するだけです。
何かにつかまるか、傷つきやすい生物のいない水底で、呼吸を整えます。
水面にいる場合には、BCDに空気を入れて浮力を確保し、
必要であればウエイトを捨てます。
呼吸が正常に戻ったら、同じトラブルを起こさないよう、
ゆっくりとしたペースで活動を再開します。
【バディ・システム】9つの事前打ち合わせ
・エントリーとエキジットの方法について
・コースを決めます
・潜水時間と最大深度を打ち合わせます
・ハンドシグナルなどコミュニケーションの方法を確認します
・戻るタイミング、方向転換して戻り始めるかを決めます(戻る時の残圧 ターン・プレッシャー)
・離れ離れにならないようにするための方法について
・はぐれてしまった場合にどうするかについて
・緊急手順について
・ダイビングの目的について
【プレダイブ・セーフティ・チェック】
すべての準備が整ったかどうか確認します。
BWRAF(Begin With Review And Friend)
Begin 『B』BCDのチェック
きちんと調節されているか
正しく機能するか
中圧ホースが接続されているか
シリンダー・バンド
音の出るものと視認用の水面シグナル器材
With(ウィズ)『W』Weight(ウエイト)のチェック
適正ウエイトかどうか
クイックリリースが素早くウエイトを捨てられる状態になっているかどうか
Review(リビュー)『R』 Releases(リリース類)のチェック
固定、リリース類の操作方法
And(アンド) 『A』 Air(空気)のチェック
レギュレーターを呼吸してみてテストします
残圧計をチェックします
互いの予備の空気源の場所と使い方
Friend(フレンド)『F』Final Check 最終チェック
忘れ物がないか、ストラップなどがねじれたりしていないか、
きちんと調節されていないものがないかなど、もう一度確認します。
潜る前に、必ずプレダイブ・セーフティ・チェックを行います。
いつでもバディと行動を共にしなければなりません
いつも、互いの数メートル/数フィート以内にいること。
互いに、2秒で手が届く位置にいましょう。
バディとはぐれるというのは、互いの姿が見えなくなった時のことを言います。
万一はぐれてしまったときどうするか、事前に話し合っておく。
一般的には、水中で相手を探すのは1分以内にして、
見つからなかったら注意しながら浮上し、水面で合流する。
しかし、状況によっては、浮上して水面で合流するという手段は避けたほうがいい場合もあります。
【バディチームでエア・マネージメント】
自分の残圧は自分自身で管理しますが、バディと情報をやり取りする必要もあります。
空気の消費量は人によって異なります。
ダイビングの最初から最後まで、残圧情報をやり取りします。
消費が一番速いダイバーの残圧に基づいて戻り始めます。
ときには、バディが自分のものと違うシリンダーを使っている場合や
スタート時の圧力が、自分のものと違っている場合があります。
最も少ない空気量をベースにして、エア・マネージメントを計画します。
【バディチームでエア・マネージメント】
開始時の圧力から浮上と安全停止のときに使う空気を引いた数字が
ダイビングのメインの部分に使える分です。
その半分が行きに使う分、残り半分が帰りに使う分です。
スタート時の圧力からこれを引けば、
残圧がいくつになったら戻るかわかります。
予想外の事態が起きて、浮上地点まで戻ってくる前に浮上予定の残圧になってしまったら、
その場所で浮上して、水面に出て、スノーケルで泳いで戻ります。
水中でエア切れになるような危険を冒してはいけません。
【水面移動】
足がつかない深さの場所にいるときには、
必ずマスクをして、スノーケルまたはレギュレーターを咥えている習慣を身につけましょう。
その必要がないと思われるときでも、必ずマスクをして、マウスピースを咥えている習慣を。
不意に押し寄せてきた波や水しぶきから目を守り、口に水が入ってしまうのを防ぐことができます。
マスクをしたままでいれば、波に持っていかれる心配もありません。
話す必要があるなら、マウスピースを取って、話をしてから咥え直しましょう。
トラブルが起きた場合、顔を水につけて、水中を見ながら呼吸する必要が生じるかもしれません。
マスクをしていなくて、マウスピースを咥えていないと、
慌てている間に対応が遅れてしまいます。
緊急事態が発生して、マスクとマウスピースをすぐに外した方がいい場合もあります。
数分間以上、水面にいるときはスノーケルを使って空気を節約したり、
ダイビングが終わってシリンダーが空に近い場合には、呼吸するのに必要です。
水面移動の3つの理由
・潜降したい地点から離れた場所で、エントリーしなければならない場合に、
シリンダーの空気を節約するため。
・潜降したい場所を探している間、シリンダーの空気を節約するため。
・エキジット・ポイントから離れた場所で浮上し、水面を泳いで帰らなければならないことがあるため
水面移動の2種類の方法
・顔を見ずにつけ、水中を見ながら、スノーケルで呼吸しながらうつ伏せで泳ぐという方法
・仰向けで泳いだほうが疲れません。この場合もスノーケルは咥えておきます。
水面移動中もバディと離れないように。
一般には横並びで泳ぐほうがうまく行きます。
【オープンウォーターでの潜降】5つのポイント
・バディ同士で、準備ができたことを確認し合います。
・水面または陸上にある物体を目印にします
・スノーケルからレギュレーターに交換します
・ダイブ・コンピューターがスリープモードになっていないか、または時計などを確認します
・潜降の合図を出して、BCDの空気をゆっくりと抜いていきます
ゆっくりと潜降します
頭を足より高い位置に保ったほうが圧平衡しやすく
方向を失うことなく、バディとのコンタクトも維持しやすくなります。
目で見て確認するための視標としてラインを使うか、
水底の傾斜に沿って、潜降していきます。
浮力をコントロールすることで、潜降速度をコントロールします。
しかし、状況によっては目標物を使って潜降をコントロールしなければならない場合や、
つかまって、その場にとどまる必要が生じることもあります。
最もよくある例が、強い流れでボートから離されないよう、
係留ラインにつかまりながら潜降するケースです。
目標物なしで潜降しなければならないときもあります。
バディと離れないようにします。
ダイブ・コンピューターを見ながら浮力を調節し潜降をコントロールします。
ゆっくり潜降するために浮力を調節します。
ほとんどの場合、潜降するにつれて、浮力は減っていくので
調節しないと潜降速度はどんどん速くなっていきます。
これは、保護スーツが水圧で圧縮されて、浮力が低下するためです。
そこで、減っていく浮力をBCDかドライスーツに空気を入れて補います。
潜降しながらBCDに空気を入れて浮力を調整するときには、
少しずつこまめに入れるようにします。
こまめに入れることで浮力が確保され、潜降がゆっくりと行えます。
浮力をコントロールして、ゆっくりと潜降していけば、
1メートルごとに圧平衡することができます。
浮力を調節しながら潜降していって、中性浮力がとれた状態で水底に到着するのが理想的です。
【オープンウォーターでの浮上】5つのポイント
・浮上の合図を出し、準備ができたことをバディ同士で確認し合います。
・ダイブ・コンピューター(深度計またはタイマー)をチェックしてノンストップの限度内であることを
確認します。
・上を見て、パワーインフレーターのホースを持ち上げますが、
このときは、BCDに空気を入れてはいけません。
・中性浮力がとれていれば、浮上はゆっくりと上に向かって泳ぎ始めるだけでよい。
・ダイブ・コンピューターが指示する最大速度を超えないように注意し、ゆっくりと浮上します。
最大浮上速度は、1分間に18メートルですが、ほとんどのコンピューターは1分間に10mを指示します。
10秒間に3メートルを超えない速度で。
浮上速度が速すぎると、コンピューターが警告してきます。
浮上に伴って、BCDの中の空気が膨張してくるので、急浮上しないよう、
BCDから少しずつ空気を抜きながら浮上します。
最後に上を見上げ、ゆっくりと回転しながら、バディと離れないように浮上します。
頭上に障害物がないことを確認してください。
水面に近づいてきたら、片手を頭上に伸ばしながら水面に出ます。
浮上するときには、必ず『安全停止』をしましょう。
深度6メートルから3メートルの間で停止すること。
一般的に5メートルを3〜5分かけて
全体的にゆっくりと浮上することになり、
溶け込んだ窒素を身体からさらに排出させる時間ができます。
肺の過膨張傷害と減圧症のリスクを減らすのに役立ちます。
停止するには、深度6メートルを過ぎたら浮上速度を遅くして、
中性浮力になるよう、微調整します。
5メートルあたりで3分間以上止まります。
少し浅いか深いかの違いは特に問題ありません。
停止している間はダイブ・コンピューターをチェックして間違ってノンストップの限度を
超えていないことを再度確認します。
目標物があったほうが、安全停止しやすくなります。
傾斜した水底に沿って上がります。
ラインやハングバーを使用します。
中層では、深度計を見てホバリングしながら安全停止します。
緊急事態が生じた場合(エア切れダイバーを手助けしているときや、空気が少ないとき)には、
必ずしも安全停止をする必要はありません。
深度6メートルより浅い場所でダイビングしていた場合は安全停止をする必要はありません。
安全停止を終えたら、バディに合図します。
ゆっくりと上に向かって泳ぎ、浮上します。
上を見上げて、左手でBCDのパワー・インフレーターを持って上に持ち上げます。
膨張する空気をBCDから出します。
ゆっくりと回転しながら浮上して、
頭上に障害物がないことを確認します。
水面に出るときには、手を頭上に伸ばします。
レギュレーターを口から外さずに、まずBCDに空気を入れます。
浮いている時にスノーケルに交換します。
【保護スーツ】
保温、刺し傷、擦り傷、切り傷から皮膚を保護するため。
ウエットスーツ・・・最も一般的な保護スーツ
保温性があって皮膚を保護します。
10〜30℃という水温で様々なスタイルで対応
ウエットスーツはネオプレンフォームで保温します。
水が皮膚とスーツの生地の間に入り込んできます。
入り込んだ水は体温ですぐに温まります。
ネオプレンが体温の失われる速度を遅くしてくれます。
効果を最大限発揮するには、入ってきた水を逃さないように
身体にフィットしていなければなりません。
緩すぎると、水の出入りが多くなり、体温が急速に奪われてしまいます。
きつすぎても、快適なダイビングができません。
ドライスーツ・・・断熱効果が最も高い保護スーツで、身体は濡れません。
防水ファスナーとシールを使用します。
頭と両手以外の身体をカバーします。
スーツ内の空気の層と下に着るインナーウェアで身体を保温します。
快適に潜っていられる時間が長くなります。
−10〜18℃に対応。
ドライスーツ内の空気の層も、潜降するときに圧平衡して、
浮上するときには空気を抜いてコントロールする必要があります。
ドライスーツを着用するときには、
中圧ホースを使って、空気をいれ、排気バルブを使って、膨張する余分な空気を抜きます。
ドライスーツはウエットスーツほど、身体にぴったりと密着しませんが、
サイズが合っていることが大切です。
スキンスーツ・・・保温性はほとんどありません。
水温の高い場所で、切り傷、擦り傷、刺し傷、日焼けなどから皮膚を保護するのに着用します。
ウエットスーツの下に着ます。
小物類
マルチピースのウエットスーツは、重ね着することで保温性を高めます。
ショーティと呼ばれるウエットスーツは、温かい海でよく使われます。
様々な厚さのものがあります。
厚いほうが、保温性は高くなります。(5〜7ミリ)
薄いほうが、水温が高い場所に適しています。(3ミリ)
カラーや、ポケットオプション、ファスナーの位置、膝や肘のパッドなど。
ドライスーツでは、水温に応じてインナーウエアを選びます。
ウエットスーツ素材でできたフードとグローブを着用します。
寒冷地では、ドライフードとドライグローブを着用するという選択肢もあります。
ドライスーツのネックシールを調節するときには、ぴったりとフィットしたものを選びますが、
きつすぎてはいけません。
きつすぎると、首の動脈が圧迫されて、血流が少なくなります。
すると、頭がフラフラしてきて、そのままフードをかぶっていると
気が遠くなり、意識を失うことすらあります。
水温が21℃以下の冷たい水でダイビングするときには、フードが必要です。
頭からかなりの量の熱が失われてしまうからです。
グローブは保温し、切り傷や擦り傷などから保護します。
保温性が高い順に、
・ウエットスーツ素材でできたグローブ
・ウエットスーツ素材でできた厚手のミトン
・ドライグローブ
グローブで手を保護するだけで十分で、指先も動かしやすいというメリットがあります。
ブーツは足を保護し、保温します。
かかと部分が開いているストラップタイプのフィンには、ウエットスーツ素材でできたブーツを履きます。
フィンソックスは柔らかい素材でできていて、さらに快適にダイビングできます。
ほとんどのBCDにポケットは付いていますが、
ウエットスーツやドライスーツにもポケットが付いていると便利です。
太ももに付けるのが最も一般的です。
【オーバーヒートを予防する】
保護スーツは保温性が非常に高いので、オーバーヒートが問題になります。
保護スーツは、器材のセッティングがすべて終わってから着ます。
直射日光を避けて、動かないようにします。
フードは、水に入る直前まで外しておきます。
スーツのファスナーは、出来るだけ水に入る直前まで開けておきます。
オーバーヒートになってきたと感じたら
十分に時間をかけて身体を冷やします。
水に入ったり、誰かに水をかけてもらい、スーツを脱ぎます。
【カッティング・ツール】
安全を守るために使う便利な道具
ラインを切ったり、バディを呼ぶためにシリンダーを叩いたりするのに使います。
何かに激しく絡んでしまった時などに、安全を確保するという役割
釣り糸を切って取り除いたりする。
水中生物に危害を加えたり、沈船に落書きしたりするのに使ってはいけません。
・ダイビングナイフ
・ダイビング・ツール(尖っていないダイビングナイフ)
・ハサミ(釣り糸や網をカットするのに適している)
・Zナイフ(刃がついたフック)
カッティングツールの鞘は、自分が使いやすいと思うところに取り付けます。
・BCDのホース
・ウエストのストラップ
・足の内側
・コンソールの裏側
・手首など
多くのダイバーが2つ携帯し、両手が届くところに装着します。
ダイビング器材バッグ
ウエイト、シリンダー、スーツ以外の全ての荷物を入れる。
バックはダイビング器材専用に設計されていて
海水でサビないファスナー
腐食に強い丈夫な生地
専用のバッグでないと、器材の重さに耐えられません
全ての器材を入れてもまだ余るくらいやや大きめがおすすめ
ダイビングの計器類 3種
・残圧計
・ダイブ・コンピューター
・コンパス
残圧計はシリンダーに空気がどのくらい残っているか表示する計器
ダイブ・コンピューターは潜水時間や深度、体内に溶け込んだ窒素の量を
許容限度内にとどめておくための情報も表示します。
コンパスはナビゲーションツールとして使用します。
オプションとして選ぶことのできる3つの計器類
・深度計
・温度計は水温を表示してくれるので、何度か繰り返してダイビングするときに
どのくらいの防寒をしたほうがよいかを判断するのに役立ちます。
・ダイバーズ・ウォッチ
計器類のメンテナンスは真水で洗います。
衝撃を与えないように。
直射日光が当たらない日陰に置くように。
日陰がなければ、上に何かを被せておく。
電池は、指示に従って交換。
【ダイバーとしてのスキル】
ディープウォーター・エントリー(ジャイアント・ストライド)
マスクとレギュレーターを押さえ、
BCDに半分空気を入れ、エントリーします。
まっすぐ前を見て、大きく一歩足を踏み出します。
(ジャンプしてはいけません。)
OKサインを出し、速やかにエントリー場所から離れ、スノーケルに交換します。
ウエイト・チェックと適正ウエイト
水面でレギュレーターから呼吸しながら
BCDから空気を抜き、普通に呼吸してから息を止めた状態でリラックスします。
目の高さで浮くように調節します。
BCDのバンドが緩いとシリンダーがズレてきます。
途中でしめなおしましょう。
水から上がるときにシリンダーが外れてしまった場合は脱いで、
陸上から持ち上げるとやりやすい。
スノーケル・クリア
水がスノーケルに入った場合は、
顔を水につけ、力強く勢いをつけて『プッ』
【プールダイブ】
フィンピボット(フィンを底についてBCDに少しずつ空気を出し入れし
深く息を吸うと身体が浮き、、息を吐くと沈みます。)で中性浮力の練習
【ラダー・エキジット】
ボートダイビングで多い。
先にラダーを登っているダイバーの真下にいないように。
スノーケルまたはレギュレーターから呼吸します。
フィンを外して手渡すか、自分の手首にかけます。
【ダイビング環境の種類】
水温
季節・深度が影響してくる。深くなればなるほど水温は下がる
サーモクラインとは、温かい上層と冷たい下層の間の境目
最大深度の水温に合わせて保護スーツを選ぶ
ダイビング中に少し寒いと感じたら、水温の高い浅い場所に移動するかダイビングを終わりにする。
透視度
水中の透視度は0〜60メートル以上になることがあります。
透視度は、水中で横方向にどのくらい遠くまで見えるかの距離として測定しますが
主観的なもの。
水の動き、天候、プランクトン、水底の構成
それぞれ浮遊物が増えたり減ったりすることが透視度に影響します。
水の動き
波、流れ、ダイバーのフィンキックによって水底の沈殿物が巻き上げられて
見えづらくなったり、逆に流れによって、透視度がよくなることもあります。
波や雨によって沈殿物が増えます。
沖へ向かって風が吹くと、表面の水が沖のほうへ押しやられ、深海から澄んだ冷たい水が上がってきます
晴れた日が続くと、プランクトンの繁殖する速度がさらに加速されます
バディの姿を見失いがちになるので、距離を保って常に確認しあう。
自分のいる位置や向かっている方向がわからなくなるのでコンパスを。
潜降、浮上の時に方向がわからなくなるので、
ダイブコンピューターを使って深度と潜降/浮上速度を調節します。
透視度が良すぎると、深く潜りすぎてしまいトラブルになることも。
透視度が良くても、バディとは2秒以内で互いに手が届く場所にいること。
風が強く、吹き渡る距離が長いと波は大きくなります。
波は
水面移動に影響するだけでなく、エントリーとエキジットに使うテクニックにも影響します。
流れは、波、太陽によって水が温められたり、冷やされたりすると
水は温められると膨張し、冷やされると収縮するため季節的な流れ、
地球の自転、潮の干満により発生します。
そのような流れは最初は垂直方向に動きますが、
水底や障害物にぶつかると横方向へ流れ続けます。
海流や反転流は地球の自転のより発生します。
潮の干満は、太陽と月の引力により発生する現象で、
地球の自転に合わせて、海水面が上がったり下がったりします。
それにより、湾や港といったような、周囲を囲まれた場所に出入りする流れが生じます。
流れは水面が最も強く、水底に近づくにつれて弱くなる傾向にあるので
流れに逆らって、長い間水面移動するのは避けて、水底近くの弱い流れのところで
流れに逆らって泳ぎます。
ダイビング前半は流れに逆らってゆっくりと泳ぎます。
そうすれば、帰りは流れに乗ってエキジット・ポイントへ楽に戻ることができます。
水面で流れに押し流されてエキジットポイントを通り過ぎてしまった場合には、
流れを横切るように泳ぎます。
水底の構成
植物
サンゴ
岩
砂
シルト/泥
水中生物
太陽光
【淡水と海水】
淡水は海水よるも密度が低いので、ウエイトとトリムを再チェック。
サーモクラインは淡水のほうが多く見られます。
淡水の水底は簡単に巻き上がります。
海洋環境は、水中生物の種類と数が淡水環境より多い傾向にあります。
様々な潮流や波があります。
オープンウォーターとは、いつでも真っすぐに浮上できる場所のこと。
(洞窟、横穴、など頭上が閉鎖されていない空間)
【コンディションの評価】
天候、季節、水の動き、水の見た目、ネットやダイバーからの情報、同様のポイントで行ったダイブ
【水中生物】
《刺す生物》
クラゲ
カツオノエボシ
ミノカサゴ
カサゴ
アカエイ
ウニ
イモガイ
ファイヤーコーラル
その他のヒドロ虫
《噛む生物》
ウツボ
ゴマモンガラ
ワニ類
一部のサメ
バラクーダなど
ヘビ
タコ
ツメのあるエビ、カニ
発情期に入ったアシカのオスは危険。
スピアフィッシングは、サメの捕食行動を刺激する。
キラキラ光ってブラブラしている装飾品はエサになる小魚に似て見えるのでつけないほうがいい。
ケガ人が呼吸しているかどうか。
海でダイビングしている場合には、刺された個所を海水ですすぎます。
こすってはいけません。
クラゲ、ファイヤーコーラルなどのヒドロ虫による刺し傷には酢をかけます。
魚のトゲ、カサゴ、アカエイによる刺し傷は、お湯に浸します。
ウニのトゲはピンセットで取り除きます。取れそうにない場合は病院へ。
噛まれた傷は出血を止め、包帯をして手当てします。
それぞれの国で水中生物に関する法律や規制があり、
生物を保護するとともに、人間の安全を守るために制定されています。
繁殖期には、入場制限することで、人間の姿を見ると食べ物を連想するような
危険な生き物を作らないようにすることを目的とした法律や規制もあります。
【PROJECT AWARE】
地球という海の惑星を守ることを目的としたダイバーの活動です。
水中生物調査、ゴミの除去、ダイバー講座など。
【サーフゾーン】とは、波が砕ける場所のことを言います。
波はそれ自体の高さより少しだけ深いところで砕けるという性質を持っています。
波の下の部分が海底にぶつかって上の部分より速度が遅くなり、上の部分が盛り上がって砕けるからです。
波を観察することで、その場所の深さがある程度わかります。
沖合で波が砕けている場合は、そこに浅いリーフ、砂州、沈船などがあることを示しています。
波が一度砕け、また波になり、もう一度砕ける場合には、水底が盛り上がって落ち込み、
再び盛り上がるという地形になっていることを示しています。
波が連続したラインになって砕けているが、一ヶ所だけ砕けていない部分がある場合には
そこにリップカレントがあることを示しています。
【うねりと引き波】
うねり(サージ)と引き波は、岸に打ち寄せる波によって発生します。
うねりは、水が前後に揺れる現象です。
うねりが強いと体がリーフや岩に打ち付けられる恐れがあります。
弱いうねりは、方向感覚を失うことがあります。
うねぎがなくなる深さまで潜り、その影響に対処します。
うねりが予想外に大きい時には、ダイビングを中止します。
引き波とは、砕けた波が次に押し寄せる波の下を通って沖へ戻る現象です。
バランスを失って転んでしまう危険があります。
大きい波+急な傾斜の岸=強い引き波
サーフが穏やかな時以外、傾斜が急な浜からダイビングをするのはやめましょう
弱い引き波ならバランスを失わないように注意しながらエントリー/エキジットします。
【ロングショアカレント】
波は通常、やや斜めの角度で岸にアプローチします。
岸を平行に流れるロングショアカレントを引き起こします。
岸に沿って横方向へ流されてしまう危険があり、
その強さに応じてダイブプランを立てます。
上流でエントリーし、下流でエキジットします。
緩やかなロングショアカレントなら、流れにむかってダイビングを開始します。
流れがエキジットにどう影響するかに備えておくことが重要です。
【リップカレント(離岸流)】
波が長い障害物を乗り越えて岸へ押し寄せている状況で発生します。
波に押されて溜まった水は、狭い隙間を通り抜けて沖合へ戻っていきます。
濁った水が沖のほうへ流れているのが見えたら
リップカレントがあることがわかります。
岸へ打ち寄せる波のパターンが崩れています。
あっという間に沖へ運ばれてしまいます。
障害物を超えると、流れはなくなります。
万一リップカレントに巻き込まれたら
流れに逆らって泳ごうとせず、浮力を確保し、落ち着いて岸と平行に泳ぎます。
リップカレントを利用してダイビングをしている場所もあります。
【アップウェリング】
陸地から沖へ向かって吹く風が海面の水をさらっていくのに伴って、
深い海底から冷たい水が上がってくる現象です。
主に海で起こりますが、大きな湖でも発生します。
透視度も良くなり、絶好のダイビング・コンディションを作り出します。
【潮の干満】
月と太陽の引力によって地球上の海の水が引っ張られることで生じる現象です。
海面の高さが周期的に上下します。
地形などの条件により、1日に満潮と干潮が2回ずつある場所もあれば、
1回ずつの場所もあります。
満潮と干潮の差は、場所や月と太陽の位置によって異なりますが、
6メートル以上の干満差が出るところもあれば、ほとんど差がない場所もあります。
潮汐表(ちょうせきひょう)を調べれば予測可能です。
沖へ向かって流れる潮は、沈殿物も一緒に持っていくため、透視度が下がります。
潮が入ってくるときは、澄んだ水が運ばれてきて、透視度が上がります。
ダイビングに最も適しているのは満潮時です。
ビーチダイビングのエントリー手順
波をよく観察し、波のパターンをチェック
穏やかな状態の間に、フィン以外の器材をすべて装着してエントリーします。
深い方へ素早く移動し、波に対して身体を横向きにしてしっかりとバランスをとります。
マスクとレギュレーターを押さえ、少しもたれかかる姿勢をとります。
フロートを引いていく場合には、
浜側において引いていきます。
十分な深さまできたら、フィンを履いて泳ぎ始めます。
エキジットする手順
サーフゾーンの手前で水面に出て波のパターンをよく観察します。
レギュレーターを使います。
穏やかな状態のときをねらってエキジットのタイミングを計ります。
フロートを引いている場合には浜側において押していきます。
足がつくところまできたら、立ち上がってあるけるようにBCDから少し空気を抜き
バランスをとりながら歩き、波をよく見ながらフィンを脱ぎます。
フィンを履いたまま、後ろ向きで歩いて出るダイバーもいます。
波に対して横向きになって、波に寄りかかるようにして対処します。
素早く浜に向かって歩きます。
転んでしまったら、そのまま這って水から出ます。