高知県立 牧野植物園(THE KOCHI PREFECTURAL MAKINO BOTANICAL GARDEN )
2022年10月25日
念願の牧野植物園に行ってきました。
一度行ったら、近所に住みたいと思う方が今後続出するのではないでしょうか^^;
ずーーーっと、ずーーーっといられるほどに素晴らしい植物園です。
高知を知り尽くしているバリバリの高知女史お二人、
畠中智子さん(通称:もこさん)と和田亜紀さんのご案内で
贅沢な10月の牧野植物園を巡ります。
こちらが園内の案内図です。
初めての牧野植物園ですので、今回はざっくりとご紹介させていただきます。
まずは、植物園の入り口までのアプローチ、
土佐の植物生態園からスタートです。
植物園に入る前から、いきなりテンションが上がるんですけど。。。^^;
植物学者、牧野富太郎博士を育んだ豊かな土佐の自然が再現されています。
南国土佐は、
険しい四国山地から黒潮のうちよせる温暖な海岸までの連続した植物の移り変わりが見られ、
多様な自然環境に3,200種もの植物が生育しています。
この「土佐の植物生態園」エリアには、
標高1,000mを越える山地(冷温帯)から低山(推移帯)、
丘陵地(暖温帯)、人里、湖沼、海岸にいたるまでの土佐の植生がゾーンごとに分けられ、
代表的な植物が自然さながらに植栽されて、それぞれのゾーンの植物群落が再現されています。
牧野富太郎命名植物
キイレツチトリモチ
植物園に入る前からこのボリュームです。^^;
しかもこれが季節ごと、
なんなら日々、変化して見ることができるわけですから
植物に少しでも関心をお持ちの方なら、年間パスポート必須ですね。
本館入園窓口にて受付を済ませて、いよいよ牧野植物園に入園です!
【牧野富太郎記念館 本館 ウッドデッキ】
2023年4月3日から放送が予定されているNHK「連続テレビ小説」
『らんまん』、そのモデルが牧野富太郎(まきのとみたろう)博士です。
牧野富太郎記念館は、建築家 内藤廣氏の設計です。
サスティナビリティーという考え方がひとつのテーマになっています。
自然と人間が共生している仕組みを壊さず持続させていくための工夫が
構造や設備などに生かされています。
最新のコンピューター解析技術と土佐の伝統技術との共同作業でつくられたこの建物は、
景観に配慮した環境保全型建築の方向性を示す優れた建築物として全国的な評価を受け、
数々の賞を受賞しています。
木の温もりを生かし入園者を優しく包み込み、
自らを「草木の精」と呼んだ牧野富太郎にふさわしい空間がつくりだされています。
【ボタニカルショップ nonoca(野の花)】
本館入園窓口のすぐ横にあるショップです。
季節の植物の鉢植えが並び、牧野博士の植物図をあしらったグッズなどの牧野植物園オリジナルグッズや
高知産の土産ものなどが販売されています。
https://www.makino.or.jp/spot/detail.php?id=16
【牧野富太郎記念館 本館】には
牧野博士の蔵書や遺品など、約58,000点を収蔵する牧野文庫(研究調査のみ利用可)をはじめ、
図書室、五台山ホール、教室や講演を行うアトリエ実習室や映像ホールなどがあります。
園内のあちらこちらで見かけるこのマーク。
牧野博士が封筒の封じ目に押していた封印 「巻きの」 だそうで、
博士自身がデザインし、ハンコにして使っていたそうです。
まきの の 「の」 が巻いてあるから
これで「まきの」って意味なわけですね!
五台山のジオラマ
先ほど行ってきた
五台山展望テラスもありました!
引き出しを引くと、乾燥保管された様々な植物の現物を見ることができます。
今では見ることが出来ない、浦戸湾でのニロギ釣りの風景写真。
ニロギは「ヒイラギ」のことです。
ここからは、植栽エリアに移動していきます。
ミストが柔らかく噴射される歩道からは
四国山地を綺麗に見ることができます。
ここに現れたのが【ふむふむ広場】です。
ふむふむ広場は「土佐の畑」、「まなびの野原」、「ふれあいの庭」のエリアに分かれています。
ここでは、植物に触ったり、ちぎったり、匂いをかいだりして
五感で植物に親しみ、「ふむふむ」とうなずきながら楽しく学べます。
そして、手洗い場や水飲み場まであります。
植物をちぎるのはちょっとなぁ。と思ってしまいますが
このエリアでは五感を使って!というのが牧野植物園からのメッセージ。
思い切って触れてみましょう!
こちらのQRコードを読み取れば
日本語、English、简体中文、繁體中文、한국어
のガイドページに飛ぶことができます。
この時期の「土佐の畑」エリアには、
文旦(ブンタン)、
モチユ
が植えられていました。
今回は時間の都合上、
ふむふむ広場では「土佐の畑」のみにして
「まなびの野原」、「ふれあいの庭」はまた次回に!
次は、【牧野富太郎記念館 展示館】へ向かいます。
と、展示館入り口のすぐ手前に現れたのがイネ科の植物「スエコザサ」です。
1927年(昭和2年)の冬、
牧野博士は岡田要之助(おかだようのすけ)らに案内された宮城県仙台市の三居沢(さんきょざわ)で
新種のササの仲間を発見しました。
3ヶ月後、牧野博士は自身が編集していた『植物研究雑誌』第5巻 第2号で、
これまで自分を支え続けてくれた妻・壽衛(すえ)へ感謝を込めて献名し
和名をスエコザサ
学名をSasa suwekoana Makinoと発表しました。
しかし、病に伏していた壽衛(すえ)は雑誌が発行される5日前の
1928(昭和3年)2月23日に永眠してしまいました。
牧野植物園のスエコザサは
開園前の1958(昭和32)年3月に仙台で採集したものを
仙台市野草園より寄贈されたもので、
開園後の1958(昭和32)年5月に
牧野博士の郷土葬に来県していた次女鶴代さん、と三女らを迎え、
牧野博士の遺骨の前(現在の南園)で記念植樹を行ったそうです。
当時のスエコザサは脈々と職員に受け継がれて、
今この写真に写っているスエコザサは、まさにそのスエコザサなんです。
【牧野富太郎記念館 展示館】に入ってすぐにドカーーンと牧野博士が現れました。
(※展示館内は、著作権と資料の保護のため、撮影禁止マークのあるところが多くありますのでご注意ください。)
牧野博士の書斎を再現したもの。
水槽の水草が光合成を行っている様子です。
光をうけて水草が泡を出しています。
これが酸素です。
Let's observe the photosynthesis performed by water plants in the tank.
Do you see that air bubbles come out from the water plant,when they get sun light?
These bubbles are the oxygen!
この笑顔がなんとも最高です!
牧野博士の軌跡も含め、膨大な資料が大切に丁寧に紹介されている展示館でした。
(これでも一部なのでしょうが^^;)
展示館中庭
牧野博士ゆかりの植物が季節ごとに楽しめる仕掛けになっています。
階段広場
からの北園エリア、
芝生広場へ
超きもちいー!
次は南園の「カンナ&ローズ園」方面へ
牧野植物園から見る竹林寺の五重塔。
牧野富太郎像
【サクラ属バラ科の園芸品種「仙台屋(Prunus Sendaiya)」】
高知市の「仙台屋(せんだいや)」という商家の屋敷にあった桜で、
蕾や花弁の縁の色が濃く美しいため、
花の頃には枝を藩主・山内家に献上していたといわれています。
牧野博士は、牧野植物園の設立に尽力した武井近三郎(たけいちかざぶろう)との
200通を超える手紙のなかで、
「仙台屋」の美しさや桜を通じて郷里への思いを何度も語り、
東京都練馬区の自宅の庭にも植えました。
牧野植物園では3月下旬に見ごろを迎えるそうです。
カラスウリの果実
50周年記念庭園
昼下がりの高知貴婦人。
楽しくてどうしようもない岡田大介。
むこうに見えるのが温室です。
熱帯の雰囲気が漂う室内は半地下構造となっており、
高低差を活かして植物をいろいろな角度から観察できるようになっています。
熱帯乾燥地から湿潤な多雨林など、多様な環境に生育する植物が植栽されていて
資源植物コーナーやオオオニバスの葉を裏側から観察できる大窓、
珍しいラン科植物の展示、温室内を一望できる展望デッキでは
ヒカゲヘゴなどを臨み見ることができるそうで、
どれも想像出来ない、見たことがないものばかりの温室、ワクワクしかありません。
温室入り口にて、上を見上げるとこの景色。
【みどりの塔と回廊】
大木の洞窟をイメージした高さ9mの塔。
その壁面にはアコウ、リュウビンタイ、ディクソニア、シッサスなどが植栽されています。
外気とは異なる、室内温度や温室独特の香り。
本当に、全部、ずっと楽し過ぎるんですけど。。。。。
それでは、温室内を簡単にレポートさせていただきます。
乾燥地の植物は乾燥だけでなく、日中の高温と夜間の低温に耐える構造を持っています。
キンシャチ、トックリラン、サイザル、アガベ類、柱サボテン類、ユーフォルビア類、
アロエ類、アリアカシア、サンセベリア類、バオバブ類、ジグザグノキなど
植物とは思えないような不思議でたくましい植物たちを見ることができます。
ウォーターガーデンへ
滝を中心にシンメトリーに配置された柱が神殿を思わせる、開放的な水辺の空間になっています。
池の水際にはマングローブの仲間や湿地を好む植物、
池の中には熱帯スイレンなどが植栽されています。
※サガリバナ、ゴバンノアシ、サキシマスオウ、アカタコノキ、
プルメリア、ティフォノドルム、熱帯スイレン、パラグアイオニバスなど
オオオニバスの葉を裏側から観察できるなんてすごい!!!
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展示館 カフェ アルブルの中の小さなブックカフェ「中庭文庫」さん。
たっぷり歩きましたので、ここで一休みしましょう。
店内はこんな感じに広々しています。
入口付近のスペースには、
ボタニカルショップ「nonoca」さんがあります。
牧野博士の図鑑がずらり
テラス席は植物に囲まれてお茶ができますのでオススメです!
トラフダケ
色々見渡せる、角のこの席に決定!
テラス席から見たカフェ アルブル。
ここにもありました!
「巻きの」マーク。
やっぱり、ここに来たら食べるべきロールケーキは、「まきのロール」。
しっかり「の」の字になってますね!!
牧野博士と言えば、スエコザサ。
こちらは、スエコザサの青味をメインに、天日仕上げの釜炒り茶と
ドグダミとペパーミントで爽やかにまとめられたオリジナルブレンドティーです。
ついつい、頭が植物モードになってしまい、ちょっとお下品すみません。。。
ティーバッグの中身を取り出して観察してしまいました。^^;
高知女史、畠中智子さん、和田亜紀さん
詳しく、楽しく牧野植物園をご案内くださいましてありがとうございました!
2023年4月から放送の連続テレビ小説『らんまん』も楽しみ過ぎます!
もう、また行きたい。^^;
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何度でも行きたい。
いつでも行きたい。
そして、いつまでも行きたい。
それが、牧野植物園です。
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牧野植物園まで
お車で行くことが出来ない方は、とさでん交通の「MY遊(まいゆう)バス」もございます。
時刻通りにバスが来たのか? もう行ってしまったのか?
それが一目でわかるように「通過しました」の札がかけられているところが親切ですね!
【高知県立牧野植物園】
住所:高知県高知市五台山4200−6
電話番号:088-882-2601
ホームページ:https://www.makino.or.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/makinobotanicalgarden/
高知龍馬空港までの帰り道、
今回の高知の旅を虹が彩り締めくくってくれました。
また高知に行きます!