土佐寿司(とさずし)・Tosa Sushi
[高知県]
高知県は日本で一番郷土寿司が多い、『郷土寿司大国』です。
土佐寿司は、高知県内の各地域で伝統的に作られてきた郷土寿司全般のことを指します。
その最大の特徴は、高知では『酢みかん』と呼ばれる、
ユズやブシュカンなどの果汁を酢飯に使ったお寿司が多いことです。
四季折々の食材は、知恵と工夫に溢れたお寿司に姿を変えて、
たくさんの土佐寿司を生み出しました。
土佐寿司を美味しくするために『すしの出汁(だし)』を使うのですが、
その出汁は、かつお節でも昆布でもなく、
【酢にごし】と【酢ころし】という魚の出汁なんです。
詳しくはこちらからどうぞ。
すしのだし!? 『酢にごし』 と『 酢ころし』について
高知県は、森林率84%で日本一です。
この豊かな森林が育んだ清流、四万十川や仁淀川などを有し、
南には魚種豊富な黒潮おどる太平洋。
温暖な気候に恵まれ自然豊かです。
そこには、豪快でおおらかな県民性が生み出した食文化があります。
ハレの日の宴会『おきゃく』。
『皿鉢(さわち)』料理には必ずお寿司が並びます。
高知県は、山の幸、川の幸、海の幸、なんでもお寿司にしてきました。
海岸部には魚のすし、山間部には塩サバや野菜を使った寿司など
郷土寿司の種類の多さは断トツで日本一です。
高知では宴会のことを『おきゃく』と言い、
宴の席には必ずといって良いほど『皿鉢料理』が並びます。
皿鉢料理とは『活魚の刺身』、『組み物』、『寿司(土佐寿司)』を
約40cmほどの大皿に豪快に盛り付けた料理です。
高知ですしが作られるようになったのはいつ頃からか?
土佐藩の武士、森勘左衛門(もりかんざえもん)が書き残した【森家日記】の
寛政11年(1799年)の項に
『4月7日 皿鉢 あじのすし / 同8月17日 皿鉢 すし』と記されています。
また、
【皆山集(かいざんしゅう)】に
『鮎鮓(あゆずし)ノ事・・・・・本山吉野中の名産』とあります。
江戸時代、土佐の武家の食卓に、すしの存在はすでにあったようです。
大正15年生まれの松﨑淳子先生のお話によると、
当時の宴会『おきゃく』の様子は、
地区の中に、田植えや冠婚葬祭を手伝う共同体『結(ゆい)』があり、
料理を担当する『汁組(しるぐみ)』があったそうです。
そして、必ず『器用料理人』と呼ばれる料理上手の男性がいて、
おきゃくの目的と人数を聞いて、
『生(刺身の皿鉢)何枚、組み物(すしやおかずの皿鉢)何枚。ほいたら(それなら)サバが何枚、すし何本・・・・』と企画し、
市場に出向いて『刺身はこの魚がどればぁ(どれくらい)、海苔は何枚』と食材を手に入れ、
汁組の女性たちと一緒に準備をしたそうです。
言うなれば、器用料理人は『おきゃく』のプロデューサー。
素人の男性料理人が祝い事の采配を振るったそうです。
Tosa Sushi is comprised of various types of sushi from different regions within the Kochi prefecture.
The feature that distinguishes Tosa Sushi from other forms of sushi is the use of fruit juice made from yuzu and bushukab within the rice itself.
In Kochi , these fruits are called sumikan , literally meaning 『vinegar sitrus』.
Tosa Sushi can be contributed to the utilization of ingredients based sesonal changes.
Which , has continued to spark a new wave of wisdom and innovation within crafting varieties of sushi.
Within Japan , the prefecture of Kochi is the lead in forest area per caoita at 84%.
The prefecture is home to the Shimanto River , Niyodo River , and other crystal-clear waters nourished by the surrounding forests.
To the south , the prefecture is blessed by the Pacific Ocean and the Kuroshio Current.
Which , is rich in a variety of fish species.
Additionally , Kochi has a warm climate and a rich natural environment.
The culinary culture is driven by the overwhelming , generous character of the community.
At 『okyaku』banquets, a platter is always served with stacks of sushi, products of the mountains , rivers , and sea.
Over the years , people in Kochi have integrated a variety of ingredients into sushi ; potentially the highest in Japan.
In Kochi , a banquet is called an Okyaku , and Sawachi cuisine is virtually always featured.
Sawachi means 『platter』 , and in this cuisine a large platter about 40cm in length is amply stacked with fresh fish sashimi , combinations , and Tosa Sushi.
【土佐寿司一覧(Tosa Sushi List)】
アジの姿寿司(AJI NO SUGATASUSHI)
アマダイの姿寿司(AMADAI NO SUGATASUSHI)
アメゴの姿寿司(AMEGO NO SUGATASUSHI)
アユの姿寿司(AYU NO SUGATASUSHI)
板こぶ寿司(ITAKOBU SUSHI)
一本釣りウルメの姿寿司(IPPONTSURI URUME NO SUGATASUSHI)
田舎ずし(INAKA SUSHI)
ウルメのロクヤタ(URUME NO ROKUYATA)
かぶ寿司(KABU SUSHI)
カマスの姿寿司(KAMASU NO SUGATA SUSHI)
きびなごのおから寿司(KIBINAGO NO OKARA SUSHI)
金時豆の押しずし(KINTOKI MAME NO OSHISUSHI)
金時豆の五目寿司(KINTOKIMAME NO GOMOKU SUSHI)
銀不老寿司(GINBUROU SUSHI)
黒竹の筒寿司(KUROTAKE NO TSUTSU SUSHI)
こけら寿司(KOKERA SUSHI)
サバの姿寿司(SABA NO SUGATA SUSHI)
サバの押し寿司(SABA NO OSHI SUSHI)
白コブの巻きずし・黒昆布巻寿司(SHIROKOBU NO MAKISUSHI・KUROKOBU NO MAKISUSHI)
すり身巻き(SURIMIMAKI)
太刀魚のかいさま寿司(TACHIUO NO KAISAMA SUSHI)
チャーテ寿司(CHATE SUSHI)
つわ寿司(TSUWA SUSHI)
土佐巻き(TOSAMAKI)
ヒメイチ寿司(HIMEICHI SUSHI)
ぶりのヘダ寿司(BURI NO HEDA SUSHI)
太巻き寿司(FUTOMAKI SUSHI)
玉子巻き寿司(TAMAGO MAKI SUSHI)
四方竹の寿司(SHIHOUCHIKU NO SUSHI)